Kanon 電波的 Short Story
天使たちの集う場所♪
第一話「祐一の天使たち」
やあ、久しぶり。
えっ? 誰だか解らないって?
冷たいなぁ・・・俺だよ、俺! 相沢・・・違った、水瀬祐一だ。
早い物であれからもう十数年、俺の娘たちはみんなすくすく育った。
そんでもって今日は高校の入学式だ。
小雪、なゆ、佐緒理、命、香、志穂、美琴、真美の美少女八人だ。
なぜみんな同じ年か・・・聞くだけ野暮ってもんだ。
まあ所謂あれだ、この俺の節操の無い下半身がすべての大元だ。
はっはっはっ。
「う〜笑い事じゃないよ、祐一」
「なにっ、そうなのか名雪!?」
「そうだよ、祐一くんがいけないんだよ!」
「・・・うぐぅが何か言っているが、この際無視しよう」
「うぐぅ、酷いよ祐一くん!」
「ふふっ、聞こえんなあゆ・・・」
「はぁ・・・全然高校の頃から変わらないのね、祐一は?」
「おうっ、それが自慢だ、香里」
「成長していない証拠ですね、祐一さん」
「栞もな」
「そんなこと言う祐一さんなんて嫌いです!」
「そうか? 俺は栞を愛しているぞ♪」
「あはは〜祐一さんはやっぱり祐一さんですね〜」
「はちみつクマさん」
「もちろん二人も愛しているぞ、だから今晩食べてやる〜」
「きゃあきゃあ♪」
「かなり嫌じゃない」
「時と場所を考えてください、あい・・・祐一さん!」
「くくっ、怒ると昔の呼び方に変わるぞ、美汐」
「あう〜、美汐をいじめないでよ祐一!」
「解った解った、そう睨むなよ真琴」
ぐあっ、八人の綺麗で可愛い妻たちに責められてしまった。
しかし、みんな三十路を超えているのにほかの母親より若く見えるんだよな・・・何故?
「そろそろ始まりますよ、祐一さん」
「あ、すいません、秋子おかあさん」
「浮かれてしまうのも解りますが、もう少し落ち着いてください」
「は、はい」
「ふふっ、素直な祐一さんは好きですよ」
どきっ。
そう・・・一番不思議なのは秋子おかあさんなんだ。
どうして変わらないんだ?
再会した時からのまま、秋子おかあさんは美しく・・・可愛かった。
もしここが家だったら、遠慮なく押し倒したい所だがそんな事をすれば可愛い妻たちに
殺されてしまうのが見えているので涙を飲んで諦めるしかなかった。
コンチクショー! 可愛すぎるぜ秋子おかあさん!
「くすっ・・・私はいつでも了承ですよ、祐一さん」
「はい?」
・・・深く考えるのはよそう、だって秋子おかあさんなんだから。
これからは気を付けて誰もいない所で想像しないと危ないな・・・うん、そうしよう!
俺は心に固く誓って振り返ったそこには、冷ややかな視線を俺に向けている可愛い妻たちがいた。
「祐一、今変な事考えなかった?」
そのジト目は止めろって名雪。
「うぐぅ、祐一くんそれはダメだよ!」
いい年して泣くなあゆ。
「はぁ・・・節操無さ過ぎよ、祐一」
その心底呆れた顔はなんだよ香里。
「そんな事考える祐一さんなんて大嫌いですぅ」
座り込むんじゃない、栞。
「ふぇ〜佐祐理じゃ満足して貰えないんでしょうか?」
悲しそうな顔しないで、佐祐理。
「祐一、佐祐理を泣かすな」
け、剣を出すんじゃない、舞。
「そこまでとは思いませんでした、祐一さん」
その軽蔑の眼差しは止めてくれ、美汐。
「あう〜、祐一のすけべっ!」
こらっ、石を投げるな、真琴。
「ぐあっ」
一方、騒いでいる俺たちから少し離れたところに一緒にいた我が愛すべき娘たちは・・・。
「またやっているよ〜お母さんたち」と小雪がため息をついて呟く。
「まったくおとうさんもしょうがないよね」となゆがたい焼きを食べつつ喋る。
「我が親ながら呆れちゃうわ」と本当に呆れた顔でため息をつく香。
「でも、みんなお父さんが悪いってお母さん言っています」と志穂が相づちをうつ。
「あはは〜でも佐緒理もお父様みたいな人と結婚したいです〜」と、母親そっくりの口調と顔の佐緒理。
「私も・・・祐一パパがいい」と頬を赤くして頷く命。
「もう少し大人になってくれないと困ります」と物腰が優雅な真美。
「けんかするほど仲が良いって証拠だと思うけど・・・」と肉まん頬ばりながらフォローのつもりな美琴。
大多数が呆れていた、ううっ・・・父親としての尊厳が無くなっている。
しかし、佐緒理と命は優しいなぁ〜・・・お父さんは猛烈に感動している、じーん!
