アニメなKanon |
毎週、TVアニメ版Kanonの感想を書いていこうかななどと思っています。 ……と言っても、この企画の行く末は、アニメ版が「感想を書きたくなるような作品になってるかどうか」に左右されますので、もしも尻切れトンボになってたら、あんまり追求しないでください。武士の情けです。 ……などと書いて始めた企画ですが、無事完結することができました。まずはめでたい。 |
第1話 雪の少女 |
まず結論から言いましょう。 「思ったより健闘してるじゃん」 期待と不安で言えば1:9くらいの割合だったんですが、悪くない滑り出しだったと思います。 そりゃ確かに、絵はバランス狂いまくりでショボかったけどさー。(でも、ゲーム版の絵もけっこう歪んでるからなぁ)ストーリーの方は、なかなか手際のいいダイジェストぶりで好印象。 ざっと見て気になった、原作からのアレンジ点は、2つ。 1.冒頭の、病室のシーン ゲーム知ってる人には「そう来たか!」知らない人には「これは伏線だな」という、いいインサートカットだったと思います。……いや、ほんっとに知らない人は、あの看護婦さんがヒロインだと勘違いするかな?(笑) 毎回、病室シーンからスタートしたりすると、趣向としてちょっと面白いかも知れませんね。 2.祐一の荷物に紛れ込んだカチューシャ これまた、知ってる人には「そう来たか!」なアイテム。……しかし、これから先どう使うつもりなんだろ? 祐一、名雪、あゆ、3人とも雰囲気出てますし、いやホント「悪くない」です。 今後「良い」とか「すごく良い」になってくれればいいけどなー。 |
01-Feb-2002 By おーふな |
第2話 日溜まりの街 |
わっはっは、いきなり遅くなってしまいました。 ちょっと公私ともに忙しかっただけで、別に他意は無いんですよ(^_^; とりあえず今回は、名雪の寝ボケ顔のつぶれ具合がなかなか良かったです。 ……さすがに、毎回病室シーンで始めることはなかったけど(笑) ゲームで形がわからない、例の『朝〜、朝だよ〜』の目覚ましですが、カエル型にしたんですね。さりげなくマイク持ってるあたり、終盤での使いどころが見えるようです。 んで、香里が出て栞が出て北川が出て、真琴が出て次回に続く、と。 ホント手際のいいダイジェストぶりで感心しますね。脚本家エライ。 惜しむらくは、「お、ちょっと気の利いたセリフがあったな」と思って確認してみると、どれも既にPC版に存在してたりすることですかね。 しかしやっぱ、絵はヒドイね……できるだけ弁護してあげたいんだけど、これじゃあね。 私は今や、普段TVアニメという物をほとんど見ない人間になってまして……。 それでも、宮崎アニメとかは評判になってるから、映画館に出かけたりするでしょ? そうすると…… 比較しちゃいけないのはわかってるけどさ、『千と千尋〜』とこれが同じ「アニメ」だということに、めまいすら感じたりしちゃうわけです。 アニメファンやるのも大変だよね……。 |
17-Feb-2002 By おーふな |
第3話 たった一つの小さな記憶 |
おお、ついに各話タイトルが曲名からオリジナルに変わった。 あ、おまけに、いきなりオープニングに歌がついた。なんで1、2話にはつかなかったんだ? ……っていうか、時間的にいっぱいいっぱいで、入れられなかったような気はするけど。 ま、それはともかく……。 ようやく、それなりに細かいアレンジを効かせてきましたねー。 真琴のストーリーの前半部分は、毎日の細かいエピソードの繰り返しでできてます。 それを、30分物1クールという短い中に潜り込ませるのは、なかなか難しいことです。 ですから、秋子さんと名雪をうまく使って短縮を図った、とまあ、こういう形ですね。 しかも、真琴の初イタズラが、そのまんま舞ストーリーへの導入部につながるという効率の良さ。いやホント、脚本スタッフは大健闘だと思います。今後難関となるであろう、舞の描き方に期待ですな。 しかし、いきなり3・4話を一気に放送するとは……。 いったいフジテレビは何を考えてこういう編成にしたんでしょーか。 私は「まあ、1回サボって2回分いっぺんに書けばいいや」なーんて思って休んだのに、3回分まとめて書かなきゃいけないハメに追いやられてるじゃありませんか。 |
