様々な疑問に答えるページです。
ここに載ってない情報は、竜宮島回覧版に書いてある場合が多いので、そちらもチェックして下さい。
 ※竜宮島回覧版へは、トップにリンクが置いてあります。
どちらにも無い時は、情報が出ていないということなので、想像で補ってください。

■ 各パイロットのシナジェティックコードと、意識変成後の特徴は?
■ で、結局フェストゥムって何なのよ?
■ フェストゥムたんの口癖、「あなたはそこにいますか?」って何?
■ 金髪ショタが居た、アルヴィスに似た島って結局なんだったん?
■ コアって何なん?
■ じゃあ、ミールって何なん?
■ アルヴィスと新国連って、何で対立してるの?
■ 23話「劫掠〜おとり」で、ルガーランスが刺さった真矢はどうして助かったの?
■ 小説ってオススメ?
■ 2話のマークエルフの左腕、22話のマークフュンフの上半身が吹き飛んだのは何故?
■ 「スタチャマニア!?」に掲載された対談1
■ サントラ1の曲目リスト
■ サントラ2の曲目リスト
■ ニュータイプ2004年12月号の付録に掲載されたインタビュー
■ 「スタチャマニア!?」に掲載された対談2
■ RIGHT OF LEFTサントラの曲目リスト


 
・各パイロットのシナジェティックコードと、意識変成後の特徴は?
シナジェティックコードは一番上の、黄金率に近い程、優秀なパイロットという事になります。
が、黄金率に近ければ近いほどに、ファフナー搭乗時のフェストゥム化のスピードが速くなってしまう弊害がある。
千鶴の研究だけでは、フェストゥム化の促進を抑える事はできなかったが、ミョルニアの助けもあって
同化現象を解消する方法が見つかった。
 
黄金率 0.618:1:1.618 変成後の特徴
 
真壁 一騎 3.132:1:4.253 フェストゥム倒すの超気持ちイイ〜!(*´д`)ハァハァ
 
遠見 真矢 (真)   3.312:1:4.532 味方の腕をも平気で吹き飛ばす冷静沈着なスナイパー!
  ,,−―、  ターン!!
  l´从ノ~ハ)  <・・・・
  ハノパ−゚ハ ;y=‐          ●ビチャッ!
  (\/\
 
春日井 甲洋 10.244:1:11.854 理性が効かず、感情が剥き出しになる(#゚д゚)カズキー!!
 
要 咲良 10.891:1:12.030 攻撃的な性格に豹変。指示も聞けないアフォと化す(#`д´)フェストゥムメ!!
 
小楯 衛 11.202:1:12.020 ( ゚∀゚)ゴーバイーン!!は自己暗示だった。
意識変成で具体的にどうかわるのかは不明。
 
羽佐間 翔子 11.988:1:12.369 味方の指示は無視。ただただ敵を攻撃!(#`д´)カズキクンノシマカラデテケ!!
 
遠見 真矢 (偽) 12.142:1:13.584 身体的ハンデがあって乗れまへん。(;´_ゝ`)ワタシダケ、ナニモデキナイ・・・
 
近藤 剣司 12.742:1:13.566 しっかりと戦うが、ヘタレ。(つд`゚)コワイヨー!!コワイヨー!!
 
カノン メンフィス 15.157:1:15.838 不明。とくに目立った変化は無し?( ゚−゚)・・・



 
・で、結局フェストゥムって何なのよ?
宇宙から来た高次元の存在で、全体で一つの存在。
他者の存在をみとめておらず、「全てが「自分」になればいいな〜(゚∀゚)」と思ってるとか。
人間と同化しようとするのは、そのため。



 
・フェストゥムたんの口癖、「あなたはそこにいますか?」って何?
フェストゥムたんの流行語大賞、「あなたはそこにいますか?」というのは、地球の人間が
外宇宙に向けてはなった、古い無人探査船に搭載されていたプレートに書き込まれていた言葉。
探査船には地球の位置や、人間の情報などが多く積め込まれており、
偶然、宇宙を散歩してたフェストゥムたんが、それを捕獲、分析し人類の存在を知った。
それと同時に、プレートに刻まれていた「あなたはそこにいますか?」という言葉を、
人類とのコミュニケーションの道具として記憶したらしい。



 
・金髪ショタが居た、アルヴィスに似た島って結局なんだったん?
日本が独自に計画したアーカディアン・プロジェクトの情報は、大人達の完璧な情報管理によって外部に駄々漏れです。
あの「アルヴィスに似た島」は、他の国が真似をして作ったモノ。
全ての「アルヴィスに似た島」の数は不明だが、予算の都合上5つ以上は存在しないらしい。



