File No.033
タマシロオニタケ
Amanita abrupta Peck
(ハラタケ目テングタケ科)
平日朝の出勤前、まだ夜が明けきらないうちに三濃山に登り始めた。
夜の山というのは、人間界からかなり隔たった世界である。
茂みの中には何やら動物の気配が漂う。
そこに近づいていくと、びっくりするような音を立てて、何者かが森の奥へ消えた。
シカなら珍しくないけれど、走り去る音のけたたましさからすると、
もしかしたらあれはイノシシだったかもしれない。
そんな薄暗い山の中に、白いきのこが目だっていた。
正体のよくわからない物音に少々不安を感じていたところに、なんだかほっとした気分になった。
[データ]
採集日:}2000年8月11日
発生地:兵庫県上郡町