Chapter3 LANの規格
■ 10BASE5。Thick Ethernet。 太さ12mmのRG-11同軸ケーブルを使用。接続形態はバス型。 同軸ケーブル上に穴を開けて、MAU(トランシーバ)を取り付けて、 そこからAUIケーブルを分岐してPC上のNICと接続する。 1セグメントの最大長は、500m(リピータ使用で2,500m)。 セグメントあたり、最大100台(リピータ使用で300台)を接続できる。 ■ MAU。Medium Attachment Unit。 10BASE5の同軸ケーブルとAUIケーブルとを接続する装置。 10BASE5を10BASE-Tや10BASE2に変換するための装置。 ■ AUI。Attachment Unit Interface。画像はこちら MAUとPC端末を接続するための共通インタフェース仕様。 10BASE2、10BASE-Tなど、任意のインタフェースを選択できる。 ■ 10BASE2。Thin Ethernet。 太さ約5mmのRG-58A/U同軸ケーブルを使用。接続形態はバス型。 ケーブルの両端にBNCコネクターを装着して、 さらにBNCコネクター同士を端末接続用のT型コネクターで接続する。 ここから再び同軸ケーブルを張り出し、端末に接続する。 1セグメントの最大長は、185m(リピータ使用で925m)。 セグメントあたり、最大30台(リピータ使用で90台)を接続できる。 ■ BNC。画像はこちら 10Base2で使われる同軸ケーブルのコネクタ。 ■ 10BASE-F。 光ファイバを使用する。接続形態はスターバス型。 接続には光カプラを使用。信号増幅は行わず、分配のみ。 10BASE-FP、10BASE-FB、10BASE-FLの3種類がある。 セグメントの最大長は2,000m。 ■ 10BASE-T。 2対4芯(カテゴリ3)のUTPケーブルを使用。 コネクタは、IS8877型8ピンモジュラーコネクタ(RJ-45)を接続。 各ノードはハブを中心にスター型に接続されるが、 内部的な信号の流れはバス型。厳密にはスターバス型である。 セグメントの最大長は100m。 4台のハブをカスケードして、最大1,024台を接続できる。 ■ ファーストイーサネット。 100Mbpsの速度を持つイーサネット規格の総称。 ハブは2段階までカスケード可能。最大ケーブル長は205m。 各ハブの最長ノードが100mの場合、ハブ間の距離は5mになる。 最大1,024ノードを接続できる。 ■ ギガビットイーサネット。 1Gbpsの速度を持つイーサネット規格の総称。 1) キャリアエクステンション機能。 ギガビットイーサネットでは、ファーストイーサネットの10倍の速度なので、 コリジョンを検出するためには、最大伝送距離が10分の1になってしまう。 これを解決するため、フレームにキャリアエクステンションを付加して 最小フレーム長を512バイトに伸ばし、最大伝送距離を100mに保っている。 2) フレームバースト機能。 キャリアエクステンション機能を使うと、実質的なスループットが低下する。 これを補うために、GbEでは、複数のフレームをまとめて送信する。 これをフレームバースト機能と呼ぶ。 ■ トークンリング。Token Ring。 IEEE802.5トークンパッシング方式を用いるLAN。 物理的には、集線装置MSAUを中心にSTPケーブルを用いて、 ネットワーク上の各ノードとスター型に接続する形態だが、 論理的には、リング状に接続している。 通信帯域は4Mbpsと16Mbpsの2種類がある(混在はできない)。 ■ MSAU。Multi Station Access Unit。 トークンリングLANで使用される特殊なハブ。トークンリングでは、 物理的、外観的には、MSAUと各ノードがスター型で接続されるが、 MSAU内部がリング結線のため、実質的、論理的にはリング型になる。 MSAUのポートのうち、 各ノードからの接続を受け入れる口をアダプタポートと呼ぶ。 MSAUへの給電は、各ノードのNICから行なっている。 MSAUのポートのうち、 MSAU同士の接続に使用するポートをパッチポートと呼ぶ。 パッチポートにはリングイン、リングアウトの表示がある。 リングアウトのケーブルは別のMSAUのリングインのポートにつなぐ。 なお、アダプタポートとパッチポートは、同一形状であるが、 両者は互いに接続することができない。 ■ FDDI。Fiber Distributed Data Interface。 ANSI NCITS T12で標準化されたLAN方式。 大規模LANのバックボーンとして広く使わてきた。 伝送メディアには光ファイバを使用、 各ノードを二重リング構造で接続しており、障害時には待機系に切替できる。 リングの総延長距離は最長100km。ノード間の距離は最長2kmである。 また、最大500台のノードを接続できる。 アクセス制御にはトークンパッシング方式を改良したものを使う。 具体的には、アペンドトークン方式とタイムドトークン方式を組合わせている。 100Mbpsの高速通信が可能であり、 トラフィックが増加しても全体のスループットが低下しないのが特長。 ■ STコネクタ。画像はこちら AT&Tで仕様化された光ファイバ用のコネクタ。 金属製の丸い形状。押込んでひねればバネで固定される。 10BASE-FやFDDIで使用している。 ■ SCコネクタ。画像はこちら NTTで仕様化された光ファイバ用コネクタ。 プラスチック製の四角い形状。差し込むとバネで固定される。 100BASE-FXやFDDIで使用している。 ■ MICコネクタ。画像はこちら 光ファイバ用のコネクタ。MMF2芯を接続する。 プラスチック製モールドコネクタで、FDDIで使用される。 側面にロック機能を持つ。 ■ IDE。Integrated Drive Electronics。 パソコンとハードディスクを接続するインターフェース規格の1つ。 1989年にANSI(アメリカ規格協会)が、ATAとして標準化した。 さらにこれを拡張したE-IDE(Enhanced IDE)もある。 以上。 2003/12/09 pm