 
・コアって何なん?
フェストゥムの最高位、ミールを封じ込めたモノ。
ノートゥングモデルは、これを搭載してるおかげでフェストゥムと互角以上に戦えるのだが、
コアの数には限りがあり、量産はできない。




 
・じゃあ、ミールって何なん?
数万年前、地球に落下してきた結晶生命体のこと。
その正体は高次元にまとまったフェストゥム。
日本は瀬戸内海でコレを発掘してしまったために、大量のフェストゥムに襲われ、壊滅してしまった。
その後、コアは長年の研究を経て、いくつかのパーツに分解され、現在は竜宮島のファフナーに搭載されている。



 
・アルヴィスと新国連って、何で対立してるの?
日本が発掘したミールが暴走したのと、大量のフェストゥムが日本に集まったのをいい事に
新国連が大規模な核攻撃を決行。結果、日本は壊滅してしまった。
 アルヴィス・・・新国連なんか信用できねぇよ!ヽ(`д´)ノ ウワアァァン!!
 新国連・・・いいからそっちの技術と情報よこせよ!( ゚д゚)フェストゥムヲ、ホロボスタメダ!!
と、言うわけ。
大半が日本人でもあるアルヴィスは、どんな理由にせよ、自分の国を滅ぼした新国連に対して良い感情は持ってないのです。



 
・23話「劫掠〜おとり」で、ルガーランスが刺さった真矢はどうして助かったの?
ファフナーのコクピットは人間で言うと、女性の子宮の位置に存在します。
つまり、真矢はギリギリの所でワームスフィアーに巻き込まれずにすんだ訳です。
ちなみに、しっかりとED直前でマークジーベンのコクピットから、
真矢が救出されている映像があります。
↓このシーン。超ギリギリだった。



 
・小説ってオススメ?
素直に面白いので、オススメです。
蔵前や翔子が、どういう人間だったのかが詳しく書かれてあるので、アニメを見たなら是非とも読むべきかと。
アニメと完全に同じストーリーではなく、パラレルワールドという感じなので、新しい気持ちで読む事ができます。
が、アニメで言うと9話(甲洋が同化される回)辺りで終わったような、
尻切れトンボであることや(※続刊するのか、よくわからない)かなりドロドロした内容だったりするので、
そこが受け入れられない人もいるようです。
どちらにせよ、一度は読んでおくと本編が更に面白く感じられると思います。



 
・2話のマークエルフの左腕、22話のマークフュンフの上半身が吹き飛んだのは何故?
フェストゥムは常に強力なシールドが展開しており、遠距離よりも近距離での戦闘の方が
(同化される危険はあるが)確実にダメージを与え、撃破できる可能性が高くなります。
が、ファフナーと一体化し、機体を被同化状態にしないと、そのシールドを中和できず、攻撃が弾かれてしまいます。
マークエルフの左腕や、マークフュンフの上半身が吹き飛んだのは、
機体が被同化状態ではなくなってしまった時に、敵のシールドに触れてしまったため、
それに弾かれて吹き飛んでしまった。という訳です。



 
・「スタチャマニア!?」に掲載された対談1
蒼穹のファフナー プロデューサー対談
千野孝敏(XEBEC)×能戸隆(XEBEC)×中西豪(スターチャイルドレコード)

フェストゥムとの共存という、人類の新たな可能性を指し示しつつ、
壮大なドラマに幕を閉じた「蒼穹のファフナー」。
一騎、総士ら竜宮島の少年少女たちの壮絶な戦いざまと、哲学的とも言えるテーマ性は、
2004年のTVアニメの中で異彩を放っていた。
そんな『ファフナー』はいかにして作られたのか?
中西豪氏(スターチャイルドレコード)、千野孝敏氏、能戸隆氏(ともにXEBEC)の3人のプロデューサーが、
今だから話せる舞台裏を大公開!

