DOCSIS / Data Over Cable Service Interface Specifications


■ DOCSIS。ドクシス。

  米ケーブルラブズ(CableLabs)等により作成された、
  CATVネットワーク(HFC網)上でデジタルデータを伝送する際の標準仕様。
  DOCSISは、ケーブル事業者装置(CMTS)と加入者宅(CM)の両方の装置の
  技術的な仕様を定義しており、
  多くのCATV事業者やケーブル機器ベンダによってサポートされている。

  なお、DOCSISの規定する範囲は、
  OSI参照モデルでは、物理層、データリンク層にあたる。
  物理層では、下り通信にTDM方式を、上り通信にTDMA(一部CDMA)を使用する。

■ DOCSISのシステム構成。

  DOCSIS網は、一般的に、
  1ノードあたり 500〜2,000加入者の単位で設計される。
  ここに含まれるすべての加入者は、帯域を共有する。

  

  1ノードあたりの加入者が少ないほど上り流合雑音が少なくなる。
  また、実質上の通信速度を向上できることになる。

■ DOCSISの標準仕様。

  現在、DOCSISには3種類の標準仕様がある。
  国内ではバージョン1.0または1.1準拠のモデムを使っている例が多い。

  

■ DOCSIS1.0

  DOCSISの最初の標準仕様。
  国内外で広く採用され、対応製品も多い。
  後にITU-Tでも勧告化された(J.112 AnnexB/1998年3月)。

  DOCSIS1.0は、
  下り通信においては放送1ch分(6MHz)の周波数帯域を用いて、
  最大43Mbpsの通信速度を実現する。
  上り通信においては、0.2〜3.2MHzの周波数帯域を用いて、
  最大10Mbpsの通信速度を実現する。

■ DOCSIS1.1

  DOCSIS1.0に改良を加え、QoS機能の拡張を図ったもの。
  通信速度は、DOCSIS1.0と変わらない。
  あまり人気が無く、現在でも準拠製品が少ない。

  DOCSIS1.1では、
  物理層ではDOCSIS1.0と同じプロトコルを使用するが、
  MAC層プロトコルが拡張されている(例:SFIDを採用した)。

  

■ DOCSIS2.0

  DOCSISの最新仕様。
  従来のDOCSISに改良を加え、上り通信速度の改善を図ったもの。
  2002年1月に仕様が固まったばかり。

  DOCSIS2.0では、変調方式に64QAMと128QAMを採用することにより、
  DOCSIS1.0/1.1では最大で10Mbpsだった上り通信速度を、
  最大30Mbpsに改善している。

  DOCSIS2.0は、このほかにも、以下のような特長を持っている。

  (1) 多重化方式に、A-TDMA(次世代TDMA)、S-CDMA(同期CDMA)を採用。
  (2) MAC層で論理チャネルを採用し、異バージョンの混在を可能にした。
  (3) 符号化方式の改善を行ない、誤り訂正機能を強化した。

  さらに詳細はこちら

以上。
 
2004/02/20 pm


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