Chapter9 耐障害性(フォールトトレランス)と障害復旧
■ RASIS。 コンピュータシステムの信頼性に対する評価基準。 評価基準 | 基準値 ----------------------+------------------------------- 信頼性 Reliability | 平均故障間隔 MTBF 可用性 Availability | 稼働率 MTBF/(MTBF+MTTR) 保守性 Serviceability | 平均修理時間 MTTR 保全性 Integrity | - 機密性 Security | - ■ クラスタリング。 複数のコンピュータを相互に接続し、 全体で1台のコンピュータとして動作させる技術。 1台が故障してもシステム全体が止まることはない。 ■ ストライピング。 1つのデータを2つ以上のハードディスクに分けて同時に書き込むこと。 保存されているデータへのアクセス効率がアップする。 ただし、耐障害性が高まるわけではない。 ■ ミラーリング。 1つのハード・ディスク制御ユニットに対して、 2つのハード・ディスクを接続して同じデータを書き込む方式。 一方のディスクのデータが故障しても、 もう一方のディスクを使ってデータを復元することができる。 ■ デュプレクシング。 2つのハードディスク制御ユニットに対して、 2つのハード・ディスクを接続して同じデータを書き込む方式。 一方のディスクのデータが故障しても、 もう一方のディスクを使ってデータを復元することができる。 ■ フルバックアップ。 ディスク上の全てのデータを完全に他の媒体にコピーしておく方式。 バックアップの所要時間が長いので、頻繁に行うことはできない。 しかし障害時には、単純にデータを移動するだけで復旧できる。 ■ 差分バックアップ。 最後にフルバックアップした状態から、 追加または変更された部分だけを保存しておく方法。 バックアップ時間が短くて済み、たとえば毎日行うことも可能である。 ただしリストアするときには時間と手間がかかる。 ■ 増分バックアップ。 前回バックアップした状態(フルバックアップor増分バックアップ)から、 追加または変更された部分のみを保存しておく方法。 バックアップの所要時間は最も短いが、 いざリストアするときには最も時間が掛かる。 ■ GFS。Grandfather Father Son。 媒体のローテーションを行い、 祖父、父、子の3世代に渡ってバックアップを取る方式。 毎日の差分/増分バックアップはSonのテープを使用。 週末のフルバックアップはFatherのテープを使用。 月末のフルバックアップはGrandfatherのテープを使用。 このように使えば、Sonのテープ4本とFatherテープ5本、 Grandfatherテープが12本の計21本で、 1年分のバックアップが行えることになる。 ■ フォールトトレランス。耐障害性。 コンピュータやネットワークシステムに問題が発生したとき、 その状況に応じて自動的に反応して対処し、 システムへの影響を抑えて正常な動作を保ち続ける能力のこと。 以上。 2003/12/09 pm