MOBILE SUIT GUNDAM Said Story
機動戦士ガンダム外伝 KanonSS
0090 ジオンの亡霊
第3話『戦いの鼓動』



UC0090 5/10 戦艦『ロンドン』内
ジオンに敗北したルナU第2連邦艦隊は、ルナUへ撤退を余儀なくされた。
グロム「艦長被害の総計は?」
グロム中将は戦場で受けた傷に顔をしかめさせながら言った。
艦長「マゼラン改3隻 サラミス改12隻 コロンブス改5隻 MS56機 以上です」
実に艦隊の約70%以上がジオンの攻撃により沈んでいた。
艦長「グロム中将、衛生兵を呼んだ方がよろしいのでは?」
艦長はグロムの傷を見るとそう言った。
グロム「この程度の傷どうってこと無いわ」
グロム中将はそう言うと司令室に入っていった。

『ロンドン』パイロットルーム
そこには、複雑な顔をした祐一達がたたずんでいた。
祐一「まさか、名雪が生きていたなんて」
祐一は名雪が生きていたことがうれしい反面、敵として現れたことに悲しんでいた。
それは祐一だけではなかった。
香里「何で栞がよりによってジオンなんかに」
美汐「祐一さん真琴も生きていましたね、それにあゆさんも」
二人もさっき見たものを信じたくないようにそう言った。
祐一「そうだな、死んだとばかり思っていたのにな」
祐一は視線を宙に向ける。
その眼はどこかうつろであった。
香里「7年前のあの日、あの子達に何があったのかしら」
香里はそう呟く。
祐一「解からない、でも言えることが1つだけある」
祐一「ジオンとして、敵として現れたのだから、戦わなければいけないと言う事」
香里「嫌よわたしは、栞を剣を交えるようなことはしたくないわ」
香里は椅子から立ち上がり祐一を見るとそう言った。
美汐「そうです、真琴に銃を向けることなんて出来ません」
美汐「祐一さんは名雪さんやあゆさんに向かってそんなことが出来るのですか?」
美汐も祐一に向かってそう言った。
祐一「もし命令が出れはそうするしかない」
祐一はそう言うと自室に戻るために部屋を出ようとした。
香里「祐一はそれでいいの?」
美汐「本当にそれでいいんですか?」
二人の強い口調の声が祐一に浴びせられた。
祐一はその声を無視するように部屋を出て行った。
祐一「良い分けないだろ」 
しかし二人に聞こえないように祐一はそう呟いた。

UC0090 5/10 第14独立戦隊旗艦『センタウロ』
そのころルナUでは
最新鋭艦ラー級5番艦『センタウロ』を先頭にサラミス改2隻が
ルナU第3ブロックから出撃した。
艦長「ゲイツ指令」
ゲイツ「なんだ艦長」
ゲイツはシートから艦長を見た。
艦長「我々は何でロンド・ベルに配属されないのでしょうか?」
ロンド・ベルとは UC0090 3月に編成された外郭新興部隊のことである。
ゲイツ「なんだ聞いてないのか、艦長は」
艦長「何をですか」
ゲイツはシートの脇から一枚の命令書を出して艦長に渡した。
艦長は命令書を見るとうなずいた。
艦長「新型機体を月に受理しに行くためでしたか」
ゲイツ「そうだ、その前に第2艦隊から人員を受け取りに行く」
艦長「だれです?」
ゲイツ「艦長も知っていると思うが、相沢少将の子供とその哨戒隊だ」
艦長「そうですか、相沢少将の」
艦長は複雑な顔をしてそう言った。
ゲイツ「さあ、第2艦隊との会合点に向けて発進だ」
艦長「了解 航海長、針路座標確認」
航海長「針路座標確認、発進します」
第14独立戦隊はルナU第2艦隊との会合点に向けて発進した。

UC0090 5/11 戦艦『ロンドン』
医務室にグロム中将は横たわっていた。
グロム「艦長、第5哨戒隊を呼んでくれ」
グロムは艦橋の艦長に向かって通信した。
艦長「了解です、医務室に呼んでよいのですか?」
グロム「かまわない」