〜死ぬ予定だった人が、かなり生き残りました

――そもそも『ファフナー』の企画はどうやって立ち上がったんですか?
能戸… 2003年の8月です。ステルヴィアをやりながら、一人ぼっちでやっていたのを鮮明に覚えてます。
最初、「ロボットで、オリジナルやってよ」という声が、スタチャさんからかかってきたのが発端です!
中西… その後、冲方さん(※1)が上げてくれたプロットのタイトルが『アーカディアン戦記』だったんですよね。
※1 シリーズ構成・冲方丁氏。企画初期から参加し、16話以降の全てのシナリオを担当
――冲方さんが『ファフナー』に加わったきっかけは?
中西… もともと、僕が全然違う場所で冲方さんと知り合ったんです。
それで、何か作品をやりましょうという話をして、企画を練ったんですけど、
それはちょっと保留ということになったんです。
能戸… で、能戸企画にいた平井さん(※2)と冲方さんが合体しました(笑)
※2 キャラクターデザイン・平井久司氏
――平井さんは、もともと能戸さんと一緒にやっていた?
能戸… そうですね。平井さんとは20年ぐらいのお付き合いでして、
いつか平井さんとTVアニメで仕事してやろうというのはありました。
ゲームとかでは、何度かメカやキャラクターデザインをしてもらってました。
 
――企画の段階では、もっと人が死ぬ展開になってましたね。たとえば真矢とか。
中西… そうですね。真矢は最初のプロットでは、死んでました。
能戸… コクピットが開くと死んでいて、弓子が「おかえり」って言ってました。
一騎以外は全員死亡。もちろん、芹や里奈、広登も死んでました。
本編では、甲洋は復活するし、咲良も死んではいない。
当初の予定からすると、大分生き残りましたね。
――放映初期の頃は、オープニングの最初のカットで、手前に来るキャラはやがて死んで、
  奥に行くキャラは生き残ると言われていましたよね。
中西… それに最初気がついた人はすごいと思ってましたよ。
能戸… いや、見ていたら分かるんじゃないですか。
――結局、生き残りが増えていったのは、どうしてですか?
中西… 人を殺すアニメじゃなくて、人がいかに生きてきたか、
その過程を描くアニメにしようという話に、だんだんなっていったんですよね。
もちろん、どんなピンチにもヒーローが助けに来てくれて、
誰も死なないようなアニメじゃ緊張感がないですから、人の死を描くことをタブーにはしない。
でも、皆殺しまで行かなくてもいいんじゃないかということで。
で、それなら誰を殺しますか、という話を千野さんが……(笑)。
能戸… 咲良が戦っていない時に倒れるというのも、千野さんですよね。
最初はシャワーを浴びている時に倒れさせようと言ってた。
千野    パイロットとしての寿命が訪れるということだから、戦闘とは別のところで倒れてほしかったんです。
リングを通していない時でも、フェストゥムの侵食はあるんだよということを見せたくて。
中西… 残念ながら、シャワー中というのは使われませんでしたけど。
――大人キャラで、最初は死ぬはずだったのに生き残ったのは?
中西… 溝口ですね。最初は、15話か16話で死ぬはずでした。
千野    でも、テレビ東京の東プロデューサーなんかは溝口を殺す派だったんですが、
僕は殺さないのをけっこう主張しました。
中西… おかげで溝口は人気キャラに育ちました。よかったですね、殺さなくて(笑)。
能戸… 溝口は自分が作ったんですよ。
史彦って、司令官のくせにしゃべらないので、奴の心中を察して、
代弁するキャラがいないと何考えているかわからないオッサンになってしまうので、
急遽登場させました。
――溝口は史彦との絡みも、真矢との絡みも、いい味を出していましたね。
  それから、今回は島の日常生活が大事に描かれているなというのが印象的で、
  特に後半に、日常シーンの多さが目立ったんですけど、
  それについては、何か話し合われたんですか?
中西… 16話以降、冲方さんにシナリオを全部書いてもらうことになって、
それまで状況説明に追われていて描ききれてなかった
一騎たちの日常や、島の暮らしをちゃんと入れていきましょうという話をしました。
――名前についてもよく考えてあるなぁと思うのですが、どなたが命名されているのですか?
中西… メインどころは冲方さんですね。各自に意味があって、説明された時はこれだって思いました。
千野    そうそう。説明された時は、文句のつけようがなくて。でも、いくつかは変更してますよね。
能戸… そうですね。設定も担当してるので、自分のほうでいくつか調整はしました。
咲良、彩乃、鞘、紅音、果林、甲洋などは名は自分がつけました。
衛の姓は最初小館だったんですが、小楯にしたのは千野さんです。
最初のショコラの名前は田楽でしたし(笑)。
――では最後に、最終回についてのお話を。
  ラスト数話の落としどころというのは、どうやって決まっていったんですか?
中西… 22話以降はまとめて考えたいと冲方さんが言って、僕らに選択を求めてきたんです。
一騎と総士でいくのか、竜宮島のドラマを取るのか、と。
――それで選ばれたのが、一騎と総士のほう?
中西… そうですね。登場人物が多いから、どこに主眼を置いて描くのかによって、
切り口が無数に存在しているんですよ。
それで、最終決戦地と今いる場所を分けて、その間を動くことで、
ドラマを展開させていくことになりました。
能戸… 最初の頃は、総士もファフナーに乗るという案もあったよね。
中西… ありましたね、でも結局、捕らわれて島から連れ出されてしまった総士を、
一騎が仲間たちと助けに行くということになりました。
フェストゥムとの決着も考えたところで、敵の大ボスがいて、
それを倒したら終わりという展開ではダメなんじゃないかという話を3人でしましたよね。
能戸… 初夏の暑い日でしたかね。
 「冲方さんが急に能戸さんに話したいと言ってきまして、
  これからジーベックさんに行くそうなので時間作ってください」
と中西さんから電話がきて、予定を全てキャンセルしたりして。
あの頃は何度か当日急にという展開が多かったですよね。
千野    22話以降って、何にも知らなくて、これで行きますよと言われて、「えっ」って思ったし!
中西… あれはあれで大変だったんですよ。本当にねぇ。
能戸… 20話の脚本って6月には上がってたしね(話をそらす)。
中西… そうでしたよね。いやー、20話良かったですよ。
あんな展開になるとは、不意をつかれたというか、ツボをつかれたというか。
いやー、本当に良かったですよ!




