澤木耕太郎の深夜特急に対抗して田中善人のアマゾン特急 |
第一章
12撃T日(土)
5桙T5分起床。
いきなり寝坊からnまった。 6桙ワでに空港へ行かなければならなかった。
ザックの中に着替えとカメラを詰め込み、シャワーを浴びてスクランブル発進。
この間わずか10分。相変わらずこの早さだけは我ながらすごい。
空港へ6桙P5分に着くが、朝っぱらから異常な混み具合。
チェックインカウンターには長ヨの列。
幸いゥ分の乗る飛行機はブラジル、アルゼンチンとつなぐ国際便となっていた
ためチェックインカウンターは特別に分けられていてすぐにチェックインできた。
出発30分前、これで飛行機に無柾謔黷驍ニ安心したら大間違いであった。
空港g用料をx払うカウンターが100人以上の大行列だった。
もう完全に間に合わない。 しかし列の最後尾へと並ぶ。
出発10分前となってもまだまだ長い列が続く。
空港ロビーに最終の搭乗案内が流れた。 すると何やら俺意外にもまだかな
り飛行機に乗り込んでいない人がいるようで、空港g用料をx払う特別カウ
ンターが設置された。
何とか空港g用料をx払い、飛行機に乗り込むと、5分もしないうちに機体は動
き出した。間一髪セーフであった。
今回の旅の目的地はサンタクルスから乗り換えてブラジルの国境の町プエルト・スアレ
である。サンタクルスの空港へは朝8桙ノは到着していたが、プエルトスワレ行き
の飛行機は15:30発だったので空港を出てサンタクルスs内へと向かった。
何故か朝から動物園へ行った。アマゾンとアンデス特有の動物ばかり集めている
と聞いた魔ェあったからだ。日本にもありそうな動物園であったが、園内に馬やサ
ルが野放しされていて、小動物をカバンの中入れてもって帰ってしまう客がいるとこ
ろはボリビアらしかった。
その後、昼食を食べてから公園のベンチに寝転び昼寝をしていた。
目を開けると頭の木の上にはナマケモノがぶら下がっている。
急にスコールが降ってきた。雨が~むのをまっていたが、一向に~まないため大雨の
中空港行きのバスに乗り戻った。
飛行機も定刻通りに飛立ち1條ヤ15分後、目的地プエルトスワレに着いた。
ここはまだボリビアだというのに、飛行機で降りた人はほとんどブラジル人であった。
飛行機から下される荷揩ツを待つ。一台荷物が満載されたカートがやってくると、s場
で物を売るかのように、「それは、рフ! あのダンボールはこっちだよ!」といった威
勢の良い声で賑やかになる。係員は一人一人に荷物を闢nす。
俺の荷物は一向に出てこなかった。トランジットのため飛行機の奥の方に積まれている
のだろうと、その荷物のけ渡しされる光景をのんびり見ていた。
最後のカートがやってきた。このカートにゥ分の荷物があるとは随分と運が悪い物だとv
いながらゥ分の荷物が出てくるのをまった。
全ての荷物が降ろされた後もゥ分の荷物が出てこない。一瞬血の気が引く。
cっていた囲の人々も顔色が変り、同様に荷物がないようだ。
荷物はこれで全部、もし届いてないなら航空会ミのカウンターへ行ってクレームを言って
くれと言って荷物をけ渡す人はd魔終えると消えてしまった。
5、6人だっただろか、航空会ミのカウンターへ一斉にクレームに行った。
どうやら、荷物はどっかに消えてしまったようだった。
みんなスペイン語で怒って航空会ミに抗議しているが、俺はゥ分の言いたい魔フ10分の
1も表現できなかった。一人一人紛ク届を書くためのオフィスに通され、荷物の内容などの
ソ問があった。俺のザックの中身は、カメラ、隠しポケットには現金が入っていた。
被害総額は今回に限って朝の慌ただしさで、ザックの中にすべての物を入れてしまってい
てカメラで20万以上、現金4万程度、ザック、サングラス、アーミーナイフに小物を混ぜると
ざっと30万以上になっている。
