| さざなみ女子寮日記 |
|
えー、このページは、『とらいあんぐるハート２ さざなみ女子寮』（ＪＡＮＩＳ／ｉｖｏｒｙ）をプレイした際の雑感です。 あ、モニターの向こうから「今ごろ？」って声が聞こえてきた。 そう言わんで下さい。私はすでに、ギャルゲーからは半引退状態なんですから……。 |
| その１ さざなみ女子寮着任まで |
|
７月○日 某氏から、ＤＮＭＬブックの感想メールをいただく。たいへん嬉しかった。 そのメールの中に 「ほのぼのラブコメと言えば、やはり『とらいあんぐるハート』シリーズをお勧めします」 という文章があり、興味を持つ。 ８月×日 少しネットで調べてみる。 １．『とらいあんぐるハート』シリーズ（以下『とらハ』と略す）には、正編３作と番外編２作があるらしい。 ２．どうも、正編の２作目が最も評判がいいようだ。 というわけで、『とらハ２』を買ってみることに決める。 ８月△日 コミケも終わってお盆休み。 秋葉原に行ってみる。旧作なので中古屋で手に入るかと思ったら、『とらハ３』はあちこちにあるのに『２』はあんがい見あたらない。 それどころか、定価は同じはずなのに、『３』より『２』の方が２０００円近く高い値段が付いてたりする。やっぱり『２』の方が人気あるのか？ 一瞬迷うが、副題の『さざなみ女子寮』という文字を見た瞬間に、「長屋の花見」とか「黄金の大黒」などという長屋ものの落語が脳裏をよぎり、やはり『２』にしよう、と思い直す。 思い直したとたん「オレって奴はなんてことを」と自己嫌悪に陥る。 ゲームはあくまでもゲームとして遊ぶべき物であって、ＤＮＭＬブックのネタ探しのために買っちゃいけませんね。制作者の方々に失礼です。 で、うなだれた頭を上げたら、店の壁に、あるゲームのポスターが貼ってあった。 『好きなものは好きなんだからしょーがない』 そうだよな、落語好きなんだからしょーがないよな、と急に立ち直って『２』を購入。 今さっき、インストールが終わったところ。攻略日記本番は、またそのうちのんびりと。 |
| 14-Aug-2001 Ｂｙ おーふな |
| その２ 第１部終了まで |
|
８月▽日 ゲームを始める。 ………。 な、なんか、妙に安い感じのする主題歌だね（笑） いや、Ｋａｎｏｎの曲とつい比較しちまうからか。相手が悪かったかな。 ふーん、主人公の名前は変えられないんだ……と思ったら、そーゆーことね。 いちいち台詞しゃべらせるとなると、名前変えさせるわけには行きませんな。こっちは声優とかに興味ないんで、声があろうがなかろうが、どーでもいいんだけど。 いやあ、でっけー主人公だなあ。私自身は縦横ともに小さいんで、どうも違和感があるぞ。……でも、大男がマメに料理してる姿というのは、なかなか味があるかもしんない。 しかしなんかあれだね、効果的なんだかそうじゃないんだか良くわかんないゲームシステムだね。とりあえず、みんなにまんべんなく愛嬌を振りまいておこう。 ８月□日 だんだん各キャラの正体がバレてきた。……うーん、Ｋａｎｏｎ並みに（あるいはそれ以上に）特殊なキャラばっかですな。（知佳ぼーの設定は、他と足並み揃ってない気がするけど） こうなると、耕介がここに呼ばれた理由付けの弱さが気になってくる。 この女子寮の管理人の条件として、 １．料理と力仕事ができること というのはゲーム中でも挙げられているけど、それだけでは無理なはず。 ２．特殊な住人たちと「普通に」接することができること ３．口が堅いこと 最低この２つは必要だよね。神奈さんは自分の甥だし、たまに会ってるみたいだから、耕介がこの３条件に合致してることを知ってて不思議じゃないけど、問題は愛さん・知佳ぼー・真雪さん。 愛さんは耕介と１０年ぶりに会ったはずでしょ？ 彼女の、耕介に対する、このむやみやたらな信頼感は、いったい何が原因なの？ 知佳ぼーだって、こういう境遇のキャラなのに、初対面から耕介に対して全く警戒心を持ってないし、真雪さんだって、知佳ぼーのことを考えたら、もう少し耕介のことを警戒していいはずでしょ。 