 
・サントラ1の曲目リスト
 Disk1
  1.序章 -はじまり-
  2.偽りの楽園
  3.蒼穹
  4.少女の想い
  5.仲間
  6.触れ合い
  7.真実
  8.焦り
  9.迷い
  10.苦悩
  11.すれ違う友
  12.流す涙
  13.ワルキューレ
  14.ファフナー -誓い-
  15.予兆
  16.出現
  17.フェストゥム -侵蝕-
  18.あなたはそこにいますか -戦い-
  19.同化危機
  20.決意 -旅立ち-
  21.ナイトヘーレ開門
  22.哀しみの蒼穹
  23.翔子 -SHOKO-
  24.TSUBAKI -子守唄-
  25.命
  26.希望
  27.いのり
  28.そら
  29.FAFNER in the azure


 Disk2
  1.NO WHERE (脚本:冲方丁/音楽:斉藤恒芳)
   本編の9話以降、11話以内のストーリー。
   翔子の墓に関する、意外な事実が発覚したりと
   一度聞いておけば、本編が更に楽しめる内容になってます。




 
・サントラ2の曲目リスト
 Disk1
  1.蒼穹のファフナー
  2.賛歌
  3.孤独
  4.痛み
  5.想い出
  6.生存という選択
  7.幸福な刻
  8.人類軍
  9.侵略
  10.ソロモン
  11.無への道
  12.襲来
  13.同化
  14.戦闘
  15.TSUBAKI-レクイエム-
  16.拮抗
  17.導き
  18.祝福-フェストゥム-
  19.戦う理由
  20.ウルドの泉
  21.対話
  22.選択
  23.存在の苦痛
  24.存在と無
  25.分岐
  26.マークザイン
  27.いのり-ORCHESTRA VER-
  28.TUBAKI-理解-
  29.未来-過去
  30.蒼穹作戦
  31.蒼穹のファフナー-フィナーレ-
  32.Mystic Girl

 Disk2
  1.NOW HERE
  2.BGM



 
・ニュータイプ2004年12月号の付録に掲載されたインタビュー
世界をつくる者たち
―羽原信義(監督) 能戸隆(プロデューサー) 冲方丁(文芸)―

監督、プロデューサー、文芸。
「蒼穹のファフナー」という作品を、それぞれの立場から支える3人の男たち。
彼らはどのように絡み合い、またどのようにせめぎ合って物語を形づくっているのか。
その世界観を、それぞれのことばで語る。
※1…記事が掲載された時点で、真矢はファフナーに乗っていません。
※2…元にあった、あまり必要の無い注釈は削除してあります。

