開発手法
■ ソフトウェアライフサイクル。 システムの開発は、 計画(Plan)、開発(Do)、運用(See)という3つのフェーズ(段階)に分けることができる。 この3つのフェーズをソフトウェアライフサイクル(SLC)と呼ぶ。 ■ ウォーターフォールモデル。 最も基本的なシステム開発モデル。 システム開発の各工程が終了するごとに必ずレビューを行い、 成果物がすべて出揃ってから次の工程に入る方法。 作業工程は、 トップダウンアプローチ(基本計画→外部設計→内部設計→プログラム設計→プログラミング)と、 ボトムアップアプローチ(各種テスト→運用・保守)の 2段階に分けられる。 ウォーターフォールモデルでは、 下流工程でバグが見つかると、 後戻り(システム修正)のコストは大変大きくなる。 このため、バグはなるべく上流の工程で発見し、その時点で修正を行う必要がある。 ■ プロトタイプモデル。 システム開発の早い段階で、システムの一部を試作し、 その振る舞いを見て検証を行い、改良していくもの。 ユーザ側に試用・評価してもらうことで、 開発側との認識のずれを発見し、修正することができる。 また開発側では、システムの実現性を具体的に予測することに役立つ。 プロトタイプモデルでは、一般的に、開発の手戻りを少なくすることができる。 しかし、ユーザ側と開発側の意見調整に手間取ると、 かえって開発期間やコストが膨らんでしまうことがある。 ■ スパイラルモデル。 ウォーターフォールモデルとプロトタイプモデルの長所を取り入れた開発モデル。 比較的大規模なシステムを開発するときに適用するモデル。 独立性の高い部分機能ごとに、設計、プログラミング、テストという一連の工程を完結し、 これを繰り返しながら開発範囲を徐々に拡大していく。 ただし、大規模なシステムであっても、 独立性の高い複数の部分に分割できない場合は、適用できない。 ■ レビュー。Review。 システム開発における基本計画からプログラミングの各工程の最後に、 複数の関係者が集まって、エラーや問題点を次の工程に持ち込まないために、 成果物の内容を確認しあうこと。 ■ ウォークスルー。Walkthrough。 システム開発の担当者が参加者を選定する。 おもに対象とする成果物の作成者が出席する。 ■ インスペクション。Inspection。 モデレータと呼ばれる開催責任者が、参加者の選定や会議の進行を取り仕切る。 ■ レポジトリ。Repository。 システム開発に必要な情報を格納したもの。 システム開発者およびユーザーが共用するべきデータベース。 原義は保管場所。たんすや押し入れ、倉庫などのこと。 レポジトリでは、開発工程で作成される様々な情報を一元管理する。 具体的には、参照するソフトウェアの情報や、試作システム(プロトタイプ)、 新しい技術情報などのデータベースなどが含まれる。 レポジトリには、ソースライブラリも格納される。 ソフトウェアなどを複数人で開発する場合、ソースはサーバ上に置いておき、 クライアントからアクセスすることで情報管理を一元化できる。 以上。 2004/03/10 pm