File No.025
シロオニタケ
Amanita virgineoides Bas
(ハラタケ目テングタケ科)

少し前のきのこファイルに、白い紙にドクツルタケを描くのはつらいというようなことを書いた。
ところがこのシロオニタケは、さらにその上をいくと言えるかもしれない。

柄のささくれに加えて、傘の表面の無数のいぼ。
きっと苦労することだろうと思いつつ、端整な容姿についつい魅入られて、手を出してしまった。
今までに描いたきのこの絵の中で、たぶんいちばん時間がかかっているはずである。
本来はさらに、ふんわりしたつばがあるはずだったが、こいつは消失しやすいらしく、絵のモデルに選んだ個体にはほとんど残っていなかった。
もし完全に近い形で残っていたら、もう1時間は余分に時間がかかっていたに違いない。

絵に描くのも一苦労だったが、さて、きのこファイルに載せるにあたっては、印刷というさらなる難問があることに今気がついた。
刷り上りの紙面で、根元の部分の土塊だけになっていなければいいのだけれど。

[データ]
採集日:1999年9月25日
発生地:兵庫県新宮町

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