ぶつかり合うことで生まれる妥協なき物語

――まず最初に、文芸統括という役職についてお聞きしたいのですが。
冲方… 私はもともと基本のアイデアを提供する……くらいの立場だったんです。
で、「原作」というのもちょっと違うかなということで、この肩書きをいただきました。
能戸… 最初はそうでしたね。
でも、結局いろいろとやってもらって(笑)。
冲方… いろいろやらせてもらえて楽しかったですよ。
フェストゥムのデザイン案とかも描かせてもらったり。
こんなに自由にさせてもらってよかったのかなあ(笑)。
羽原… 脚本もお願いしましたね。
――どの脚本から担当を?
冲方… 第16話「朋友〜おかえり〜」からです。
羽原… 冲方さんにはシナリオでも参加してもらって、試しに言ってみるもんだなぁと。
冲方… 大勢の人の手でつくられる「アニメーション」という作業そのものに馴れるまでが大変でした。
シナリオから絵コンテになる段階で、当然ですけど自分のイメージとは異なる部分が
でてくるじゃないですか。これは絵コンテを切る方がほかにいらっしゃる以上、当たり前のこと。
でも、今回はあえて自分のイメージを優先させていただきました。
これについては能戸さんにいろいろとお願いしてしまいました。
能戸… 向いてる方向の違いとかですね(笑)。
心情芝居が多い作品なんで、泣きなのか怒りなのか、悲しみなのか驚きなのかの
取りかたの違いで別の物語になりますからね。
羽原… しんどいこともありましたが、緊張感がメリハリのきいた作品を生むんじゃないでしょうか。
プロデューサーの千野考敏も中西豪も参加。白熱する会話

――物語はいよいよ佳境にさしかかったわけですが、
  解かれていない謎がいっぱいありますよね。
羽原… 特殊な用語も何の説明もなくバンバン使ってますから大変です。
能戸… 26本っていう限られた時間の中で、いかにうまく着陸するか、落としどころが難しいですね。
ここは監督の手腕が問われます! 羽原さん!!(笑)。
羽原… 俺かよ?
千野… 監督次第って事ですな〜。
この作品では全てを逐一解説するのは止めようと最初から考えていました。
――それはなぜですか?
羽原… 演出する上でもかっこわるいじゃないですか。例えば総士に設定を解説させる。
それって、本来視聴者のことをしらないはずの総士に無理な演技をさせることになるわけですから。
――では、謎は謎のままに?
中西… いえいえ、謎はなるべく解いた形で着陸させます。
が、営業的で申し訳ないのですが、発売中のサントラアルバムに付いている
ドラマCDを聞くとよりわかる事実があったりしますよね。
――意外な事実とは、どんなものなのでしょう。
能戸… あ〜、それは翔子のお墓のことですね。
推理小説のようなつくりになってしまって申し訳ないのですが、
2話で一騎もファフナーを大破させてるけど、真壁家には
何の嫌がらせが無いのはなぜだという答えのアレ。
千野… あ、これ以上は秘密ということで(笑)。
あふれるアイデアは26話に収まらない物語は続編へ!?