17-Feb-2002 By おーふな |
第4話 夜へ |
ついに久瀬の顔が明らかに!(笑) なんて意外性のない顔なんだ!(爆) ……なんてことは置いといて。 はー、こう持ってきたか……。 アニメ版スタッフの基本方針は「ヒロイン同士を絡ませて、ストーリーの短縮を図る」ですね、きっと。 細かいとこでは「あゆの一言をきっかけにして、祐一に、舞に夜食持っていくことを思いつかせる」とか、間接的にもなかなかうまくリンクさせてると思います。 ちょっとかわいそうなのは栞でして……。 佐祐理さんを出すためには階段の弁当は欠かせません。 そうすると当然、栞の昼休みのアイスクリームが使えなくなっちゃいます。 ですから今回、野犬騒ぎに絡めておいたってとこですかね。ちょっとサービス出演ぽかったです。(名雪もね) それにしても……なんだか、あゆの描き方に一番愛情がこもってる感じしませんか?(笑) 確かに、ヒロイン中のヒロインではあるんだけど。 クリエイターとしての冷静な判断というより、かなり私情が入っている気が。 |
17-Feb-2002 By おーふな |
第5話 the fox and the grapes |
いやー、ストーリーがゴチャゴチャしてきましたねー。 「あー、あの話をここに持ってきたかー」とか「おおっ? こういう混ぜ方するわけ?」とか、この変なシャッフル感がだんだんクセになってきちゃって(笑) 見てるとなんだか微妙に気持ちいい感じです。軽い酩酊感というか、興味深さというか。 ……「面白い」とか「素晴らしい」っていう感想にならないあたりが、スタッフのみなさんに申し訳ないとこだけど。 どうも、シリーズ中盤は舞と真琴の二人をメインにするみたいですね。 ま、そうだよな。名雪も栞も、終盤にならないと盛り上がらないし、ラストはきっとあゆで締めるんだろうし。 ゲームやってるときには気にならなかったんですが、アニメで初めて気がついたことがありまして。 それは、舞シナリオにおける祐一の鈍感さ。 夜、魔物が出るとわかってる学校に、よくもまあ昼間平気な顔で通えるもんです。 自分だけならまだしも、憎からず思っている名雪や栞も来てるんですぜ? この鈍感さは尋常じゃない。ある意味、大物ですな。 |
24-Feb-2002 By おーふな |
第6話 彼女たちの見解 |
こんなこと書くと、ファンのみなさんに怒られそうな気がするけど…… なんか、女性陣の声優さん、みんな声質が似てませんか? 画面を見ずに声だけ聞いたりすると、聞き分けが難しいような気が。 ……たぶん、流行りの声なんだろうと思ってますけどね。 それはともかく。 あー、なんかホントこのシャッフル感が心地いいー。 各シナリオの要素の無理矢理なごたまぜが、快感に変わっていったりして。 ……ごたまぜた結果、全体的にものすごく薄味になってる気はしないでもないですが。 でもまあ、仕方ないよなー。誰か一人を切り捨てるわけにはいかないし、分量は限られてるし。 聞いた話では、これ、全13話だそうじゃないですか。もし各ヒロインのクライマックスに各1話ずつあてるとすると、次の7・8話の2回で前フリを全部終わらせなきゃいけないという、かなり厳しいスケジュールなのでは。 ……なんだか、脚本スタッフのみなさんの労をねぎらって、肩叩いてあげたいですね。 |
24-Feb-2002 By おーふな |
第7話 舞踏会 |
