《信頼性》
Create:2002/02/11
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   システムの予防保守は、故障間隔を長くするために実施する。
   次の二つの用語を混同せずに区別して覚えておく。
   略称名でなく本来の意味で覚えるほうが間違えにくい。

【MTBF (Mean Time Between Failures):平均故障間隔】
   システムが故障してから、次に故障するまでの時間の平均。
   ようするに、システムが正常に連続動作をしている平均時間のこと。
   数字が大きくなれば、それだけ信頼性は高くなる。

   MTBF=稼動時間の合計÷故障回数

【MTTR (Mean Time To Repair):平均修復時間】
   システムが故障した場合に、修複にかかる時間の平均。

   MTTR=修理時間の合計÷故障回数


   次に覚える用語として、稼働率があり、次の式で表される。

【稼働率】
    稼働率=MTBF/(MTBF+MTTR)
   この式が覚えにくければ、次のように覚えておくとよい。
    稼働率=(稼働している時間)/(全体の時間)

   システムを直列で接続したときと並列で接続したときの稼働率の計算について。

   直列で接続
    この構成では、サブシステム1とサブシステム2の両方が稼動しているときのみシステム全体が
    稼動していることになる。
    よってどちらか一方でも故障するとシステム全体が稼動しなくなる。
    この構成での稼働率はは次の式で表せる。
         サブシステム1の稼働率 × サブシステム2の稼働率
         ┌───────┐   ┌───────┐
         │サブシステム1│   │サブシステム2│
     ○───┤       ├───┤       ├───○
         │ 稼働率0.9│   │ 稼働率0.8│
         └───────┘   └───────┘
    上図のシステム全体の稼働率は
        0.9×0.8=0.72 となる

   並列で接続
    この構成では、サブシステム1とサブシステム2のどちらか一方でも稼動していれば、
    システム全体が稼動していることになる。
    よって、サブシステム1とサブシステム2の両方が故障した場合にシステム全体が稼動
    しなくなる。
    この構成での稼働率はは次の式で表せる。
        1−(1−サブシステム1の稼働率)(1−サブシステム2の稼働率)
           ┌───────┐
           │サブシステム1│
        ┌──┤       ├──┐
        │  │ 稼働率0.9│  │
        |  └───────┘  │
     ○──┤             ├──○
        │  ┌───────┐  │
        │  │サブシステム2│  │
        └──┤       ├──┘
           │ 稼働率0.8│
           └───────┘
     上図のシステム全体の稼働率は
        1−(1−0.9)×(1−0.8)
       =1−0.1×0.2
       =1−0.02
       =0.98  となる


   例)
    図で示されるシステム構成全体の稼働率はいくつか。
    それぞれの稼働率はAとCは 0.9、BとDは 0.8 とする。
        ┌───┐    ┌───┐
       ┌┤ A ├┐  ┌┤ B ├┐
       │└───┘│  │└───┘│
      ─┤     ├──┤     ├─
       │┌───┐│  │┌───┐│
       └┤ C ├┘  └┤ D ├┘
        └───┘    └───┘

   解説)
    この構成は、下図のような並列部分が2つ直列につながっていると考えることができる。
        ┌───┐
       ┌┤   ├┐
       │└───┘│
      ─┤     ├─
       │┌───┐│
       └┤   ├┘
        └───┘

     よって、

       ┌───┐    ┌───┐
      ┌┤ A ├┐  ┌┤ B ├┐
      │└───┘│  │└───┘│
     ─┤     ├──┤     ├─
      │┌───┐│  │┌───┐│
      └┤ C ├┘  └┤ D ├┘
       └───┘    └───┘

     全体の稼働率 =(並列部分の稼働率)×(並列部分の稼働率)
    ={1−(1−0.9)(1−0.9)}×{1−(1−0.8)(1−0.8)}
    ={1−(0.1×0.1)}{1−(0.2×0.2)}
    =(1−0.01)×(1−0.04)
    =0.99×0.96
    =0.9504


【バスタブ曲線】
   システムを構成する機器の故障率λ(t)と利用し始めてからの経過時間tとの関係をグラフに
   すると、一般に次のバスタブ曲線を描く。

        ↑
    λ(t)|*                            
        | *                              **
        |  *                            **
        |   *                         **
        |    *                      **
        |     *                   **
        |      *                **
        |       ****************
        └──────────────────→t
        |←A→|←  B  →|← C →|

    A〜Cの時期に発生する故障は、それぞれ次のように称される。

    A.初期故障
        使用開始後の比較的早い時期に、設計・製造の不良や使用環境との不適合などに
        よって起こる故障。
    B.偶発故障
        初期故障の期間と摩耗故障期間の間の時期に、偶発的に起こる故障
    C.摩耗故障


【フールプルーフ】
   予想してなかった使用状態になっても故障しないよう設計されてること。
   ユーザが犯しやすい操作上のミスをあらかじめ想定し、ミスを犯さないような仕組みをシステムに
   組み込んでおくという考え方。
   意図しない操作をしてもシステムダウンしないように設計すること。

【フェールセーフ】
   システム内に故障が発生した場合、安全な状態に動作させること。
   障害発生時に、システムが安全な方向に向かうように設計しておき、障害発生時における被害の
   拡がりを最小限に防ごうとする考え方。

【フェールソフト】
   システム内に故障が発生した場合、機能の低下があるにしてもシステムの全面的なサービス停止に
   ならないようにすること。
   障害発生時に、たとえ機能を低下させてでも、システムの処理を継続させようとする考え方。

【フォールトトレラント】
   システムに冗長性を導入し、障害に対しても常にシステムを稼動状態に維持すること。
   システムの一部が故障しても処理を継続でき、処理の実行中でも故障した装置を交換できるような
   システムの性質。

【RASIS】
   システムの信頼性を評価する(高める)ためのチェック項目として使われる。
   次の文字の頭文字をとったもの。
         「Reliability」
         「Availability」
         「Serviceability」
         「Integrity」
         「Security」 

   Reliability(信頼性)
   システムの故障の発生を最小限に押さえるための指標。

   Availability(可用性)
   利用者の立場から見て、システムをできるだけ長時間使用可能な状態に保つための指標。

   Serviceability(保守性)
   ある機能が決められた動作をするために保守することの容易性の指標。

   Integrity(保全性)
   システムの安全性の指標。

   Security(機密性)
   不正アクセスや情報のもれなどを防止できる指標。

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