千野… この仕事をしているとよく思うことですが、限られた話数内で全てを描くのは難しい。
無理にやろうとすればエピソードの羅列になって物語が薄まってしまう。
表現したいテーマと語りたいエピソードのバランスをうまくとることが大事。
――ということは、使われなかったアイデアやエピソードがいっぱい?
冲方… いろいろな理由で削ったアイデアとかエピソードはけっこうありますよ。【注1】
【注1】冲方丁が正式にシナリオ執筆を担当した第16話では、通常の倍近い量の
    シナリオを書きあげたとのこと。スタッフ一同その内容の濃さには感動すら
    覚えたそうだが、30分という放送時間では、どうしてもすべてを詰め込むこ
    とは無理だったとか。
能戸… 打ち合わせしてるといろいろと出てきますよね。
蔵前、狩谷、溝口は最初いなかったキャラですし、企画時からいたけど
1話で消えたキャラとかいますしね。スレイブ型が立上家で居候するとかもね。
芹のクワガタネタは、冲方さんにオオクワガタをあげたら、あんな設定のシナリオが
上がってきたのでビックリしました(笑)。
4クールあれば、いろいろ出来たけど、体力持ちそうもないので。
千野… 情報量が多いので、そのまま絵コンテを切ってみたらかなりオーバーして、
断腸の思いで削った話数もあったり、テレビコードの関係で削ったシーンも。
シナリオから受ける印象だと、もっと徹底的にやらなきゃダメなんだろうなって
思うこともあるんですけど。それをやっちゃうと放送できなくなるので(笑)。
能戸… そういえば、マークザインの装甲にパイロットが取り込まれるという
アイデアもありましたね。要咲良とか。【注2】
【注2】ファフナーというよりフェストゥムに近い存在という裏設定のあるマークザイン。
    それを示すアイデアとしてこの案が出た。
    だが、話数の関係と、やはりあまりにも陰惨という理由でボツに。
    もし実現していたら咲良の運命も大きく変わっていたかも。
羽原… え、そうなの!? そんなのもあったんだ(笑)。
能戸… 無理にアイデアを詰め込むよりも、何を見せたいのかの判断で
採用不採用を決めてます。もちろん、監督の知らないファフナーもあるんですよ(ふふふふ)。
冲方… 真矢のエピソードで実現したいものもあったんですが、あきらめました。
それやるとあと10話くらい必要になりそうで(笑)。【注3】
【注3】ふだんは明るくて、仲間を大切にする真矢。そんな真矢のいつも
    とは違う一面を描いてみたかったという冲方丁。何やらそれには
    ”意識編成”が関わってくるという。
    ということは彼女はファフナーにのるはずだった?
    いや、乗るのだろうか? 謎!
能戸… 続編をつくるチャンスがあったら、ぜひ描いてみたいです(笑)。
――ということは続編の予定が!?
能戸… チャンスがあればやりたいなあとは思ってますが、今はまだ予定はないです。
個人的には「最終話の直後1ヶ月間の物語」なんてのもあったりします。
勝手に「幻の27話」なんて言ってますが(笑)。
中西… いやいや、幻なんかにしませんよ(笑)。【注4】
【注4】最終話の後に起こるであろう物語をスタッフ内で話し合ったときに
    出てきたアイデアらしい。
    今後、OVAやイベント上映の形で実現する可能性もゼロではない
    というが……。はたしてどうなるか、ファンなら応援しつつ注目していこう!
能戸… えー、でもあれはたぶん(絶対)放送できない内容なので……。
見直すたびに謎が解け、そしてまた別の謎が生まれる

能戸… 26話全部見た後にあらためて1話からみてもらえると、わかる部分もあるんです。
1話で蔵前がメガネを外すと瞳が赤いんです。メガネをかけていると赤くない。
ファフナーに乗ってニーベルング・システムを起動させると瞳が赤くなるんですが、
長時間乗ってるパイロットは、同化現象が進んでその瞳の色が戻らなくなります。
蔵前は光彩偏グラス(?)で周囲に気づかせないようにしてました。公蔵の指示でね。
身体も辛い状態なのに健気な子ですよ。
また総士は左の特定の角度が見えないので、左から進入してきた蔵前とぶつかって、
本を落とします。これは視認領域が狭い事で起きています。
なので、なるべく人は左よりも右に立たせる傾向が多いハズです。
真矢が総士の前でなるべく話しをするのはその為です。
――えー、そうだったんですか!
一同… あはははははは。
――読者には果林はけっこう人気があるんですよ。
能戸… 平井さんにデザインイメージを伝えたら、本当にこれでいいのか念を押されました。
1話ですぐに亡くなるんで、かわいいキャラでいいのか、メガネかけてていいのかとね。
いいんです!と言っちゃった。
――なんであのタイミングで竜宮島に敵が襲来したのか気になります。
  第1話で皆城公蔵が「きょうの夕日は特別な夕日になりそうだ」と言った日に、
  フェストゥムが襲撃してきた。出来すぎですよね。【注5】
【注5】公蔵が竜宮島にフェストゥムを呼び込んだのは、島のファフナーと
    パイロットである子供たちを覚醒させるため。だが、彼が何の目的
    で、そんなことをしたのか、また「覚醒させる」とは具体的にどういう
    ことを指しているのか、現時点では不明。
――なぜなんですか!?
能戸… あれは公蔵が仕組んだんで。
羽原… ああ、言っちゃった(笑)。
――どういうことなんでしょう。
能戸… ミョルニアが一騎と真矢の存在を感知していたように、擬装鏡面から出た天敵となる
ミールの子の1人「総士」をフェストゥムをが感知しないわけないじゃないですか。
そうしなければならない理由があったんです。
それを総士も知っていて、だからこそ彼の視点はほかの登場人物とは違っている。
まあ、おかげで一騎も翔子も甲洋も大変な目にあっちゃうわけなんですが。
ラストへ向けてドラマは2人の少年へ