同日 各個人ルーム
通信「第5哨戒隊の隊員はすぐに医務室まで出頭せよ」
祐一はそのときパイロットスーツのままで寝てしまっていた。
通信の声で起こされると祐一はすぐに軍服に着替えると医務室に向かった。
香里「相沢君、大丈夫?」
祐一がルームから出ると香里がそう話し掛けた。
祐一「ああ、大丈夫だ それより早く行かないと」
香里「そうね、美汐を呼んでこないと」
そう言うと香里は美汐の部屋に向かおうとした。
美汐「私ならここにいますよ」
美汐は祐一とは顔をあわせずに香里に言った。
香里「みんな揃ったみたいね、じゃ行きましょう」
そう言うと三人は医務室に向かって歩き出した。

同日 医務室
祐一「相沢大尉以下 第5哨戒隊出頭しました」
グロム「入いれ」
中からグロムの声が聞こえた。
祐一「入ります」
三人は医務室の中に入っていった。
グロム「相沢大尉 急なんだが、これより我が艦隊は第14独立戦隊と合流する」
グロム「貴官ら第5哨戒隊は旗艦『センタウロ』に移動してもらう」
ベットに横になりながらグロムは一枚の紙を祐一に渡した。
グロム「旗艦らは哨戒隊の任を解かれる その後のことは『センタウロ』に着き次第命令される」
そう言うとグロム中将は祐一の顔を見つめた。
祐一「指令 私の顔に何かついてますか?」
その視線に気づいた祐一はグロムにいった。
グロム「いや、相沢少将の眼と良く似ていたのでな」
祐一「父にでありますか」
グロム「そうだ」
祐一「指令は父のことをご存知なのですか」
グロム「ああ、よく知っているとも」
グロム「私の上官であった人物だからな」
祐一「ならば1年戦争で、いやルウム戦役で父は何をしたのですか」
祐一「母は父について何も語ってはくれませんでした」
床を見つめ、口噛み締めながら祐一は続けた。
祐一「軍隊のやつらには裏切り者とののしられて」
グロム「それは違うぞ、大尉」
祐一の話を聞いていたグロムは急に言った。
グロム「確かに少将の決断はほかの艦隊からはそう見えたのかもしれん」
グロム「しかしな、あの時 相沢少将が決断しなければ連邦艦隊は全滅していたかもしれん」
グロム「あの行動は英雄視されはしない行動だ、しかし裏切り者の汚名を受けるような行動ではなかった」
グロム「時が来たら きみにも真実を伝えよう」
そう言うとグロムは祐一のを見るなりこういった。
グロム「しかし、これだけは覚えていてくれ 相沢少将は決して裏切り者ではないと」
祐一「指令がそこまで言うのであれば、信じます」
そう自分に言い聞かせるように祐一は言った。
グロム「そうか、解かってくれたか。話に続きは反乱が片付けてからじっくりと話そう」
グロム「合流の時間が迫っている、各員準備に余念のないようにな」
そう言うとグロムは眠りについた。

