VIETNAM    〜ベトナム:ホーチミン、フエ JAL 20- JAL 27 2003〜

  《23 JAL 2003》

  古都フエからの観光には大きく分けて二種類有ってDMZ観光と市内観光に分かれる。
  DMZは非武装地帯を巡る観光で市内を6:00出発、20:00時帰着というハードなもの。
  時間が有れば両方の観光をしたかったのだが今回は夕方到着して翌日一日が空き、
  最終日は昼の便でホーチミンへ向かう予定だったので市内観光だけになった。

  ツアーオフィスでモトバイを一日チャーターして指定コースを巡るのが6USDだったので
  朝からオフィスへ行くとドライバーは金城武がちょっと痩せたような一般的にはいい男。
  しかしコースを把握してないみたいでオフィスのネェちゃんから「このコースだからね!」って
  言われて行程表を渡されていたが、全然見てない感じで出発した。
  始めは郊外のカイディン帝廟まで約20分位掛かりバイクの後ろに掴まって行くのである。
  ここは12年かけて作られた廟で外もさることながら中は素晴らしいものであった。
  今回の旅で一番行きたかったところだけに実物を見れただけでも大満足。
  二つ目は行く予定ではなかったけどチップを払ってコース変更してもらってでも
  見たかったミンマン廟、船に乗り換えていかなければ行けない所で中国風の建物。
  何故か運ちゃんは何も言わずにココに寄ってくれて自分としては超嬉しかった。
  三番目はトゥドゥック廟で大きな蓮の池がある避暑地っぽい感じの所。
  既に三箇所巡っただけで日中の40度近い気温の性もありぐったり・・・(´ヘ`;)
  早く帰ってホテルでのんびりしたいと思ったけど後半日多くの観光が残っている。
  そこで運ちゃんと交渉して小額のチップを払い行きたい二ヶ所のみで交渉終了。
  阮朝王宮とティエンムー寺を3時までに巡って観光は終了になったが
  この王宮が超広くて流石当時王朝が使っていただけのことはあると思った。
  
  王宮で二時間の見学時間を貰い早めに見学終了したので外で運ちゃんを待っていると
  シクロ(人力車の自転車版みたいなもの)の運ちゃんが「乗って王宮の周りを
  観光どうだ?」と声を掛けてきたので「モトバイ運ちゃんを待ってるから」と答えると
  「そうか」といいながら自分の隣に腰を下ろして話し出した。
  「オヤジ:何時に待ち合わせだ?」「ワシ:2時20分だよ」「オヤジ:今は何時だ?」
  「ワシ:2時10分だよ、だけど彼は時計を持ってないから大丈夫か心配」
  「オヤジ:そうか、じゃあ時間までワシのシクロで、その辺を走らないか?」
  いやいや、そういう訳にはいかないでしょ〜おじさん^^;
  その後もシクロのオヤジはいろいろ話し掛けてくるわけで「オヤジ:何所に泊まってる?」
  「ワシ:○○ホテルだよ」「オヤジ:えー!!〇〇ホテルっては一泊200ドル位するだろ!」
  「ワシ:正規の値段はそうだけど会社の割引で来たから」「オヤジ:そうか、良かったなぁ」
  「オヤジ:ワシらは王宮の周りを観光案内して1ドル位しか稼げない、一日の稼ぎも知れた
  ものだし生活の為に稼いでいる。だから一泊200ドルもする様なホテルに泊まる事は
  一生無理だろう。お前は羨ましいよ」この言葉を聞いた時、返す言葉を無くしてしまった。
  確かに自分は外国人観光客だけど現地の人との開きがこれほど大きく
  この国に生まれていたのならば自由に世界を歩けはしなかっただろう。
  自分の目と足で様々な国を巡り歩けることを幸せに思わずにはいられなかった。

  ホテルに戻ってみると顔も手も真っ赤になっていて日焼けが火傷に近かった。
  クーラーをガンガンに入れてシャワーを浴びた後は部屋で昼寝。
  晩御飯もホテル下のレストランで食べたけど誰も居なく貸しきり状態でして
  従業員のおばちゃんが「ガーデンレストランはそこそこ混んでるのにネェ・・・」と
  少し寂しそうな感じでワシの食事を運んで来てくれた。
  味は美味しいのになんでだろう?ってかSARSの影響でこんなに客が少ないのだ。
  国内線の飛行機も通常は三便飛んでいたのに今は一便しか飛んでないし。
  また観光客で賑わう日が一日も早くくることを願うばかりだ。