のんきな性格、とか、耕介を連れてきた神奈さんへの信頼、だけで片づけられるほど浅い問題ではないと思うんだけど……きっとそれで片づけちゃうんだろうなあ。 ……ここはそーゆー世界なんだ、と頭を切り換えるより他ないね。 ８月◇日 とりあえず第１部は終わったけど、どうしてこういう構成にしたのかよくわからない……キャラ紹介のプロローグってことなのかな。パッケージで一番目立ってる娘がまだ出てきてないもんな。 てゆーか、最初から新管理人という形じゃいけなかったんだろーか？ 今時点では、この構成がたいして効果あげてるとも思えないんだけど。マスターキー集めってのも、予定調和な一本道シナリオに、無理矢理、ゲーム性があるように見せかけるための小細工にしか見えないし。キャラクターはそこそこいいのに、なんだかゲームシステムとシナリオが今ひとつ合ってない気が。 第１部での選択が、第２部でどれくらい伏線として効いてくるか、が評価のポイントっつーことになりそう。 |
| 18-Aug-2001 Ｂｙ おーふな |
| その３ まず一人目終了 |
|
８月◎日 そーいえば、この１ｓｔプレイで誰を選んだか、今まで書いてなかったけど……結局、真雪さんということになったりした。 なぜ彼女か、って？ だって第１部の終わりあたりで彼女に「誰か気になる娘いる？」って訊かれたんだもん。つい「真雪さん」って答えて、反応を見たくなっちゃうじゃない（笑） いやホント、それ以上の理由は特になかったんだけど……強いて言えば、初対面の時に真雪さんが耕介のことを警戒しなかった理由が出てくるかなぁ、という興味は少しあったんだけどね。 ８月＃日 今しがた、初えっちイベント終了。ちょっと意外だけど、らしいと言えばらしい展開で好印象。 ただ、あれね、途中に挟まってる妙な育成システムもどきは、はっきり言ってジャマじゃない？ こう言っちゃナンだが、今のところ全く何の役にも立ってないし、最後まで何の役にも立ちそうにない気がひしひしと。 ８月♭日 とりあえず、真雪さんのエンディング。素直に行動すれば真っ当な結果が得られるという、実にオーソドックスなシナリオで、ストーリー的には大満足なんだけど、結局、真雪さんが初対面から耕介に対し無警戒だった理由は判明せず。 いや、プレイヤー側で妄想を働かせればフォローはできるけどね。知佳が能力を使って耕介の腹の中を探り、真雪さんは知佳の判断を信用した、とか……。 ……それもちょっと味気ない想像だけど。 いや、でも、いい女じゃない、真雪さん。いつの間にか神奈さんより年食ってしまった人間の目から見ると、実にかわいくてよろしい(笑) 次は誰にしようかなっと。 |
| 25-Aug-2001 Ｂｙ おーふな |
| その４ 人間関係はさらに広がる |
|
８月＄日 二人目はどうしようか。真雪さんの次にすぐ知佳ぼー、というのも、ある意味人の道を踏み外してる感じだしな……などと考えたとき、「そう言えば最初にＫａｎｏｎやった時は舞ＥＮＤだったっけ」と思い出したので、薫にする(笑) で、スムーズにエンディングまで行く。舞と違って、話がすっきりわかりやすいのは、長所なのか短所なのか両論ありそう。ちなみに私は長所派。十六夜さんも御架月も好演してるし、いいシナリオじゃん。 薫自身も、ちょっと怪しげな鹿児島弁は少々気になったけど、いい娘だね。つい、からかいたくなっちゃう。真雪さんの気持ちがよーくわかったりして。 ８月％日 ３人目。ＴｏＨｅａｒｔの葵ちゃんを思いだしてみなみちゃんにした……つもりだったんだけど、途中で薫が隠れキャラらしき娘を連れてきた。これはマズイと振ったら、みなみちゃんとは進展がなく、リスティが出てきて、で、そのままリスティＥＮＤ。 いやあスゴイね、このゲーム。セーフティネットが２重に仕掛けてあるの？ なかなかバッドエンドにはならないようになってるんだねえ。かなり感心。 リスティも、前半の憎たらしさと、後半のかわいさが実に好バランス。このシナリオでの耕介に対しては、ちょっと言いたいことがあるけど。