File No.009
アワタケ
Xerocomus subtomentosus
(ハラタケ目イグチ科)

この夏、イグチ類の発生は決して少なくはなかったのだが、どうしたことか、ことごとくオレンジ色の粉をふいたものばかりであった。「ヒポミケス病」にやられたのだ。「ヒポミケス病」というのは、いわばきのこの病気で、テングタケ・イグチの類がよくかかる。全体が粉をふくばかりか、正常な形に発育しなくなってしまうおそろしい病気だ。ほんの小指の先ほどのちいさなイグチまでこれに冒されているのを見るのは、とても痛々しかった。
この病気の大発生も、西はりまの山の環境の激変と無関係ではないような気がする。本来、深い森の中で、樹木の生長を助けていた菌根菌が、樹木の伐採とともに必要とされなくなったのだろう。あるいは樹木から何らかの免疫物質みたいなものをもらっていたのに、樹木のほうに余裕がなくなって、きのこが抵抗力を失ってしまったのかもしれない。とにかく何か底深い理由があって、大量のイグチが今年消えていった。
ここで取り上げたアワタケは、そんな状況の中でたぶん例外的な生き残りの一つである。

[データ]}
採集日:1998年8月23日
発生地:兵庫県新宮町

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