新世紀エヴァンゲリオン Another Story






 愛が見えはじめたら 

 

 

 Presented by じろ〜






 第五使徒ラミエル撲滅戦ーヤシマ作戦ー以降、

 シンジとレイは急速にその仲を深めていった。

 シンジはエントリープラグから助け出すときに見せてくれたレイの笑顔に・・・。

 レイはそのときに泣きながら見せてくれたシンジの笑顔に・・・。

 そして二人で肩を寄せ合いながら、夜空に浮かんだ輝く月を見つめたときに・・・。

 二人はその時に同じ事を思っていた。

 そうか・・・、僕は綾波と一緒に生きていきたいんだ・・・。

 私は・・・、よくわからないけど碇君の側にいたい・・・。

 そして二人の視線が重なり合う・・・。

 「綾波・・・」

 「碇君・・・」

 「今は戦うことしかできないけれど・・・、それでも一緒に生きていこうよ・・・」

 「うん・・・、私も生きていきたい・・・碇君と・・・」

 二人は同時に微笑む・・・。

 二人の鼓動がシンクロしながら高まり合う・・・。

 段々とお互いの顔がゆっくりと近づいていく・・・。

 そして触れ合う唇・・・。

 言葉はいらなくなった。

 綾波を守りたい・・・。

 碇君を守りたい・・・。

 思いは一つだった・・・。

 この瞬間ゼーレの、ゲンドウの思惑が崩れていく始まりだった。






 シンジとレイはミサトとともにヘリに乗って海の上を飛んでいた。

 眼下の海に大きな軍艦が艦隊を連ねて航行している。

 オーヴァー・ザ・レインボウ、UNが誇る最大空母である。

 ドイツからエヴァ弐号機の輸送に当たっている。

 もちろんセカンドチルドレン、惣流・アスカ・ラングレーも同行している。

 本当ならレイは本部待機の筈だがシンジと離れるのがイヤだったので、

 ゲンドウの命令を無視して一緒に来てしまった。

 ラミエル戦以来、死海文書の事を知っているレイはゲンドウの命令を無視していた。

 それ以来レイはゲンドウの命令をすっかり利かなくなりシンジと一緒にいる事が多くなった。

 シンジから学んだことがレイの人としての心の成長を促していた。

 そしてゲンドウが自分を通して他の人を見てるのにも気づいた。

 おまけに、シンジがレイの事となると気が強くなりしばしばゲンドウに食ってかかる様になった。

 今ではもうシンジはゲンドウに対して全然卑屈にならなくなっていた。






 「あれがそうなんだ・・・、大きいな・・・」

 「私・・・船に乗るの初めて、碇君は?」

 「うん、僕も初めてだから綾波と一緒だね♪」

 二人して頬赤く染めて見つめ合う・・・。

 『全くいつでもどこでもこの二人は・・・』

 いちゃつく二人の横で葛城ミサトは内心ムカツいていた。

 『こっちは独り身が長いって言うのに・・・』

 思わずハリセンで叩きたくなったが大人気ないので止めていた。

 どっちにしろレイが張っていたATフィールドの所為で誰も邪魔できなかった。

 そんな一行を乗せてヘリは着艦した・・・。






 空母の広い甲板には黄色いワンピースを着た女の子が立っていた。

 「へロー、ミサト!久しぶり!」

 「アスカも元気そうね」

 「ところで来ているんでしょ?ファーストとサード」

 ミサトは不機嫌そうにして顔を横に向ける。

 そこには手摺りに仲良く並んで海鳥を見ていた仲睦まじいカップルがいた。

 「碇君、あの鳥なんて言うの?」

 「あれは海猫って言うんだ、ほら鳴き声が猫みたいでしょ?」

 仲良く海を眺めている二人の背後にアスカは近づくと声をかけた。

 「ちょっと!あんたたちがファーストとサードね?」

 シンジとレイは振り向くとアスカを見た。

 「あなただれ?」

 レイはいつものように表情を変えずに聞いた。