朝の余裕の無さから、ここまで影響してしまうのだろうと、反省する。
荷物の軌跡をたどって、見つかれば氓フ日の同じ便で輸送されてくるという魔ナ、氓フ日の
同じ條ヤに来てくれと言われとりあえず空港を出ることにした。
完全に閧ヤらの状態。しかも財布の中身は100BsD(2500円)と小銭のみ。
空港から町への交通はタクシーしかなかった。タクシーの運ちゃんに値段を交渉するが20
Bs(500円)。ということは明日また空港へ戻るためには20Bs必要となる。
差し引き60Bs(1500円)で一日生活しなければならないようだ。
タクシーの運ちゃんに安そうな宿まで連れて行ってもらった。
この町の宿は5件のみらしい。宿を探すために町を歩く。
一軒目の宿の値段をたずねると20$。もちろん論外。そんなに金はない。
二軒目60Bs(1500円)、何だかこの町はブラジルと面しているため物価が高いようだ。
大体相場はそんな感じであった。俺の予Z兼全財Yは60Bs(1500円)だった。
今日は野宿でもするかなどとvいながら看板もない宿ような建設中の建物へと入った。
フロントがあり宿泊できるようだった。値段を聞くと50Bsと一番安かった。
チェックインした。
宿代をx払うと、明日までの生活費は10BsD(250円)と小銭になっていた。
腹が減った。暑いし喉が渇いた。シャワーで汗を流した後、夜の町へ出た。
数十メートルも歩けば汗が噴き出る。
屋台では|そうな大きな骨付きの焼き鳥を焼いている。お腹がグーグーとなる。
しかし今日、金をgってしまえば氓フ日は一文なしだ。我慢、我慢。
今日の昼飯はしっかり食べているのだ・・・っとゥ分を説得する。
暑くて暑くて、水分だけは補給しなければとvい、水を買おうとすると5Bs(125円)。
のこりの金は10Bsだったので買うのをためらう。
同じ店にボリビアでは見た魔フないブラジルビールがあったので、値段を聞くと2Bs
(50円)。
水よりビールの方が安いではないか。
迷わず缶ビールを二本買った。ビールにはやはり焼き鳥である。
先程の屋台に戻り、焼き鳥の値段を聞くと一本2.5Bsでかなりのボリュームがあった
ので、買ってしまった。
缶ビール2本と焼き鳥一本をもって、閉まった店先に座り込み一人で晩`をnめた。
ヒッピーに見られたか、人々は俺の前を遠ざけるように歩いていった。
この桙フ焼き鳥とビールはどれだけ価値があったか言葉が見つからない。
合計6.5Bs(150円程度)でどれだけ心に安らぎを得られただろうか。
スペイン語も通じないようなボリビア最果ての地で路上に座り込み焼き鳥を食べている
と、何桙フ間にか蚊やゴキブリに囲まれ、目の前にはヨダレをダラダラたらし野良犬がとぐろ
を巻いていた。
ボリビアは世界で一番の狂犬病の流行国である。狂犬病の犬に噛まれた場合、一週間程
でんでしまう。
久しぶりに、もうどうにでもなれといったような感情が湧いた。
ビールを飲みながら星空を見上げ、しばらくボーッとしていた。
ここはボリビア、最果ての地、こんな梺Nに頼って良い物なのだろうなどど考えたりしたが、
誰も頼れる人は浮かばなかった。近くで知り合いのいるサンタクルスはここからジャングルの
中1000Kmも離れている。
宿に戻ることにした。何千というゴキブリが宿の入口の灯りに集まっていた。
部屋に入ると、外では音楽で賑やかだった。昼間は気付かなかったが、この宿はダンスホー
ルの真横であった。しかもゥ分の部屋はその最短に位置している。
そこから聞こえてくる音楽は腹に響くほどすごく、ダンスホールにいるのと変らない状態であっ
たであろう。
シャワーを浴びてベットに横になる。体に熱があるのを感じる。朝、喉が痛かったが発熱してし
まったようだ。
おかげで、うるさい音楽の中、気絶するように眠っていた。