  カイディン帝廟の外観。
  中国様式とも西洋様式とも取れる外観。
  敷地も広くて階段を上っていくと
  いくつかの広場を経て帝廟につく。




  中庭には兵士や動物の像が並んでいて
  帝廟を守っている。
  ミンマン帝廟にも同じように兵士や動物が
  並んでいるがカイディンの方が良い。






  建物の中にはガラスで細工され
  まるでステンドグラスの様な壁がある。
  とても綺麗で、その絵は見事である。







  カイディン帝の等身大の像。
  下の台座の細工も目を見張るばかりで
  とても権力の有った人だということが
  解るし12年の歳月を掛けただけの
  事はあり、とても手が込んでいる。
  台座の下にはカイディン帝の遺体が
  安置されてるとの事。







  トゥドゥック帝廟の入り口を入ると大きな
  蓮の池があり奥には木造の涼み場が
  建てられている。
  敷地の中にはミンマン帝の墓等があり
  ここも広大な敷地面積を誇る。






  ティエンムー寺のシンボル塔。
  中国の上海から蘇州に行った時も
  同じような何重の塔を見たけど
  中国の影響を大きく受けてると思う。
  政治に反対する坊さんが焼身自殺を
  したことでも有名な寺。






  阮朝王宮入り口の午門。
  フエ観光といえば、この王宮午門が
  写真で紹介される事が多く自分も
  この王宮を観にも行きたい為に
  フエを旅行の行程に組み込んだ。
  王宮の敷地は限りなく広いです。







  阮朝王宮内には、いくつもの建物があり
  その中の一つで発見した透かし窓。
  綺麗な細工が施されていて暑い中
  涼しさを感じさせる。



  《24 JAL 2003》

  フエ滞在最終日なので朝早く起きて朝食前に王宮までモトバイにぶら下がり行ってきた。
  まさしく朝の通勤ラッシュに掛かってしまい恐ろしいほどのバイクが走っている。
  けたたましいモトバイのクラクションの中を抜けて王宮まで行き撮影を終えて
  ホテルに戻ってのんびり朝食を食べた後は10時の出発まで部屋で荷造りしてた。
  10時にチェックアウトを済ませ空港までのタクシーをチャーターしたが
  この町にはあまり車は走っておらずタクシーもモトバイかシクロだけなので
  車は運転手付きのプライベートタクシーになってしまい割高なのでした。
  ただモトバイとは違いエアコンが付いていて危険も少なく快適そのもの。

  空港まで約20分の距離だが、その間運ちゃんが色々と話し掛けてくる。
  やっぱり英語なので聞き取るのも喋るのも疲れてきて半分適当に相槌してると
  どうやら「ヤク」の話になっていたみたいで「試してみたいか?」なんてことに
  話が進んでいて慌てて「あ、興味ないからいいよ」と切り返す始末。
  あー真剣に聞いてないと危ない危ない^^;
  空港が近づくと「あれが空港だ」って言われたけど全然見えないの。
  よ〜く目をこらして見てみると柵も何も無いところに滑走路があって「え?
  あんなので大丈夫なの」といった印象を受けてしまった。

  空港に着くと小さな建物で一日4便位しか飛んでないから仕方ないけど
  建物の中にも客は自分とばぁさん&息子だけでガラ〜ンとしていた。
  時間が経つにつれて人は増えだしたものの空席が多いんだろうなぁって
  思いチェックインを済ませてビジネスクラスラウンジクーポンを貰ったので
  早速待合室内にあるラウンジへ行ってみることにした。
  実はエコノミーとビジネスクラスで料金差があまり無いのでランクアップしていたのだが
  二つしかないチェックインカウンターも一つはビジネスクラスカウンターだし
  国内線だから期待してなかったものの快適極まりない旅の始まりだった。
  ラウンジは取調室みたいな扉を開けると別空間が広がっていた。
  ドリンクとお菓子を戴きながら待っていると外の待合室はかなり混雑したように
  ざわざわしていて「満席かも?」と思えるような感じだった。
  そのざわめきが急に静かになった時、搭乗の最終案内が流れてラウンジの客は
  専用車で飛行機まで送ってもらえたのだ。
  機内では国際線のビジネスクラス並にウエルカムドリンクやテーブルクロスを掛けての
  食事(軽食でした)、アルコールのサービスもあり充実していた。
  キャビンクルーも笑顔だし行きのベトナム航空と同じ会社なの?って首を傾げたくなる。
  ホーチミンに着いてからも飛行機から降りるのも優先だし荷物も出てくるの早いしで
  僅かな追加料金でこれだけサービスが違うのならば次回も乗りたいと思った。
  日本国内のスーパーシート(ビジネスクラス)は追加料金は高い割にサービスは
  昔に比べて格段に落ちてるし是非ベトナム国内線を見習っていただきたい。

  空港ではフエのホテルで書いた葉書を郵便局へ持って行き日本へ発送。
  後はタクシーを捕まえて先日と同じホーチミン市内のコンチネンタルホテルに向かうが
  途中から雨になりモトバイと車の渦の中渋滞に巻き込まれて時間が掛かった。
  ホテルに着いてからは、またまた部屋でのんびりと過ごした。 旅行記No.3へ

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