キン肉マン夢の対決
ビッグボディ VS ソルジャー
198X年。
名古屋城は、築城以来の大興奮に包まれていた。
キン肉星の王位継承をかけたサバイバルマッチ。
その準決勝、強力チームと残虐チームの闘いが、この名古屋城天守閣に作られた特設リングで行われるのだ。
「選手、入場です!」
アナウンサーの声が、天守閣内に設けられた特設スタジアムの中にこだまする。
湧き上がる大歓声。
「東、強力チーム!」
東の扉から、ビッグボディを先頭とした、5人の超人が現れる。
先鋒、ペンチマン。
次鋒、レオパルドン。
中堅、ゴーレムマン。
副将、キャノンボーラー。
大将、キン肉マンビッグボディ。
先日会津若松で行われた一回戦において、フェニックス率いる知性チームを奇跡の逆転劇で破った、超重量級の面々だ。
続いて西の扉が開かれる。
「西、残虐チーム!」
観客たちの期待のまなざしに見守られて、入場してくるキン肉マンソルジャー。
そして、その後ろに続くのは、マントをまとった謎の4人の戦士。
リング上で、5人と5人が対峙する。
「ソルジャーよ、どうやら4人、集まったようだな」
先に声をかけたのはビッグボディ。
「俺たちをアッと驚かすようなメンバーを連れてくるといったが、本当に驚かせてもらえるのかい?」
一度死闘を潜り抜けている余裕か。ビッグボディはソルジャーを挑発する。
しかし、ソルジャーも負けてはいない。
「そうだな。今さらもったいぶっても仕方ないな」
ソルジャーは背後の4人に合図する。
「さあ! 観客のみんなに自己紹介するんだ!」
「応!」
4人はマントを脱ぎ去った。
その下から、現れた素顔は…
「先鋒、ウールマン!」
「次鋒、ブルドーザーマン!」
「中堅、ヘビー・メタル!」
「副将、シャークマン!」
「そして、このキン肉マンソルジャーを合わせて、残虐チームの参上だ!」
「おおっ…!」
客席からどよめきが走る。
「まさか、こんなメンバーを集めてくるとは…」
「これは、好試合が期待できそうだぜ…」
「どうやら、お客様たちの反応は上々のようだな」
「クッ…」
「…もっとも、ここで言い争っていてもしかたないがな。決着は、リングの上だ」
「もちろんだ」
ビッグボディとソルジャーが、それぞれメンバーを従えてリングサイドへ降りる。
そして、羽織袴で正装した審判員が現れ、リング上に残った二人の戦士の名前を読み上げた。
「強力チーム先鋒、ペンチマン!」
「残虐チーム先鋒、ウールマン!」
ついに、宿命のゴングが鳴る!
なんでやねーん、なんでやねーん、なんでやねーん!
とツッコミが聞こえてきそうなこの企画ですが。
キン肉マン直撃世代の一人として、この数十年間、ずっと練っていた構想です。
同年代の人もそうでない人も、この夢の対決を見届けていただければ幸いです。