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第一話
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これが僕たちの旅の始まりだった。
もしも僕たちが生き残れるなら、今日までの笑顔を忘れないでいよう。
またいつか、この島が楽園にもどる、その日まで。
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第二話
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人は全てを知ったとき、世界の果てを知る。力の限界を知る。
夢など、いつか覚めてしまうことを知る。
しかし僕たちは、そんな事など乗り越えられると思っていた。この時までは。
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第三話
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いつからだろう、人が空の飛び方を忘れてしまったのは。
いや、忘れたのではなく、怖くなったんだ。この惑星(ほし)の空は、人のものではなくなったから。
その空に、僕たちは翼をひろげた・・・。
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第四話
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旧い船を、今動かせるのは、新しい船乗りではない。
しかし、新しい航路を見つけるのは、いつも無垢な船乗りだった。
でも、無垢な僕たちが見つけたのは、空から落ちてきた、苦難への道のりだった。
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第五話
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約束を守る者も、約束を破る者も、未来永劫この鎖から逃れることはできない。
しかし、約束は一人だけのものじゃない。このとき、解っていたんだ、彼女だけは・・・。
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第六話
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見上げてごらん。あの日、晴れた日に雨が降ったね。
でも、雨に濡れる僕たちに、彼女はそっと、笑顔の傘を差し出してくれたよ。
空よ、泣かないで、と・・・。
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第七話
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そのとき、僕たちにあったのは、戦いで生き残った喜びなどではなかった。
誰か一人を犠牲にしたという現実。
それを受け止めるだけで、皆精一杯だった。
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第八話
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ただ乗り越えたかった。かつてできなかった事を、やろうとしていた。
そうすれば償えるのだと、自分に言い聞かせながら、
僕らは、さらに深い闇へと沈んでいった・・・。
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第九話
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失ってはならないものがあった。
それを守るためなら、目の前にある小さなものなど、幾らでも捨てられた。
そのせいで、結局は全てを失うことになると分からず、
小さな自分を、守り続けていた。
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第十話
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お互いがいない場所で、どうすれば分かりあえるのか、答えを探していた。
理解できないことを、言い訳にはしたくなかった。
そして僕らはまたひとつ、何かを失った・・・。
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第十一話
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何度も感情を共有した。痛みや傷でさえ、ひとつの絆だった。
それなのに、自分を知って欲しいあまり、相手がそこにいることを忘れてしまっていた。
どうすれば取り戻せるのか、まるで分からなかった。
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゜・*:.。. .。.:*・゜十二話〜二十五話、ポエム無し゜・*:.。. .。.:*・゜
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最終話
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今ならわかる・・・たとえ苦しみに満ちた生でも、僕は存在を選ぶだろう。
もう一度お前と出逢うために・・・。
お前が信じてくれる限り、いつか必ず帰る。
お前が居る場所に・・・。
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