能戸… 最終話までのシナリオはもういただいています。あとは羽原監督の絵コンテさえあがれば。
羽原… もうしわけない(笑)。
――今までの流れを見ていると、一騎の運命がかなり心配なんですが。
羽原… クリスタルが生えたり、マークザインなんてバケモノに乗っちゃったりしてますからね(笑)。
冲方… シナリオを書いた身ではありますが、実際に映像でどう描かれるのか楽しみです。
自分の書いたシナリオでも、他のかたの手が加わることで「アニメーション」になって
いくわけですから。私も見ている人たちといっしょになって、一騎の運命とかを心配してます(笑)。
能戸… 最終的には物語は一騎と総士に焦点があてられていくことになります。
わだかまりを乗り越えて互いに相手を理解し、受け入れることができるのか。
それをどうドラマに仕上げるか。一騎も総士も、かなーり身体に負担がかかってます。
クライマックスに向けて、戦闘数も半端じゃない状況に置かれていきます。まずい状態ですね。
――以前に、この作品のテーマは「相互理解」だとお聞きしましたが、それは現在も?
羽原… そうですね。しかし、この作品で描きたい「相互理解」とは人間同士、
味方同士にとどまるものではありません。
人間がフェストゥムを理解していく、そしてその逆も描きたいんです。
――それは一騎の役目となるのでしょうか。フェストゥムを理解するなんて、かなり難しいと思うのですが。
羽原… その役目の掛け橋となる存在が健在しているので、大丈夫でしょう。
彼と物語の今後を見ていただきたいです。
――監督の意味深なお言葉は一体?何が起きるんでしょうか。
羽原… 人間同士であれ人間とフェストゥムであれ、「他者」は本来異質なものです。
そうである以上、悲しいことではありますが、完全に相手を理解するのは無理でしょう。
でも、だからこそ相手を理解しようと努力することに意味があるのではないでしょうか。
真壁一騎は、それができる主人公だと思います。
ラストは見ている人も、つくっている私たちも気持ちよく終われるものにしたいと思ってます。
能戸… 気持ちよく終われるように早くコンテ上げてください!
千野、中西… わははははは(大笑)。



 
・スタチャマニア!?」に掲載された対談2
どこよりも早い!PD3氏ぶっちゃけ座談会
(千野 孝敏、能戸 隆、中西 豪)

