File No.004
Dasyscyphus bicolor
(ビョウタケ目ヒナノチャワンタケ科)

前述したコナラの切り株の住人のひとつである。雨上がりの湿度の高いときでないとそこにいるということにすら気がつかなかっただろう。ごくごく小さなきのこである。

それにしても、こういう生き物を作った神様もたいしたものだが、それを見つけ出し、いろいろと調べてしまう人間の好奇心というのもすごいものだ。四手井淑子氏の『きのこ学放浪記』にも、吉見昭一氏が径1mmの「ふけのような」地下生菌を掘りあてたところを見て、「こんなものさえ人間は発見していたのだ」と感嘆するくだりがあった。まったく同感である。

なお、「Fungi of Switzerland」には、本家Dasyscyphus bicolorの胞子は長径7--9?m、外面の毛は長さ100?m以上あるように描かれている。その点、本種は胞子も外面の毛も明らかにこれより短いので、キイチゴ属の木に発生するとされているD.bicolor var. rubiである可能性が高い。今回見つけた落ち葉はたぶんコナラだと思っているが、この森には野イチゴも多いので、もしかしたらそれらの葉や枝がまざっていたのかもしれない。

[データ]

肉眼的特徴 子実体は椀形で、径0.5mm、約0.2mmの短柄をもつ。子実層は平滑で、淡褐色。外面は白色の微毛に覆われる。

顕微鏡的特徴 子のうは上下ほぼ同寸で、45×6?m、内部にほぼ2列に8個の胞子が並ぶ。偽アミロイドで、頂部は偽アミロイド〜アミロイド。側糸は子のうより長く60×6?m、根元は細まり、先端はとがる。胞子はやや屈曲した長楕円形で、(5.8±0.6)?m×(1.4±0.2)?m。外面の微毛は50×5?m、表面は突起で密に覆われ、ときに不定形の結晶をつける。

発生地 兵庫県新宮町。コナラの落枝・落ち葉の葉脈に群生。

採集日 1998年5月17日

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