UC0090 月フォンブラウン市郊外
月の地表を這うように一機の新型MSが駆けていた。
機体はRGM系の形をとってはいなかった。
舞「・・・・これより高速起動」
そう言うとMSは一気に加速して行った。
舞「850、900、1050、1200 機体の加速警報が出た」
佐祐理「舞、あんまり無理しちゃいけませんよ」
コントロールルームから佐祐理がそう言った。
舞「・・・・大丈夫、まだあがる、1250、1300」
MSは更に加速を続けた。
秋子「佐祐理さん、ダミーを出してください」
佐佑理「はい、舞
次は射撃テストですよ、1000を保ったまま目標を撃ってください」
そう言うと佐祐理は5機のダミーを打ち上げた。
ダミーは佐祐理のコントールによってMSに向かった。
舞「・・・1000を維持、目標発見」
MSは加速を落としながらライフルを放った。
その光は、5機のダミーを確実に捕らえていた。
観測員「ダミー全機撃破」
秋子「舞さん、次はビームサ―ベルでお願いします」
新たにダミーが10機放たれた。
舞「ダミー発見」
MSはビームサーベルを抜きダミーに切りかかった。
秋子「ちょっと悪戯をしますか」
そう言って秋子さんは席を立ち格納庫に向かった。
そのころ舞は5機目のダミーを切り捨てていた。
佐祐理「舞、後5機ですよ」
舞「・・・わかってる」
また1機切り捨てた。
秋子「このMS使えますよね」
秋子さんはそう言って一機のRGM-86に乗り込んだ。
研究員「これは秋子主任、もちろん使えます」
そう聞くと秋子さんは宇宙へと飛び出した。
舞はそのときすでに全機のダミーを砕いていた。
佐祐理「はへ―、相変わらず舞はすごいですね」
佐祐理「舞、次は実戦テストですよ、相手は秋子さんですから注意してくださいね」
そう言い終らないうちに秋子さんの乗るRGM-86は舞に切りかかった。
グォン ビームサーベルが舞に襲いかかった。
舞は一気に加速してそのサーベルを避けた。
秋子「やりますね、舞さん」
舞「・・・秋子さんこそ」
実戦テストはそれから1時間続いた。



2機のMSは格納庫へと戻ってきた。
佐祐理「お疲れさまー、舞、秋子さん」
佐祐理は二人を出迎えた。
秋子「舞さん、新型の調子どうでしたか」
舞「かなり悪くない」
秋子さんと舞がMSからおりてきて話をしていた。
佐祐理「あはははぁー、舞ずいぶん疲れてますね」
舞はその場にへたり込んだ。
舞「かなり疲れてない」
秋子「佐祐理さん、舞さんを部屋まで連れ行ってもらえますか?」
秋子さんは舞を立たせながら言った。
佐祐理「秋子さん、悪い知らせと、良い知らせ二つが先ほど入りましたよ」
秋子「ああ、知ってますよ、祐一さんたちが来るのと連邦軍が負けたことですよね」
佐祐理「はへー秋子さんよくわかりましたね」
関心しながら佐祐理は言った。
秋子「先ほどMS内で通信を聞きましたから」
驚いたように舞と佐祐理は顔を合わせた。
佐祐理「よく戦闘中に聞けましたね」
舞「祐一が来る」
秋子「後2日ぐらいで来るそうですから、早くこの新型を仕上げないといけませんね」
そう言いながら秋子さんはコントロールルームに戻っていった。
佐祐理「相変わらず、すごい人ですね、舞」
舞「すごい」
そう言いながら舞はその場で眠ってしまった。
舞「zoo・・・・・・・・」
佐祐理「あはははぁー 舞、こんなところで寝ちゃ駄目ですよー」

UC0090 5/14 サイド4『ムーア』司令室
薄暗い司令室のなかに久瀬は1人たたずんでいた。
ピィーピィー 艦隊から通信が入った。
久瀬「なんだ」
通信兵「久瀬指令、全艦隊修復完了しました」
久瀬「わかった、そちらにすぐ行く」
久瀬はシートから立ち上がると旗艦ザンジバル改級『カタロニア』に向かった。
久瀬「ふっ、ついにサイド3の解放行うことが出来る」
  「サイド3の解放が出来たとき その時こそ、本当の革命のときだ!!」
  「ふふふっ・・・・」
暗い通路を久瀬の笑い声だけが響いていた。