蔵前果林の生きた姿を見たいというのが、発端でした

能戸… そもそも中西さんが収録時に「作りたいんだよ、作りたいんだよ」って
念仏のように言っていて。
中西… 違う違う(笑)。最初に言い出したのは僕じゃなくて、
テレビ東京の東プロデューサーです。
千野… 表向きはそうなってるんですけど、26話のアフレコの日でしたよね。
終わって、キャストとスタッフで食事しましょうか、となったときに、
ベロンベロンに酔った中西さんが「やりましょうよ!」って(笑)。
かなり酔ってましたよね。
中西… そんなことないですよ。もう一回、ちゃんと説明させてください(笑)。
26話のアフレコが終わって打ち上げをしていた時に、
能戸さんが東さんと二人でテーブルの端のほうで話をしていて。
能戸… 東さんが僕を逃がさないようにして、2時間、蔵前果林について熱い話をして。
千野… 俺の蔵前はこうなんだ、と(笑)。
――蔵前の活躍する姿が見たくて、そのための続編だった?
中西… 東さんの中ではそうだったみたいです(笑)。
本当に好きだったんでしょうね、蔵前が。
それで場所を移して二次会になった時、ここの3人と東さんで、
さらに話し合って。で、「やろう」と決まりました。
――飲みの場で製作が決定して、じゃあ、次の段階は?
能戸… 冲方さんと平井さんを説得する。
千野… 冲方さんは、打ち上げで話したことを知らないから。
能戸… 中西さんが冲方さんに、僕が平井さんに企画をはなすことになって。
――冲方さんの反応はどうだったんですか?
中西… よく覚えてないんですが、「え、マジですか?」という
反応だったような気がします。
それで「どんな話にしましょうか?」と言われたんで、
「蔵前果林でお願いします」と。「ああ!」と妙な納得のされ方をして(笑)。
――それで、冲方さんがストーリー作りに着手した、と。
中西… その前にひと工程あって、能戸さんがプロットを作ってくれたんですよ。
能戸… 今回の作品を作るにあたって、やりたいことをつらつらと。
――蔵前を出すということは、1話以前の話であることが前提ですね。
能戸… そこは最初の打ち上げの時に決まってましたね。
中西… 能登さんのプロットは詳しかったですよ。
本編で消化しきれなかったことや、説明不足だったことが補足されていて。
能戸… 本編から遡って、第1話以前の人間関係や
メカの開発状況を整理する必要があったので。
中西… それを冲方さんにわたして、どんな話にするのかのラインを話あって。
そこから先が大変でした。
――蔵前の話をというところから、新たな主人公を二人出す
  ということに変わったわけでですよね。
能戸… これも東さんからのアイディアです。
1学年上が本編に出てこなかったので、上の世代を見せましょう、と。
中西… 上の世代がどうなっていたのか、
というのは本編を描く前に設定があったんですけど、
それは視聴者には説明してなかったので、それを見せましょうと。
――僚と裕未を作ったのは?
能戸… それは冲方さんです。
中西… 最初は苗字が逆だったんです。生駒僚と将陵裕未で。
――平井さんのキャラ表では、裕未は大人っぽい印象ですね。
能戸… 裕未は家族構成上、自分のことをしっかりできる女の子
という感じを出して欲しいと頼みました。
――逆に、僚は線の細い感じで。
能戸… そこも設定に関わってくるんです。
――人物描写に関して、本編では見えなかった人間関係が
  さらに分かるというポイントはありますか?
能戸… いろいろあります。たとえば、皆城公蔵がいかに総士に甘いか、とか(笑)。
――そうなんですか(笑)
能戸… 総士も公蔵も嘘を言いながら、お互いの本音を分かり合って行動していく
という部分があるんですよ。その親子関係が面白いと思います。
あと、1話以前の蔵前が何を知っていて、
どう考えていたかというのは、もちろん描写されます。
中西… そこは結構切ないですね。蔵前ってこんな女の子だって知ることができて、
そんな彼女が1話ですぐ消滅してしまうのが分かってるわけですから。
能戸… もともと最初はいなかったキャラなんですよ、蔵前は。
千野… 1話で出すことにして、小説版でさらに描かれて。
こういう子なんだと、僕らも分かって。
――総士は、シナジェティックスーツを着るということでしたが?
中西… 能戸さんが、ファフナーの登場訓練は描いておきたいと。
千野… 総士がファフナーに乗る決意を見せましょう、と。
中西… そうですね。
それをやっておかないと本編の総士がイヤなヤツで終わっちゃうので。
1話か2話で、総士が一騎に「僕が乗れれば」って言ってたじゃないですか。
「でも、この傷があるから」って。
その理由を見せておきたいな、と。
能戸… 何で乗れないのかと理由を描いておけば。
総士の思いも補完できるっていうのは、千野さんと最初から言っていて。
――物語のヒントとなるのは、「そのとき、あなたがいてくれたから・・・」
  というキャッチコピーだと思いますが、
  これはどのようにして作られたんですか?
能戸… 中西さんからこれで行きたいんですってメールが来たんです。
中西… 違います違います(笑)。
今回も「あなたは、そこにいますか」みたいなコピーが欲しいねって、
冲方さんと話をした時に、冲方さんがちょっと考えて
「あなたがいてくれたから」と最初に言ったんですよ。
で、「あ、それいただきます」と。
それで「あなたは、そこにいますか」という問いかけに対して
応えているというふうに捉えた時、「そのとき」という言葉を入れましょう、
と能戸さんが言ったのを僕がメモって、みなさんにメールを回したんです。
――本編のコピーとうまく応答し合うようになってると。
  僚たちの世代と一騎たちの世代を繋いでいる言葉なのかな
  とも思ったんですが。
能戸… それ、いただきで(笑)。
中西… 次に誰かに聞かれた時は、そう答えましょう(笑)。
――『RIGHT OF LEFT』というタイトルに関しては?
中西… これも冲方さんです。
能戸… 最初からありましたね。このタイトルは。
中西… RIGHTには権利、LEFTには去るという意味も含まれていて。
能戸… それに総士は一騎の左とか、そういう一巻けのイメージは本編からあって
「誰かの隣」という意味も、かなり大きいですね。
――深いタイトルなんですね。いろいろと想像が膨らんできます。
中西… 完成をお楽しみに。
 
・RIGHT OF LEFTサントラの曲目リスト
 他のサントラと違って、ドラマCDは着いていません。
 ディスク1枚のみです。
  1.プロローグ
  2.竜宮島
  3.L計画
  4.海
  5.父の死
  6.メモリージング
  7.決意
  8.ファフナー搭乗訓練
  9.L計画始動
  10.恐怖
  11.心の距離
  12.祐未の気持ち
  13.僚の優しさ
  14.敵襲来
  15.犠牲
  16.脱出
  17.いるはずのない敵
  18.戦いの果てに
  19.マリンスノー
  20.僕たちの決意