システムの信頼性


■ RASIS。

  システムの信頼性を評価する尺度。
  以下の5つの英単語の頭文字を取ったものである。

  (1) Reliability        信頼性
  (2) Availability       可用性
  (3) Serviceability     保守性
  (4) Integrity          完全性
  (5) Security           安全性

■ システムの信頼性。Reliability。

  信頼性の高いシステムは、故障が少ない。
  信頼性を表す指標としては、平均故障間隔(MTBF)を用いる。
  MTBFの値が大きければ、信頼性の高いシステムといえる。

■ システムの保守性。Serviceability。

  保守性の高いシステムは、保守に要する時間が少ない。
  保守性を表す指標としては、平均修理時間(MTTR)を用いる。
  MTTRの値が小さいほど、保守性が高いシステムと言える。

■ システムの可用性。Availability。

  可用性とは、ユーザがどれくらいコンピュータを使用できるかを表す。
  可用性を表す指標には、稼働率を用いる。
  稼働率は、MTBFとMTTRを用いて計算することができる。

■ 稼働率の計算−システム単体の場合

  システム単体としての稼働率は、以下のように表される。

  稼働率 =(総時間-平均修理時間)/総時間
         = 平均故障間隔/(平均故障間隔+平均修理時間)
         = MTBF/(MTBF+MTTR)

  システムの稼働率を向上させる方法には、
  機器システムそのものの稼働率を高めていく方法と、
  複数のシステムを組み合わせる方法がある。
  
■ 稼働率の計算−システムを連結した場合

  [直列構成]

    一方のシステムで障害が発生すると、
    システム全体として機能しなくなる。

     直列構成の稼働率
     =システムAの稼働率×システムBの稼働率。

  [並列構成]

    どちらかのシステムが故障しても、
    システムとしては問題なく機能する。

     並列構成の稼働率
     =1-(1-システムAの稼働率)×(1-システムBの稼働率)

■ バスタブ曲線。

  横軸に時間、縦軸に故障頻度をとって、グラフ化すると
  バスタブ(風呂桶)の断面図のような形になる。
  これをバスタブ曲線という。

  参考URL 柘植自動車和合様
  http://www.tsuge.co.jp/basutabu.htm

  初期: 初期不良や慣れないオペレーションによる故障が多い。
  中期: 偶発故障がほぼ一定の確率で発生する状態になる。
  後期: ハードウェアの耗損による故障が増加する。

■ フォールトトレランス。

  システムの一部に故障や障害が発生しても、
  システム全体としては停止することなく、
  正しい処理を続行できるように設計すること。
  たとえば各構成要素をニ重化しておき、
  システムの動作中でも部品の修理・交換ができるようにする。

■ フェイルセーフ。

  システムの一部に故障や障害が発生したとき、
  その影響が安全側に作動するように設計すること。
  人命や社会基盤に関わるシステムに要求される機能である。

■ フェイルソフト。

  システムの一部に故障や障害が発生したとき、
  障害を起こした装置を一旦切り離すことで、
  たとえ処理能力は低下(縮退/フォールバック)させても、
  システム全体としては運転を維持できるように設計すること。

■ フールプルーフ。

  ヒューマンエラーを防ぐユーザインターフェースの1つ。
  利用者に意図しない使われ方をしても、故障しないように設計すること。
  不特定多数の人が使用するプログラムなどに要求される。
  一般にデータチェックの命令を多く組み込むことで実現している。

以上。

2004/03/10 pm


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