若鷹の5本柱
パ・リーグの首位を走る福岡ダイエーホークス。
6月23日の時点で、チーム打率と防御率はリーグトップを誇っている。
ここ数年、ホークスは打撃陣、リリーフ陣は強力だが、先発陣が泣きどころだった。
2000年にはリーグ制覇を果たすも、10勝以上した投手がひとりもいない優勝チームとなった。
これは両リーグではじめての珍記録。
そんな過去もどこへやら。
今季のホークスは、生きのいい先発投手に牽引されているといっても過言ではない。
では、5人の若鷹の成績をみてみよう。
選手 | 年齢 | 入団 | 試 | 勝 | 敗 | 投球回 | 安打 | HR | 三振 | 四球 | 防御率 |
和田 毅 | 22 | 1 | 12 | 7 | 2 | 90 1/3 | 75 | 11 | 89 | 27 | 2.69 |
斉藤 和巳 | 26 | 8 | 12 | 9 | 2 | 82 1/3 | 66 | 8 | 60 | 36 | 3.06 |
杉内 俊哉 | 23 | 2 | 12 | 3 | 6 | 82 2/3 | 84 | 6 | 72 | 34 | 3.16 |
新垣 渚 | 23 | 1 | 12 | 4 | 6 | 80 2/3 | 82 | 7 | 87 | 20 | 3.90 |
寺原 隼人 | 20 | 2 | 10 | 6 | 0 | 63 2/3 | 56 | 7 | 42 | 28 | 3.96 |
※・・・年齢は今年の誕生日を迎えての満年齢。和田は早生まれ。入団は入団年数。成績は6月23日現在のもの。
和田、新垣は即戦力との前評判どおりの活躍である。
防御率3位、奪三振2位の和田は、各部門1位のライバル松坂(西武)に追いすがる。
和田の完投数が4ならば、新垣はリーグ2位の6完投。
また、両投手ともプロ初完封も達成し、もはやエースの貫禄さえ出てきそうだ。
5投手を比較しやすくするため、9イニングあたりの数値などを算出してみよう。
選手 | スタミナ | 被安打 | 与四球 | 安+四死 | 本塁打 | 奪三振 | 防御率 |
和田 毅 | 7.5 | 7.47 | 2.69 | 10.16 | 17 | 8.87 | 2.69 |
斉藤 和巳 | 6.9 | 7.21 | 3.94 | 11.48 | 14 | 6.56 | 3.06 |
杉内 俊哉 | 6.9 | 9.15 | 3.70 | 12.96 | 10 | 7.84 | 3.16 |
新垣 渚 | 6.7 | 9.15 | 2.23 | 11.94 | 12 | 9.71 | 3.90 |
寺原 隼人 | 6.4 | 7.92 | 3.96 | 12.58 | 15 | 5.94 | 3.96 |
まずはスタミナ。
5人の登板試合はすべて先発なので、投球回数を試合数で割った。
すると、先発すると平均何イニング投げるのかわかる。
和田は驚異の7.5イニングで、ほかの4投手も6回以上と先発の責任はしっかり果たしている。
そのほか項目の説明。
被安打、与四球、奪三振は、9投球回あたりの数値。
安+四死は、9イニングあたりの被安打と与四死球の合計。
本塁打は、140投球回あたりの被本塁打。
斉藤は荒れ球だが、力で安打を許さない。
そのくせ奪三振は少なめ。
寺原も同じようなタイプだろうか。
意外と被安打が多く、フォアボールは5人中最少と、技巧派のような数字は新垣。
とはいえ奪三振率9.71はさすが。
新垣の課題は対左打者にありそうだ。
右打者は被打率.231(130打数30安打)と抑えている。
しかし、左打者には179打数52安打の.291と3割近い。
杉内は防御率こそいいが、内容はあまりよくない。
好不調の差が激しいのかもしれない。
安定した力を発揮する和田は、やや一発病の気があるが、それほど心配することもないだろう。