Chapter 9 eビジネス
■ プッシュテクノロジ。 ユーザが情報を探すのではなく、 欲しい情報がサーバから自動的に送られてくることをプッシュといい、 ユーザが欲しい情報をサーバが自動的に配信する仕組みを プッシュテクノロジという。 プッシュテクノロジは、一般に専用のソフトウェアを使うことで、 ユーザは無料で利用できる。 プッシュテクノロジを利用すると、 最新情報がテレビ放送のように自動的に配信され、 ユーザは待っているだけで情報を取得できる。 たとえば、株価情報をデスクトップに常時表示させておくと、 ユーザは操作をせずに最新の株価情報を知ることができる。 ■ プルテクノロジ。 ユーザが能動的に情報を取得することをプルといい、 ユーザからの要求に応じてサーバが情報を返す仕組みを プルテクノロジという。 ■ エクストラネット。 インターネット標準の技術を利用したネットワークで、 複数の企業のイントラネットを相互に接続したネットワーク。 セキュリティ上、専用線もしくはVPNを利用する。 エクストラネットは、共にEDI商取引の導入が行われる例が多い。 ■ ブリックアンドモルタル。 米国では、現実の店舗(Storefront)のことを、 ブリックアンドモルタル(Brick and Mortar)という。 建物の建設に使うレンガとモルタルの意である。 この言葉をもじって、 ネットとリアルを組み合わせたビジネス手法を、 クリックアンドモルタル(Click and Mortar)と呼ぶようになった。 ■ 商標。 自社の企業名を商標として登録することができる。 登録の有効期間は10年。何度でも更新可能。 商標権を侵害された場合、損害賠償の請求が可能。 商標は他社に譲渡することができる。 または他社に対し利用ライセンス契約を結ぶことも可能。 ■ サイバースクワット。Cyber Squat。 売却や嫌がらせなど、 不正な目的でドメイン名を取得し保有すること。 スクワットとは、あぐらをかくことを意味する。 取得したドメイン名の買取を迫るため、 わいせつなWebサイトを運営する悪質な業者が出現し、問題となった。 ■ OTP。Open Trading Protocol。 インターネット上で安全で利便性の高い商取引を行うための標準仕様。 e-コマース用ソフトウェアの相互運用性を高めるために使用する。 旧来、OTPコンソーシアムによって策定されていたが、 現在はIETFに移管し、IOTP(Internet OTP)と呼ばれている。 ■ EFT。Electoric Funds Transfer。 電子資金送金。 ある銀行の口座から、他の銀行の口座へ金銭を移すために、 一般的に利用される電子支払い方法。 たとえば、銀行のATMから現金を振り込むときなどに利用される。 デビットカードもEFTを利用したシステムである。 ■ OBI。Open Buying on the Internet。 インターネットを利用した共同購買システムの標準仕様。 アメリカンエクスプレス社、サプライワークス社を中心に、 非営利団体のOBIコンソーシアムが策定を進めている。 ■ 国際的なオンラインショップと法管轄権。 法律には管轄権がある。 契約の当事者がどの国に属し、契約履行がどの国で行われたかにより、 裁判を行うべき所在(国)が異なる。 インターネット上では仮想空間のため、法管轄権の所在が分かりにくい。 しかし多くの場合、消費者側が弱者とみなされる。 このため、消費者の存在する国に法管轄権が発生する。 もしも消費者が日本人でない場合には、 調停のための裁判は、法管轄権を持つ他国で行われることとなる。 ただし契約時に、あらかじめ義務履行地を明示しておけば、 こうした法管轄権の問題を回避できる可能性がある。注意すべき。 以上。 2003/12/08 pm