問題図再掲 (便宜上先後を逆にしています。)
▲4三銀 △同 玉 ▲5二銀不成 △4四玉 ▲5四金 △3三玉
▲4三銀成 △同 金 ▲同 金 △同 玉 ▲4四歩 △同 玉
▲4五金 △3三玉 ▲3四金 △同 玉 ▲3二飛成 △3三歩
▲3五金 まで19手詰。
問題図で5二の金を取れるため、実戦であればよく考えずに▲5二飛成 △3三玉(右図)と進めたくなります。しかし不思議なことに、この局面は詰みません。
例えば▲2五桂 △2二玉 としても▲3三銀 △同桂 ▲同桂成 △同玉 ▲2五桂 は△2四玉 で脱出されます。また、ひねって▲4四銀 △同玉 ▲4五金 △3三玉 ▲3四金 も△2二玉 できわどく逃れています。
何が悪かったのかというと、初手の金取りです。先に▲4三銀(右図)と捨てるのが気付きにくい好手です。△同金左 なら▲5二飛成 △3三玉 ▲3二金 △2四玉 ▲2五金 でぴったり詰みますね。右上図になってから▲4三金 と捨てるのでは、持駒に銀が残ってしまうので玉の脱出を阻止できないわけです。
右図で△3三玉 と逃げても、▲3二銀成 △同玉 ▲5二飛成 以下簡単ですね。
そこで右図では△4三同玉 と取るしかありませんが、▲5二銀不成 から、この銀を活用することができて詰みに至ります。
問題図では、4一にいた玉が△4二同玉 と取りましたが、実戦では△4二同金左 でした。これなら、▲5二銀成 △同金 ▲3二銀 以下容易な詰みです。