よし、今度一緒にお風呂にでも入って背中の流しっこでもするか♪
美琴には肉まんをたらふく食わしてやろう♪
後は・・・お小遣いカットだな。
でもこうして見ているとあのころの妻たちとみんなそっくりだ、これで俺にそっくりな奴がいたら笑っちゃうぞ?
「やべっ、遅れちゃったよ!」
と、一人の男子生徒がぼやきながら校門の方から走ってきた。
えっ?
俺はなにげにそいつの顔を見てびっくりしちまった。
お、俺とそっくり!?
ふと目が合うとそいつは俺の方に向かってきた。
な、なんだ?
「こんにちは、祐一さん」
「は、はい?」
「えーっとそうそう、家の親父がお世話になっています」
「親父?」
「はい、よく親父が言ってたのですが本当に俺たち似てますね」
「君は一体誰なんだ?」
「俺の名前は折原浩一です、これで解りますか?」
「折原の息子か! なるほど・・・そう言えば自分の息子が俺にそっくりだと言ってた様な・・・」
「ああよかった、一応今年からここに通うことになりました」
「そうか、それじゃ家の娘たちと同じだな・・・こちらこそよろしく」
俺たちは軽く握手をかわす。
しかし本当におれそっくりだな・・・ん? それってなんだか・・・あれ?
「それじゃ俺、先に行きます」
「あ、ああ、折原によろしくな!」
「はい」
なかなか良い奴だな、あれなら家の娘を任しても・・・んっ。
そくっ。
な、なんだ? もの凄い殺気が俺に突き刺さるのは気のせいじゃ無い!
振り向くのが怖いぞ、俺が何をした?
「祐一、そっくり過ぎだよ〜」
「うぐぅ、うり二つだったよ祐一くん」
「祐一、怪しいわね・・・」
「そんな祐一さんなんて本当に大嫌いですぅ!」
「ふぇ・・・佐祐理、悲しくなってきました」
「祐一、佐祐理泣かすなと言った」
「もう何も言いたくありません」
「ばかばかっ、祐一のばかーっ!」
「な、何誤解しているんだよ、おまえらっ!?」
妻たちの真剣な眼差しをきっと睨み返して俺は・・・すたこらさっさ〜♪と逃げ出した。
「「「「「「「「待ちなさい、祐一(くん、さん)!!」」」」」」」」
俺は後ろに向かって・・・いや、明日に向かって前進を始めた。
日本には素晴らしいことわざが有る、うむ。
『逃げるが勝ち』
俺は実践に移してみた・・・何という素晴らしい作戦だ!
これからも使うことを俺はためらわないだろう。
おっとゆっくりしている暇はない、諸君また会おう!
唖然として俺たちの騒ぎを見ていた我が愛すべき可愛い娘たちは・・・本当に呆れかえっていた。
「行っちゃった・・・今日何の日だか忘れちゃったのかな?」
「うぐぅ、誰もいないよう」
「はあぁぁぁぁ・・・・・・」
「お父さんもお母さん嫌いです」
「ふえ〜入学式どうするんでしょうか?」
「ぽんぽこタヌキさん」
「あれでも・・・私たちの親なんですね」
「あう〜どうするのよ!」
と、みんなは困った顔していたら救いの手はやはり水瀬家の女神から救いが差し伸べられる。
「さあみんな、もう時間だから行きましょう♪」
一同、秋子さんおかあさんの微笑んだ顔を見て頷き合う。
「「「「「「「「は〜い(こくこく)」」」」」」」」
ありがとう秋子おかあさん、このお礼はいつか必ず!
「体でも宜しいですよ祐一さん、ふふっ」
ぐあっ。
つづく。
電波的SSが連載になっちゃった(笑)
どうしよう?
しょっちゅう電波来てる訳じゃないからなぁ・・・うぐぅ。
まあ、不定期連載になるでしょう、何せ電波次第だから・・・。
第二話「親ばかと思い出の場所」
いつになるか解りません。
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