 「あたしは惣流・アスカ・ラングレー、セカンドチルドレンよ!」

 「そう」

 レイはそれだけ聞くとアスカを無視してシンジに話しかけた。

 「碇君、あれはなに?」

 「ああ、あれはイルカだよ」

 二人の前で船に平行しているイルカの群が海面をジャンプしながら泳いでいる。

 「私初めて見た・・・綺麗・・・」

 「そうだね・・・」

 またしても二人の世界に入るシンジとレイだった。

 もちろん無視されたアスカは怒ってシンジの肩を掴もうとしたが、

 レイのATフィールドで近づけなかった。

 「よくもあたしを無視したわね・・・覚えてなさいよ!」

 そこには拳が白くなるまで握りしめたアスカが立っていた。






 オーヴァー・ザ・レインボウ、ブリッジ。

 艦長に嫌みを言われて顔を歪めるミサトが書類を渡していた。

 そこに一人の男が手を挙げて入ってきた。

 「ヨッ、相変わらず凛々しいナ」

 「げっ、加持ィ・・・」

 さらにイヤそうに顔が歪んでいくミサトだった。

 ブリッジを出て、狭いエレベーターの中でミサトは加持に質問していた。

 「なんであんたがここにいるのよ!」

 「彼女の随伴でネ。ドイツから出張さ」

 「うかつだわ。十分考えられる事態だったのに」

 そんなやり取りの中でシンジとレイは狭いエレベーターで抱き合う形で乗っていた。

 「ごめんね、その・・・」

 シンジは顔を真っ赤にしてレイの耳元で呟いた。

 「いいの、イヤじゃないから・・・」

 レイもその白い肌を首まで赤くしてシンジの肩に頭を寄せていた。

 二人ともちょっと嬉しかった・・・。

 もちろんほかの三人は嬉しくない事この上なかった。






 狭いエレベーターから降りたシンジ達は士官食堂でお茶を飲んでいた。

 テーブルの下でミサトの足を自分の足でつつきながら話す加持。

 「今、つきあっている奴、いるの?」

 「そ、それがあなたに関係あるわけ?」

 顔を引きつらせながらそっぽを向いているミサト。

 「つれないなあ・・・」

 加持はシンジの方に顔を向けて話し出した。

 「君が碇シンジ君だね?」

 「どうして僕の名前を?」

 「そりゃ知ってるさ、この世界じゃ君は有名だからね」

 「何の訓練もなしにエヴァを実戦で動かしたサード・チルドレンてね」

 「しかも、すでに三体の使徒を倒している」

 「そんな・・・」

 「自慢してもいいんだよ、才能なんだよ君の」

 「僕はただ綾波を守りたかっただけだから・・・」

 シンジの隣に座っていたレイはシンジの手を取ると頬を染めて言った。

 「ありがとう碇君、とても嬉しい・・・」

 「あ、綾波・・・」

 見つめ合って二人の世界を作るシンジとレイに加持は苦笑いするしかなかった。

 反対にミサトとアスカは呆れて白けた顔をしていた。

 「ところで君は葛城と同居してるんだって?」

 「え、ええ・・・」

 「彼女の寝相の悪さ、直ってる?」

 爆弾発言をさらっと言う加持に、ミサトは顔を真っ赤にしアスカは目を丸くして驚いていた。

 「な、な、なにいってんのよ!あんた!」

 叫びながら机を思い切り叩いてミサトは立ち上がる。

 アスカはイヤ〜んなかんじのポーズで固まっている。

 「そりゃもうひどいもんですよ・・・よく寝ぼけて僕の布団に入り込むし・・・」

 「何か身の危険を感じる毎日ですよ、本当に・・・」

 「そ、そうなんだ・・・」

 赤裸々にミサトの寝相を答えるシンジであった。

 もちろんぼろくそに言われたミサトはその後テーブルの上でのの字を書いていた。






 艦外デッキに立つ加持とアスカ。

 「つまんない子。あんなのが選ばれたサードチルドレンだなんて」

 「しかし実戦で彼のシンクロ率は軽く40を突破したそうだ・・・」

 「うそ!?」

 アスカは驚いて加持の方を振り向いた。