昔、『うる星やつら』に「仮面武闘会」っていうネタがありましたなあ。いえ別に、直接関係は無いんですが。 んで、また一回サボっちまって、こりゃしまったなーと思ってたら……放映の方も一回休みでちょっと安心。どうにか遅れは取り戻せましたねー。 今日は試しに、箇条書きでいってみましょー。 1.舞踏会の更衣室シーン うーん、やっぱ佐祐理さんが攻めで舞が受けだねー(笑) 祐一じゃなくても、つい妄想に駆られるよねー。 2.アイキャッチ おおお、久瀬だ! 大出世だっ! ……北川って、アイキャッチになったことあったっけ? 3.祐一の台詞「俺は何にもしてないから」 今回は、ほんっとうに、一切、全く、何にもしてないぞ。気持ちいいくらい。 4.そして最後に… ケチ! なんでアリクイ背負った佐祐理さんを見せてくれないんだっ! ……すっごく楽しみにしてたのに。 ……てなとこで、次回、舞編最終回。あのウダウダが、30分でまとまるんかな? |
10-Mar-2002 By おーふな |
第8話 少女の檻 |
わはははははは。 死者を鞭打つような仕打ちだとわかっちゃいるんですが、言わずにいられません。 消化不良にもほどがあるぞっ! 確かに、情状酌量の余地は山ほどあるんだけどさー。つい言いたくなる気持ちもわかってほしいなー。 てゆーか、これは間違いなく、スタッフ側もわかってるな、尺が足りなすぎたって。 でもまあ、完全に収束し損なってるゲーム版に比べれば、遙かにまとまりが良くなってることも事実で。 ただその、まとめようという意識が、ゲーム版の問答無用な破壊力を削いでしまってることも、これまた事実で。 だいたい舞シナリオ自体が、サブヒロインとは思えない密度と重さですからねー。 本来なら、ゲーム版の時点ですでに、もうちょい軽量化して収束させておくべきだったんですよねー。 なんだか、アニメ版スタッフが、Keyの尻拭いをさせられてる感じが強かったなあ。 なにしろ、まだ後に名雪やあゆが控えてますから、あまり舞と祐一の結びつきを強くするわけにいきません。 そこで、全力を発揮できない祐一の代わりに、佐祐理さんの役が大きくなってます。 これじゃ軽量化するどころじゃありません。 そこでバッサリと、お母さん関連の話を一切省いたところは、これは英断として高く評価しておくべきでしょう。 雪うさぎの動物園に泣かされた私としては、若干不本意ですが、正しい判断だと思います。 ただ、必要な尺から考えると、個人的には、戦闘シーンを全部カットするくらいの思い切りがあってもよかったように思いますが……そんなことしたら、ファンが黙っちゃいないんだろうなあ。 ……でもそれくらい大変更しないと、30分じゃあ、まとめようがなかったと思うんだけどなー。 |
17-Mar-2002 By おーふな |
第9話 笑顔の向こう側に |
えーと。 栞編の最終回です。 ……が。 考えてみると、栞のストーリーって……。 発端があまり劇的でない……というか、食い逃げ騒ぎの陰に隠れちまって、強烈な印象に乏しくて……。 展開部は、地味〜な毎日の日常描写の積み重ねで……。 しかも、狙いを絞って他のヒロインを捨てることのできるゲーム版と違って……。 全員の話が並行して進むアニメ版だと、舞の派手な展開の陰にまた隠れちまって……。 とゆーわけで結局、栞編って、実質的には今回の30分だけってことになっちゃいましたな。 ダイジェストとしてはいい出来なんだけど、やっぱりどうにも薄味。 毎日の積み重ねで、キャラに思い入れができれば、かなり効いてくる話なんですけどねー。 思い入れる前に終わっちゃった感じが否めないなー。 が、香里と名雪にスポットライトを当てたところは大正解だと思います。 栞をダシにして、実は香里を描いてるような気はしないでもないですが。 でも、八方丸く収めようと思ったら、これが一番オーソドックスな手なんだよなー。 それにしても……。 回が進むごとに、名雪の重みが増してくるのね。完全な2強3弱体制だわ。 |
24-Mar-2002 By おーふな |
第10話 冬の花火 |
