ACE COMBAT V electrosphere

 
ANOTHER STORY






 翼を持つ者 



 第三話 「仲間






 一輪の花に群がる蜂の様にハリアーは挙ってレナの操るフランカーに襲いかかった。






 どこまでも青い空をまるで泳ぐように上っていくレナに追いつくために襲撃者は機体にむち打って力を吐き出させる。

 16対1と言う状況が機体の差など忘れさせてしまったのか、愚かにもその事に気が付いた時は炎に包まれていた。

 まんまとレナの誘いに乗って高々度に来てしまったハリアーは無様なほど鈍い動きでただのターゲットと同じである。

 「これで3機・・・くっ」

 横から襲いかかる機銃弾を機体を捻り難なくかわしてレナは次の目標に狙いを定める。

 レナの目が頭が体が・・・そして勘が自分を生かすために最高の働きを見せる。

 瞬く間に次の敵機がフランカーのバルカン砲の銃弾を浴びて四散して落ちていった。

 「次」

 焦ることなく的確に機体を操るレナは奢ることなく淡々と自分のやるべき事をこなしていく・・・生き延びるために。

 そして仲間が落とされていくのを見てた敵機の中にもレナの作戦にはまったと思う者も何機かいたが、

 今更背中を見せるのは落として下さいと言ってるような物であるため否応なしに戦うしかなかった。

 だが、目の前の敵機は最新鋭のフランカーで有り、とてもハリアーVで叶うわけでも無かった。

 しかしそれでも彼らには戦うしか選択肢は無かったのである。

 後は運任せだと口走りながら敵のパイロットはレナのフランカーに攻撃していった。

 例えそれが絶望しかないと分かっても・・・。






 一方、ホーク達地上攻撃部隊は目的地まであと少しの所まで近づいていた。

 今回はSARFのメンバー以外に通常の航空部隊を攻撃部隊に編成しているため、それぞれ三機ずつ部下に従えて

 小隊を組んでいた。

 そのため地上攻撃用の武器は部下に装備させており、こちらは対地ミサイル二発以外通常の兵装である。

 「こちら地上攻撃部隊、目標まであと7分」

 今回は地上攻撃の為その能力が高いフィーが編隊のリーダーを勤めていたのでコントロールに、無線を封鎖する

 最後の報告をした。

 「こちらコントロール了解、なお先行したレナ機より通信途絶、現在敵迎撃部隊と交戦の模様注意されたし」

 「何だって!?」

 その無線を聞いていたエリックが驚いて声を出したがホークはスロットルを全開にしてアフターバーナーを点火して

 フル加速で編隊から飛び出していった。

 「ちょっとホーク、どうする気なの?」

 「俺の小隊はフィーに任せる、後よろしく!」

 「お、俺も行くぜ」

 「駄目だ、フィーは編隊の指揮を取らなきゃならないし、それにエリックは部隊の援護をしてくれないと不味いだろう」

 それだけ言うとホークは無線をカットして今戦っているレナの所に向かっていった。

 あっと言う間に小さくなっていくホークの機体を目で追いながらフィーは何となく呟いた。

 「ふ〜ん、やっぱりそうなのかなぁ・・・」

 「何がやっぱりなんだ?」

 フィーの呟きにエリックは気になって聞き返した。

 「ホークって結構情熱的なのね♪」

 「なんだそりゃ?」

 「見たままじゃない? あの行動力なんて正にそのものね!」

 「行動力って・・・ああっ、まさかあいつ!?」

 「ふふっ、エリックの負けね」

 「くっそ〜っ・・・ホーク! 基地に帰ったら憶えてろよ〜!」

 エリックの空しい叫びが大空にこだましていたがホークに聞こえるわけがなかった。






 「はぁはぁ・・・これで、8機」

 旋回しながら次のターゲットに機首を向けるレナの呼吸は少し荒くなっていた。

 彼女は一つ忘れていた。

 それはフランカーの性能が諸刃の剣であると言う事を・・・。

 今度はそれが彼女の体を確実に痛めつけ始めていた。

 敵機に囲まれたまま旋回と急速反転など限界のG(重力)を体に掛け続けたためレナの体力は確実に失われていった。

 それでもスティックから手を放さずに的確にHUD(ヘッドアップディスプレイ)に捉えていった。

 「そこっ」

 カチッ。

 レナの指がトリガーを引くとフランカーから火線が走りサイトの中の敵に吸い込まれていく。

 そしてそれに合わせてコクピット内のバルカン砲の残弾カウンターが目まぐるしく回転していった。