（ある意味ネタバレになるので、リスティシナリオを終わらせた人だけこちらにどうぞ） ８月＆日 気を取り直してみなみちゃん２度目の挑戦。選択肢は熟慮に熟慮を重ねて選んでるつもりなのに、なぜか今ひとつ親しくなれないまま、また薫が隠れキャラを連れてきた。無視して先に進めると、やっぱりリスティが出てくる(泣) あきらめて戻り、この、特に名を秘す隠れキャラのルートに入る。（一応、ネタバレは避けておきましょ） 私は前作プレイしてないんだけど、もしかしてこの娘、前作の登場人物じゃない？ キャラクターの造形（デザインだけでなく、性格とか雰囲気とか）が、他のキャラとは微妙に違う気がする。シナリオ量が少ないこともあって、あまり思い入れはしにくいなあ。前作の登場人物だとすれば、ファンにはこれで充分なんだろうけど。 しかし、なーんでみなみちゃん落とせないかなー。他のシナリオの素直さ加減からすれば、この娘だけ難易度高いってこともなさそうだけどなー。 |
| 01-Sep-2001 Ｂｙ おーふな |
| その５ 禁断の果実 |
|
９月＠日 Ｗｅｂ上のあちこちに攻略サイトがあるのは知っていて、どーしよーかなーとは思っていたが……みなみちゃんが落とせないので、ついに、甘い誘惑に乗ってしまう。 ……なんてこったい！ 第２部の、一番最初の選択肢で間違えてるじゃん、俺！ そーか、さりげにゆうひルートに入っていたのか……どーりで。 で、ようやくみなみちゃん終了。葵ちゃんよりは恋愛成分多くて好印象。（参考：ＴｏＨｅａｒｔコラム） キャラ的には「かわいい後輩」ポジションで、ボーイッシュ好きな私にとってはかなりツボなんだけど……この、意味も理由も見あたらない「怪力」という特徴は、どう評価したらいいの？ しかし処女（以上２文字伏せ字）が続くねー。こう続くと、妙に後ろめたいんだよな。次は年長組で、愛さんに行ってみよう。……彼女もどうもそれっぽいけど。 ９月¢日 割とスムーズに、愛さん終了。いやあ、ほのぼの〜。 前に「愛さんが耕介を信用してるのはなぜ？」と書いたんだけど、まあこーゆー人ならしょうがないか。しかしそれでもやっぱり真雪さんの反応は解せないが。（「キャラが耕介を信用した」んじゃなくて、「作者がキャラを操って耕介を信用させた」感じが拭えんのよね） なんつーか、この愛さんシナリオの中に、実を言うとけっこう身に覚えのあるエピソードがチラチラあったりした訳なんだけど……らぶらぶな状況というものは、本人たちは楽しいが、横から見てるととんでもなく恥ずかしいもんだなあということを再認識。 いやホント、これから気をつけよう。 ９月£日 年長組の次は、年少組。美緒コースに行ってみた。 この娘はさすがにＨシーンないだろ、と思ってたんだけど……そう来たか。 うん、でも、お子さまキャラという特性から必然的に導き出される、「成長」というファクターをうまく使った、いい話だね。 しかしまあ、相変わらず「理由」というものを一切説明しないシナリオだね……ここまで徹底してるといっそ清々しいくらい。 「理由を考える」なんて女々しいことは、ファンに任せる！ てなとこかね。いやあ豪快さんだわ。 そう言えば『とらいあんぐるハート』なんていうタイトルの割に三角関係にならないなー、と思ったら、見るからに脇筋のリスティシナリオや、最年少の美緒シナリオでそれが出てくるあたり、なかなかのひねくれぶりでは。（しかも、あんまり泥沼には沈まないし） 次は、もう一人のキワモノキャラ（ファンの人、ごめん）、十六夜さんかな？ |
| 09-Sep-2001 Ｂｙ おーふな |
| その６ 終わりの日は近い |
|