今回は、真琴編の最終回。時間を追ってリアルタイム風に書いてみましょう。 おお、ついに天野の初登場だー……って、なんかイメージ違うなー。天野って、こんなタレ目だったっけ? あ、いかん、ダメだ、俺……真琴がハシ使えなくなっただけで、目頭が熱くなってきた。 ほとんど条件反射じゃないかっ。もはや完全なダメ人間だあっ。(泣笑) キャラとして好きなタイプってわけじゃないんだけどなー。どうも、真琴のストーリーには弱いんだよなー。 あ、上手い! そうだよな、怪我してるところを助けたキツネなんだから、傷跡で識別できていい筈なんだよな。やるじゃないか、脚本スタッフ。 ……などと思いながら鑑賞してたら……。 あーっ! あっさり消しちまいやんの! しかも、結婚式抜きで! そんなのありかっ! ……でも冷静になってみれば、まだメインの名雪とあゆが残ってるからなー。 サブである真琴は、少し冷たく扱うしかないんだよなー。 それにしてもなんだね。 こうして各ヒロインの生死を賭けた話が3本も続いて、それに全て自分から首突っ込んでいく、となると……。 ……アニメ版の祐一って、単なる女好きの節操無しにしか見えないね。(苦笑) さーてこれで、残りは、あと3話。 これまでの舞・栞・真琴編には、あゆが全く絡んでいませんね。 こうなると、秋子さんを助けるのにあゆの力を使わせるんだろーなー。 しかし、最後は3話まとめて放映か……なんていーかげんな編成なんだ、フジテレビ。 |
24-Mar-2002 By おーふな |
第11話 約束 |
んー。 この、第11話だけでは評価不能ですなー。 あゆ編の伏線張るだけで30分終わってるし。 しかし……。 祐一とあゆのキスシーン&それを目撃して落ち込む名雪、って。 けっこう大胆なアレンジですね……こんなことして大丈夫なのかな? というか、キャラとしての整合性取れてる? これ。 次回を見ないと何とも言えないけど、なんか裏目に出そうな気がしてならないなあ。 あ、でも、あゆ役の声優さんの熱演は高く評価されるべきだと思います。 |
31-Mar-2002 By おーふな |
第12話 夢の跡 |
はー、こう混ぜたかー。名雪シナリオとあゆシナリオ。 んで、「ボクのこと、忘れてください」までやっちゃったかー。 ……そうすると、次回のクライマックスは目覚ましだよね? こーなると結局、全編通してのメインヒロインは名雪で、あゆは狂言回しでしかない気がひしひしと。 ストーリーの流れとしては納得のいく展開なんだけど…… やっぱり前回のキスシーンは無くてもよかったかな。 個人的には、香里の「病院に寄ってから帰る」発言が、細かいとこですが嬉しい台詞でしたね。 |
31-Mar-2002 By おーふな |
最終話 風の辿り着く場所 |
ぐわあ、まだこんな手が残ってたかっ。 シリーズ中盤から名雪の比重がどんどん大きくなって、前回、ついにメインヒロインか? ってとこまで持ってきておきながら…… 最後の最後で逆転して、あゆメインで終幕。なかなか鮮やかなエンディングです。 インパクトの薄さで有名な名雪シナリオを、大幅にいじり回すことによって、結果的にあゆシナリオを補強しているわけですね。 名雪役の声優さんも、演じどころが増えて嬉しかったんじゃないかな。 んで、まあ、こうなると、謝るしかありませんな。 こういう展開にするんなら、第11話のキスシーンにも意味が出てきますもんね。場所も同じだし。誠に申し訳ない。 第1話の冒頭に出てきた看護婦さんをもう1回使ってるあたりなんかも、実にうまいですし、エピローグ部分で一瞬聞こえる真琴の声とか、目覚ましの使い方をキレイに逆転させてるとことか……なんつーか、小技に長けた人ですね、脚本担当の方。 中でも一番ツボにはまったのが、卒業式で頭に舞チョップを受けた佐祐理さんの「へこんじゃうよー」だった、というのは内緒ですが。(笑) ……で、今日はここまで。 次回もう1本、まとめコラムを書いて完結、という形にしようかな、と思います。 |
31-Mar-2002 By おーふな |