 ドカッ。

 機体の破片をまき散らしながら長い煙の尾を引いてまた一機墜落して行ったが、それには目もくれずレナは次なる

 標的を求めて機体を踊らせた。

 「はぁはぁ・・・これで・・・はぁ、9機」

 疲労のため呼吸は乱れていたが、レナの瞳はまだ輝きを失っていなかった。






 ホークは無言のまま機体が震えるほど全速でファントムを飛ばしていた。

 ほんの少し前からレーダーにはレナと敵機を捕捉していたがまだ目で視認できる距離では無かった。

 「後、少し・・・」

 その呟きに応える様に視界の角で爆発の閃光を捉えることが出来た。

 「見えた!」

 そしてホークの目の前で敵機に囲まれながらも鮮やかな動きで敵を翻弄しているレナの姿がそこに在った。

 「この野郎!」

 ガガガガガガガッ。

 ホークは目の前を横切ろうとした敵機にたっぷりと弾丸をお見舞いしてやった。

 ドカン。

 燃料タンクに当たったのか爆発して粉々になって敵機は落ちていった。

 「レナ!」

 その時レナも敵機を撃墜しながらその声を聞いた。

 「はぁはぁ・・・ホーク?」

 そしてその声を聞いたレナの顔に安堵の表情が浮かび自然と笑顔に変わった。

 しかしレナの後方にその一瞬の隙をついて敵機が二機張り付いた。

 「くっ」

 自分の位置からだと今からレナの後方に回り込むのは時間が掛かると踏んだホークはレナの正面にコースを

 変えて無線機に叫んだ。

 「レナ、俺の合図で上昇しろ・・・3、2、1、今だ!」

 ホークの指示通りにレナはスティックを引いて急上昇を掛けるとホークは自分の機体をロールさせて

 更に螺旋を描く様に突っ込んでいった。

 通称”バレルロール”と言う技である。

 「落ちろ!」

 ドガガガガガガッ。

 ファントムのバルカン砲がホークの声と共に唸りを上げると二機のハリアーは機体を穴だらけにして火を噴いて

 地面に向かって落ちていった。

 気を抜かずに次の標的を探したホークだが、残った敵は今の攻撃を見て慌てて戦闘中域から離脱して行ったのが

 レーダーで確認できたので、追うのは止めて上空に待機していたレナに近づいていった。






 「大丈夫か、レナ?」

 「はぁはぁ・・・」

 「レナ!」

 「ホ、ホーク・・・」

 「いいか良く聞いてくれ、燃料の残りはどのくらいだ?」

 「燃料は・・・何とか基地までは・・・いけると思う」

 何故ホークはそんな事を最初に聞いたのか?

 それはこれだけの戦闘時間を全力戦えば燃料を大量に消費してしまうからである。

 「まずいな・・・」

 思ったより深刻だとレナの言葉から感じていたホークの耳にフィーからの連絡が聞こえた。

 「聞こえるホーク? お待たせ!」

 「フィーか?」

 「俺も居るぜ」

 どうやら急いで来たらしくて到着時間が少し早かったので、ホークは後を任せてレナを連れて基地に戻る事にした。

 「フィー、エリック悪いがレナを連れて基地に戻る」

 「OK、こちらは任せて! レナをお願い」

 「ホーク、ちゃんと護衛しろよ!」

 「任せとけ」

 そしてホークは再びレナに呼び掛けた。

 「聞いたなレナ、基地に帰るぞ」

 「・・・了解」

 ホークは翼を振って仲間に挨拶してから旋回して基地に戻るコースに機体を乗せると、レナを伴ってその高度を

 保ったまま飛んで行った。

 そして残ったフィーとエリック達はレナの活躍で敵機が居なくなったので、基地に備わっている対空兵器のみに注意する

 だけでよかった。

 もちろんこの作戦は目標を完全に破壊して更に味方に一機の損害もなく大成功だった。







 NEXT 翼を持つ者 第四話 休息


 お待たせしましたの第三話です。

 この話でようやくゲームにおけるMISSION2が終わりました。

 次は休日の話になりますが、ちょっとほのらぶ入ります。

 どたばたもありかな?

 さて今回ホークが使った技はバレルロールと言う敵と正対した時結構有効なです。

 ただ機体をロール(回転)させるだけじゃなくて螺旋運動も入ります。

 簡単に言うと螺旋階段を下りる様な動きで相手の攻撃をかわしつつ攻撃します。

 次は戦闘シーン無いのでごめんね。


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