９月♂日 十六夜さんも、割と素直にエンディングまで行く。……が、どーしたんだ御架月、その明るさは！ 薫シナリオの時とだいぶ印象違うぞ、こいつ。 終わり近くなって、ちょっと『超人ロック』を連想したりしたんだけど、さすがにサブヒロインなので、「永遠に生きる者と人間の恋」を突っ込んで描くとこまで行ってない。でもまあ、十六夜さんの性格からしても、この辺が限界か。この手の話は、キレイに描こうと思うと楽だけど、突き詰めるととんでもなくヘビーになるから……。 ９月♀日 大物が二人残ってるんだけど、その前に、残った隠れキャラを片づけてみた。 前々から、妙にチョロチョロしてる娘がいるなー、と思ってたんだけど、どうも攻略できるみたいなので。（これはさすがに、攻略サイトの手を借りた） んー、特に感想なし。途中で制作者自身がツッコミ入れてるように、みなみちゃんとキャラかぶってるし。かわいいとは思うけど、ＴｏＨｅａｒｔの理緒、Ｋａｎｏｎの佐祐理さんと比べると、ちょっと存在意義不明。 ９月＊日 さて、残った大物のうち、脇役で実にいい味だしてるゆうひから。 いやー、なんと言うか、ちょっと他に類を見ないほど典型的かつ王道なラブストーリーで、これだけ堂々とやられると「○○に似てる」「××のパクリだ」なんてのは、もはや無意味だね。 全人類が普遍的に持っている「イチャイチャ心」を、真っ正面から正攻法で描ききった超大作！ ……ってのは誉めすぎ？ （でも、このシナリオも、けっこう思い当たる節があったんだよなあ……） しかし、いい娘だよねー。背が高いのがちょっと気になるけど(笑) だけどここで、ちゃんと耕介の体格が活きたもんなあ。キャラ設定は実に上手い。 次回、知佳ぼー編と、まとめをやって、このコラムも終わる予定。 |
| 16-Sep-2001 Ｂｙ おーふな |
| その７ ギャルゲー界の○○○ |
|
９月〒日 まだＣＧギャラリーは空いてるとこあるけど、とりあえず知佳ぼーで、いったん終わりにしておこう。他にやんなきゃならないことも色々あるし。 で、真雪さんで始めたゲームを知佳ぼーで締めることになったわけだけど、どっちかというと知佳の方が、愛さんやゆうひよりも、ギャルゲーヒロインらしい印象を受けた。私はあんまり妹属性持ってないんで、たいして効かなかったけど、撃墜された「お兄ちゃん」はさぞ多かったろう。 やる前は「知佳／真雪」で裏表の関係になってると思ってたけど、シナリオ構造から見ると「知佳／リスティ」だね。真雪さんシナリオは、あくまでも知佳の裏であって、その逆は成り立たない。扱いが軽い感じで、ちょっと真雪さんがかわいそうかな。ま、しかたないんだけど。 でも、途中でいきなり視点変えるのは反則だと思うぞ、この構成で。 ９月☆日 で、全体の感想ということになると……何と言ったらいいのかね。（苦笑） まず、素直にゲームソフトとして見ると、ダメダメでしょ、これは。無意味な（と断言するのも大人げないか。訂正「少なくとも私には意味の見出せない」）育成モードもどきといい、ゆうひの、立ちグラの退場処理ミス（ＤＮＭＬで言うと、ＥＸＩＴタグ入れ忘れてる感じ）といい、誤字・脱字の多さといい、完成度はかなり低い。 でもね……キャラもいいし（ちょっと極端すぎる感じはあるけどさ）、話は実に実に私好みなんだなあ……。 私なりの言葉でこのゲームを表現すると 「ギャルゲー界の倉知淳」 ……うーん、ちと例えがマイナー過ぎたか。それに、倉知淳の名は別のコラムでも一回使ってるしなー。 （でも、北村薫ほど格調高くないし、若竹七海ほどダークでもないし、西澤保彦ほど根暗くもないもんなー。やっぱり倉知淳だよね？ それも『占い師はお昼寝中』か『幻獣遁走曲』あたり。…あ、それとも加納朋子か？ いや、あの透明感ともちょっと違う気が……ごめん、このカッコ内の話は、ごく一部のミステリファン向けということにしといて） とにかくこの「日常」の中のささいなことをネタに変える腕前は、たいしたもんだと思うわけ。話がシリアス過多にならないあたりも好印象だし。ほら、クリエイターってみんな、真面目な顔で大風呂敷広げるの好きじゃん。それで、せっかく広げた風呂敷を畳み損なっちゃったりするの（笑） これは、適度な大きさの風呂敷広げて、きちんと畳んだ、って感じがする。 というわけで、おそらくそのうち、何らかの形で、とらハ２の二次創作も始めるんじゃないかと。まるで他人事みたいだけど（笑） まだぜんぜん目途が立ってないもんだから。（とらハ２のＤＮＭＬって、すっごく面倒なんだよね……） それじゃまた。 |
| 24-Sep-2001 Ｂｙ おーふな |