第2章
午前3時過ぎ、激しい吐き気と腹痛のために目をさます。となりのダンスホールは
変らず盛り上がっていた。トイレに駆け込み、1時間ほど苦しんでいたが上と下の
両方から胃の中の物をだしたためその後は回復した。
やはり、あの屋台のジャンボ焼き鳥があたったようだ。
再度寝ようとするが今度は音楽がうるさくて寝れなかった。
明け方5時ぐらいになると音楽も止み、その後、気温の上がる前の数時間熟睡した。
暑さのため、目が覚める。
水シャワーを浴びて体温を下げてはベットで休み、汗がまた噴き出すとシャワーを
浴びるということを繰り返した。部屋の窓から馬がこちらを覗いている。
下痢と汗でほとんど脱水症状になっていたので水を買いに外へでた。財布の中の小
銭で水を買って公園で休んでいると、昨日空港で同じように荷物の届かなかったブ
ラジル人にばったりあった。
「宿の人の話だと、今日は飛行機はこの町には来ないらしい。」と彼に言われ、呆然とした。
しかし昨日航空会社の人が今日の飛行機で来ると言ったのだから今はそれを信じよう。
どう考えても結果は同じであるのだから、それまで良い方に考えていた方が無駄な神経を使
わなくて良いに決まっているのだ。
夕方4時に空港に向かった。タクシーに値段交渉すると10Bs。行きの半額???
くっそーーあのオヤジ、よりによってこんな時にボリやがってと笑ってしまったが、10Bsもあれ
ば昨日の晩、焼き鳥をあと4本も食えたと考えてしまった。
しかし、そんなに食べたらもっと大変なことになっていただろうから結果オーライだったのであろう。
空港のカウンターへ行き、係員に話しかけると名前を聞かれ、書類の中から名前を探し始めた。
しばらくすると、係員が頷ずき荷物は見つかりましたと嬉しい返事が返ってきた。
思わず顔がニヤケて、グラシアスと言ってしまった。
飛行機が着くのを外で待っていると、無事に飛行機は着陸した。
足元をもぞもぞした何かが突付くので、下をみるとなんと30cm近くある巨大な黒いタランチェラ
(大クモ)であった。さすがアマゾンなどと思いながら荷物が降りてくるのを昨日と同様に待った。
一台ずつカートが運ばれ、威勢の良い声が飛び交う。
しかし俺の荷物は一向に出来てこない。また、最後のカートのみとなった。
祈るような気持ちでカートから下される荷物に注目していた。そしてよりによって最後の最後の荷物
に緑のザックがあった。文句は言いません、あれば良いのです。
昨日と違って謙虚な気持ちで荷物を受け取った。
ザックはずっしり重かった。カメラは盗まれていないようだ。ザックの中を確認すると、カメラ、現金など
全て無事にあった。
これで全てが揃った。一日遅れの旅が始まった。