私は将棋が好きで、子供のころから随分指して居ます。その中で奇襲戦法というジャンルに特に心惹かれるものがあり、 こういうページを作りました。型にはまらない自由な指し方で、のびのびと将棋を楽しんでいきましょう! 幕末の志士・河合継之助の将棋は「勝つことなど眼中に無いような感じで、ただ好きなように駒を進めていくのだが、 なぜか勝ってしまうという非常に愉快な将棋」だったといいます。奇襲とは、一言でいえばそんな将棋です。 このページでは、特に奇襲戦法の中でもマイナーで、殆ど知られて居ないような戦法を取り上げていきたいと思います。
目次
奇襲戦法とは
初手4八飛戦法将棋の奇襲戦法とは?
ウィキペディアに従えば、「奇襲戦法(きしゅうせんぽう)は、将棋の戦法の一分野である。主に急戦で、攻めを主体とし、相手の弱点を突いて一気に攻め潰すことを主眼とするもので、棋理(将棋の理論)よりも力を重んじるものをいう。」 となる。とにかく攻めて攻めまくる戦法で、自ら場を構築していくような楽しさがある。
初手4八飛戦法とは、以下のようにいきなり飛車を4八に振る戦法です。 後手: 後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v銀v金v玉v金v銀v桂v香|一 | ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・v角 ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六 | 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩|七 | ・ 角 ・ ・ ・ 飛 ・ ・ ・|八 | 香 桂 銀 金 玉 金 銀 桂 香|九 +---------------------------+ 先手: 先手の持駒:なし 第1手、▲4八飛まで
これは元々、初手46歩戦法を私が研究していたときに、初手46歩だとその後84歩と 突かれて原始棒銀にこられるとあっけなく負けてしまう、これではどうしようもないと思い、 あみだしたものです。私が強くなってアマ大会ででも優勝すれば、多分中根流といわれると思う のですが、いまのところ初戦突破だけしかできて居ないので余りいわれそうもないですね(ヘ_ヘ)
以下の手順
▽3四歩▲4六歩▽3二飛▲4五歩▽3五歩にて第2図。
後手: 後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v銀v金v玉v金v銀v桂v香|一 | ・ ・ ・ ・ ・ ・v飛v角 ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ 歩v歩 ・ ・|五 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六 | 歩 歩 歩 歩 歩 ・ 歩 歩 歩|七 | ・ 角 ・ ・ ・ 飛 ・ ・ ・|八 | 香 桂 銀 金 玉 金 銀 桂 香|九 +---------------------------+ 先手: 先手の持駒:なし 「第2図」▽3五歩まで
急戦石田にくる場合角道をあけないことが大事です。基本的には 4八飛戦法は角道を開けるタイミングが一番大事だと思います。 例えばここで76歩だと88角成同銀36歩同歩15角の王手飛車で将棋が終わってしまいます。
以下の手順
▲3八銀 △3六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲3七歩 △3四飛 ▲7六歩 △8八角成 ▲同 銀 △3六歩 ▲2五角 △3七歩成 ▲同 銀 △6四飛 ▲7八金 △5二金右 ▲4四歩 △同 飛 ▲同 飛 △同 歩 ▲4七角 △3二金 ▲8三角成 後手: 後手の持駒:飛 角 歩二 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v銀 ・v玉 ・v銀v桂v香|一 | ・ ・ ・ ・v金 ・v金 ・ ・|二 |v歩 馬v歩v歩v歩 ・ ・v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六 | 歩 歩 ・ 歩 歩 ・ 銀 歩 歩|七 | ・ 銀 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八 | 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ 桂 香|九 +---------------------------+ 先手: 先手の持駒:飛 歩二 第29手、▲8三角成まで
にて先手優勢。激しい変化ですが一本道です。基本的に荒っぽい将棋に成りやすいのですが、 持久戦にすることも可能で、そういう時は右四間飛車穴熊かへこみ矢倉にするといいようです。
4八飛戦法の時、相手が棒銀で来た場合は上のように指すわけにはいきません。その場合はひねり飛車にすることになります。ひねり飛車も奇襲の一つですが、最近では 非常にマイナーな存在に成ってしまって居ます。「ヒネリ飛車模様先手6五桂戦法」(長い名前だなあ)も、考案者?の豊川孝弘6段がNHK将棋講座で解説したにも 関わらず、ネット上に情報がないのですね。いい戦法だと思うのですが。
以下、豊川6段の著書「パワーアップ戦法塾」(NHK出版)を参考にしながら自分流に改良した少し手順を進めて見ます。
元々はこれはふつうの相がかり戦法から変化するもので、4八飛戦法とは関係ないのです。
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v銀v金v玉v金v銀v桂v香|一 | ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・v角 ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六 | 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩|七 | ・ 角 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八 | 香 桂 銀 金 玉 金 銀 桂 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 初手から ▲4八飛--▽8四歩--▲9六歩--▽8五歩--▲7八金--▽3二金--▲4六歩--▽7二銀 後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・v金v玉 ・v銀v桂v香|一 | ・v飛v銀 ・ ・ ・v金v角 ・|二 |v歩 ・v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | 歩 ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六 | ・ 歩 歩 歩 歩 ・ 歩 歩 歩|七 | ・ 角 金 ・ ・ 飛 ・ ・ ・|八 | 香 桂 銀 ・ 玉 金 銀 桂 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 第8手、▽7二銀まで *4八飛戦法の天敵、原始棒銀です。うかうかしているとやられます。 ▲4五歩--▽1四歩--▲7六歩--▽8六歩--▲同 歩--▽同 飛--▲7七桂--▽9四歩--▲6五桂 後手の持駒:歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・v金v玉 ・v銀v桂v香|一 | ・ ・v銀 ・ ・ ・v金v角 ・|二 | ・ ・v歩v歩v歩v歩v歩v歩 ・|三 |v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩|四 | ・ ・ ・ 桂 ・ 歩 ・ ・ ・|五 | 歩v飛 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六 | ・ ・ ・ 歩 歩 ・ 歩 歩 歩|七 | ・ 角 金 ・ ・ 飛 ・ ・ ・|八 | 香 ・ 銀 ・ 玉 金 銀 桂 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:歩 第17手、▲6五桂まで こうして、敢えて飛車先を受けずに桂馬を跳ねるのがよさそうです。87歩には97角があり、82飛車53桂成なら先手勝勢でしょう。 ▽8五飛には▲5三桂成。