磁気ディスクは次のように動作する。
・まずアームを動かし、磁気ヘッドの位置を決める=位置決め時間(平均シーク時間)
・次に磁気ディスクを該当するデータのところまで回転させる=回転待ち時間
・最後に磁気ディスク上のデータを他の装置へ転送する=データ転送時間
図に表すと次のような関係になる。
│←───────── アクセス時間 ──────────→│
┝━━━━━━━━━┯━━━━━━━━━┯━━━━━━━━━┥
│←位置決め時間─→│←回転待ち時間─→│ │
│ │←データ転送時間→│
│←──────待ち時間───────→│ │
↑ ↑ ↑
┌─┴──────┐ ┌───┴──┐ ┌────┴─┐
│制御装置が読み │ │読み書きの動│ │読み書きの動│
│書きの指令を出す│ │作が開始する│ │作が終了する│
└────────┘ └──────┘ └──────┘
平均アクセス時間
=平均位置決め時間(平均シーク時間)+平均回転待ち時間+データ転送時間
平均回転待ち時間は、1回転する時間の半分になる。
磁気ディスクでは, 同一シリンダ上のトラックはアクセスアームを動かさずにデー夕の
読み書きができる。
例)
回転速度が 5,000 回転/分、平均シーク時間が 20 ミリ秒の磁気ディスクがある。
この磁気ディスクの1トラック当たりの記憶容量は、15,000 バイトである。
このとき、1ブロックが 4,000 バイトのデータを、1ブロック転送するために
必要な平均アクセス時間は何ミリ秒か。
解説)
・平均位置決め時間(平均シーク時間)
問題文より20ミリ秒
・平均回転待ち時間
1回転にかかる時間を求める。
回転速度が5,000 回転/分から
60,000 ミリ秒 ÷ 5,000 = 12 ミリ秒
この半分が平均回転待ち時間であるから、平均回転待ち時間は 6 ミリ秒。
・データ転送速度
実際に磁気ディスクがデータの読み書きを行っている時間のこと。
「トラック当たりの記録容量 15,000 バイト」とは、1回転すると
15,000 バイトのデータの読み取りができるということ。
15,000 バイトのうちの 4000 バイトを読み込むので、
それにかかる時間は
(1回転にかかる時間)×(15,000 バイトのうちの 4000 バイト)
= 回転時間 × ( 4000 ÷ 15,000 )
= 12 ミリ秒 × 4000 ÷ 15,000
= 3.2 ミリ秒
最後に、これらを全部足す。
平均アクセス時間 = 平均位置決め時間 + 平均回転待ち時間 + データ転送時間
= 20 ミリ秒 + 6 ミリ秒 + 3.2 ミリ秒
= 29.2 ミリ秒