サイド4 艦船ドック
久瀬を待ち構えていたようにジオンの士官たちが一斉に立ち上がった。
久瀬「諸君!! ついに今回の本当の戦いが始まる」
  「サイド3 そうジオン共和国を連邦の傀儡から解放するのだ」
仕官「久瀬指令、例の新型MS3機、そして極秘建造していた新型MAの搭載完了しました」
久瀬「私のバウの調子はどうかね」
仕官「はっ、指令のご希望道理に改良を施し旗艦の方に搭載済みであります」
久瀬「そうか 解かった」
艦長「しかし、指令 指令自ら出ることはないのでは」
久瀬「大将が前に出でこそ兵士たちに示しがつくのだ」
  「死ぬのが怖くて革命などできるか」
艦長「失礼しました」
久瀬「解かればよい 全艦に通達、旗艦を中心に宇宙輪形陣を取りサイド3に進撃する」
ここに久瀬の作戦が開始されたのであった。
サイド3に向かうジオン艦艇はザンジバル改1隻 チィベ改重巡5隻 ムサイ後期型15隻の艦隊であった。
それに対抗する連邦軍はサイド3駐留艦隊マゼラン改2隻 サラミス改6隻の2個戦隊であった。
連邦の劣勢は明らかであった。
 

次回予告


月の工場に到着した祐一達に待っていたのは懐かしい再会と新型のMSの姿であった。
そのMSの性能に祐一たちは驚くのであった。そこで祐一たちはMSのテストをすることになる。
一方そのころ、久瀬率いるジオン残党群はその戦力を持ちサイド3に駐留する連邦軍に対し戦闘を仕掛けてくるのであった。
その脅威が祐一達にも降りかかってくるのであった。


次回 0090 ジオンの亡霊 第4話『光と闇』


君はニュータイプの悲劇を見る。



続く



今日はプロトニウムです。0090ジオンの亡霊の第3話です。しかし、ガクッンとペースが落ちてしまいました。それもそのはず学業の方が忙しくなかなか書く時間がないのです。さて、グロムさんが文中で言っていた祐一君の父親のことのお話については、このジオンの亡霊が終了したら外伝という形で書きたいと考えています。決して、考えてないのではありません。0090と0079がゴチャ混ぜになりそうでかけないから後で書きたいなーと思っています。なんか、久瀬が異様にかっこよくなってしまいました。
たぶんあと5回ぐらいで最終回です。私のSSの書き方としては題名を始めに決め手から書くのでその題名にあった文を書いているつもりです。
まあ、次はついに明かされる新型の力、祐一たちの未来はと言う所でまた合える日を楽しみにしています。                
                    ―お願い―
・序章には書きませんでしたが、ここでプロトニウムからお願いがあります。わたしはSS書きの初心者なので、もしほかの作品を真似したのではないかと思われるシーンがあるかも知れません。もしそのようなシーンがあるようでしたらば、ぜひ教えてくれるととてもありがたいのです。できるだけ、そのようなシーンが無いように仕上げているのですが、もしありましたら感想と同時にメールにてお知らせください。できればその真似したと思われる、作品と作者名、ホームページ名等を書いてくださるとうれしいです。
私自身としては盗作等をしているつもりはありませんので、宜しくお願いします。
感想もしくは、文句などどしどしください。ウィルスはやめてくださいね(^v^)
           
                    ―お願い2―
・ストーリーの都合上どうしてもヒロインを傷つけてしまいますが,その辺は温かく見守っていてください。
もしかしたら、1人ぐらい死んでしまうかもしれませんがゆるしてくださいね。

機体要綱
AMX-107K バウ改(久瀬専用機)
・ネオジオン残党軍の指揮官である久瀬の専用機である。これといってカスタマイズされていないが分離システムを廃止し、機体の強度を上げ武装を強化したものである。ちなみに色は黒。久瀬の腹の中と一緒だ。
頭頂高/18.5m 本体重量/30.5t 全備重量/65.0t ジェネレータ主力/2410W
スラスター総推力/79.000kg アポジモター数/20 センサー有効半径/12.000m
装甲/チタンセラミック複合材+一部ガンダニウム合金
武装/ビームライフル×1 ビームサーベル×2 腰部60oバルカン×2 
ハンドグレネード×10 メガ粒子砲付シールド

RGM-86 ジムV:ジムUとネモのいいところをとり設計されたジムの最新型。性能自体は悪くはないが、主に火力支援用として用いられている。一応、連邦軍の主力MS。


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