 一方、シンジとレイは甲板の端っこで仲良く並んで座って話していた。

 「今日は初めて見る物ばかり・・・」

 「どうだった?」

 「イルカって綺麗・・・」

 「今度は海に遊びに行こうよ・・・」

 「うん・・・」

 「あ、でも僕泳げなかったんだ・・・」

 「私・・・得意だから教えてあげる」

 「ありがとう・・・綾波」

 仲睦まじい二人を見て甲板員達は、仕事何てやってられるかって感じで寝転がっていた。






 シンジとレイが艦内のエスカレーターで上がっていくとそこにアスカが立っていた。

 「サード・チルドレン!ちょっと、つきあって!」

 「なに?」

 「いいからきなさいよ!」

 「どうでもいいけどパンツ丸見えだよ・・・」

 慌ててスカートを押さえてシンジを睨むアスカだった。

 「見ないでよ!このスケベ!」

 「自分で見せてるくせに・・・」

 しょうがない奴と思いながら呟くシンジ。

 「五月蠅いわね!」

 「用があるならここで言ってよ」

 反らした胸に手を当てて自慢するように話すアスカ。

 「あたしの弐号機を見せてあげるから来なさいよ!」

 「自慢話は興味ないから・・・」

 そういってアスカの横をレイと一緒に通り過ぎていく。

 「むっきー!何なのよ、このあたしを無視してくれちゃって!」

 一人壁を蹴飛ばしてやり場のない怒りを発散させているアスカだった。

 その時、艦隊に異変が起こった。

 どーん!?

 そこには次々と船を破壊していく第六使徒がいた。

 アスカはデッキに出てそれを見ると一人呟いた。

 「チャ〜ンス!」

 そういってプラグスーツに着替えてエヴァに乗り込んだ。

 一方ブリッジは混乱していた。

 そこにミサトがやって来た。

 「ちわ〜、ネルフですが見えない敵の情報と的確な対処はいかがっスか〜?、

 これはどう見ても使徒の攻撃ですねぇ〜」

 しかし誰もミサトの言うことに耳を貸さないで慌てふためいていた。

 そこに通信が入る。

 「エヴァ弐号機、起動中」

 「ナイス、アスカ!」

 アスカは弐号機をジャンプさせると移動してミサトの所までやって来た。

 『見てなさいよ!ファーストにサード!あたしの実力を見せてやるんだから!』

 しかしその脇を一機のヘリが飛んでいく・・・。

 その窓にシンジとレイが写っていた。

 それを見たアスカが通信機に向かって怒鳴りだした。

 「ちょっと!どこにいくのよ?」

 「エヴァも無いし此処にいてもやることないから本部に帰るんだけど・・・」

 「さよなら」

 レイの呟きとともにヘリはその高度を上げて飛び去っていった。

 加持はその陰に隠れてフォージャーで飛んでいった。

 「こんちくしょー!!」

 綺麗な青空にアスカの叫びが響き渡っていた。

 その後、怒りまくったアスカが使徒を撲滅すると同時にシンクロ率の最高を記録した。






 ちなみにシンジはレイと本部施設のプールで水泳の特訓中の二人は・・・。

 「碇君、上手・・・」

 「綾波の教え方が良いんだよ・・・」

 「・・・ポッ」

 ほかに誰もいないプールで思う存分いちゃつきながら練習していた。






 つづくの・・・?


 読んでみた通りシンジとレイのあまあまストーリーです。

 なんかアスカやミサトがぞんざいに扱われているような気が・・・。

 まあほかに多くの人がアスカやミサトの話を書いてるからいいかな〜。

 でも私って思いつきで書いているような〜・・・。

 これを何とかしないと駄目かな?

 でも勢いがないと文章って書きにくいしなあ・・・。

 なるようになるかな、ははは・・・。

 じろ〜でした。

 


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