ボランティアとしての生活水準とは?

ボリビアに来る前のこの国のイメージは人々は民族衣装をまとい、土で作ったブロックを積み
上げた家に住み、食料もなく乾燥いもと乾燥肉を食べ、交通手段は馬車、このような感じだっ
た。実際来てみてラパスやコチャバンバで生活したホームステー先は、白人がアメリカのビバ
リーヒルズのような大豪邸に住み、先住民のインディオ達をお手伝いとして使い明らかに身分
階級が存在する社会であった。ボランティアでありながらこの上層階級にお世話になり何不自
由ない生活をしていて良いのだろうかと感じ続ける日々であった。


ボリビア人

ボリビア人の印象は、とてもまじめで、優しく、思いやりがあるといった感じである。相手に対し
ての気の使いかたは、学ぶところが多い。ルールがない変わりに思いやりで人間関係が成り
立っているように思える。会社においては、上司に対する堅実さは日本に近い物がある。しか
し会議の議論の時などは激論を交し上司を熱くさせることは頻繁。最終的に上司の一言で統
制がとれているのであるが、上司も部下の意見を聞きいれようとする姿勢が伺える。仕事が終
わった後の飲み会では上司も部下も関係なく、友達のような雰囲気でゲームをしたり歌を歌っ
たり踊ったりするところは南米の雄大さを感じる。


ボリビアの家族

ボリビアの家族の絆は深い。これは、昼食を家族そろってする所からきていると思う。昼に家に
戻ると家族同士でも握手をし、調子はどうだと挨拶を交す。大きなテーブルを囲みみんなで食
事をしながら色んな話題で盛り上がる。ラパスで滞在していた家族は週末の昼食時は必ず手
をつなぎお祈りをしてから食事をした。家族におけるコミュニケーションが社会における人間関
係の基本になっていると強く感じる。
また、昼食時、特に面白いと感じることは突然誰かが遊びに来ても当たり前のように一緒に食
事をする事。いったい何人分の食事が用意されているのか不思議に思うことがある。例えば家
族6人で食事をしていると、突然誰かが遊びに来て食卓を囲む。またその人とは全く関係ない
知り合いがやって来て食卓を囲む。しまいにはお客さんの方が家族よりも多くなる時がある。こ
の誰でも歓迎して受け入れる南米気質のおかげで、異国人である我々も何処にいってもすぐ
に馴染むことができ、楽しい毎日が送れる。


日常の食事

まずボリビアの食材で美味しいと感じるものは、パン、ジャガイモ、豚肉、鶏肉である。
ボリビアで日常食べられているパンは日本のメロンパンが少し薄くなったような形で色、味など
は、日本のハンバーガーで使われるパンをイメージしてもらえば良い。パンに何も付けなくても
味があってとても美味しい。
鶏肉は頭も足もついたまま売られ、各家庭で魚をさばくように解体されているようだが、自分は
まだ挑戦した事がない。豚肉は日本の物より味が濃い気がする。豚肉や牛肉は市場にて数キ
ロ単位のブロックで売られていて日本のような薄切り肉は存在しない。また、肉を冷凍する事
もあまりないらしく、市場の肉屋街では新鮮な肉から変色して異臭を漂わす肉まで様々な物が
売られている。
いままでのボリビア料理の中で一番抵抗があった食べ物は、コネホとよばれるネズミのような
食べ物であった。どう見てもネズミにしか見えないのだが、ネズミはラトンとよばれ異なるようだ
。しかし辞書でコネホという単語を引いてもネズミの一種と書かれてあった。
このコネホの調理方法がだが、お腹を割いて開きにして、頭、手足、尻尾などそのままの状態
で調理される。そして頭の皮も鼻の部分も食べ、最期は骨のみとなる。

簡単に一日の食事の雰囲気を説明すると、朝はパンと紅茶又はコーヒーにチーズ、マーガリン
、ジャムと軽食。もっともウェートが置かれるのは昼食で、まずサラダ、次にジャガイモ、米、麦
、ニンジン、肉などが入ったボリュームあるスープ、次は肉料理に、米、こふき芋などの乗った
お皿が出てきて、最期にデザートとしてマンゴ、ブドウ、りんご、パパイヤなどのフルーツといっ
たフルコースである。昼食の後、夕方にはTesito(テシート)と呼ばれるパンと紅茶に、クッキー
などのおやつを食べる。、夕食は8時か9時頃、肉料理やスパゲッティを食べて一日が終わる
。私のいるコチャバンバの人々は、特に良く食べる事で有名で農業などを営む人々は一日五
食も食べるらしい。
ボリビアの食生活で一つ残念なのが、ボリビアには海がない事から魚を食べる事が少ないこ
とである。たまに食べる魚も川魚で少々泥臭い。それでもニジマスを塩焼きにして醤油をたらし
て食べると自分にとっては最高のご馳走となる。


一日の過ごし方

朝は7時に起き、まずシャワーを浴びる。家族はまだ寝ているので朝食を一人で済ませて7時
45分に家を出る。徒歩1分の所でバスに乗り5分〜10分程、バスに揺られた後、職場のある
ビルの前でバスを降りる。
仕事は8時から始まり、通常ボリビア人は時間にルーズと聞いていたのだが現在の職場はみ
んな時間に厳しく日本のように5分前には席について仕事をしている。早い人は30分前から
仕事をしているようだ。午前の仕事は12時までで、その後家に戻り昼食を済ませる。昼食後3
0分程昼寝をして、また職場に向かう。午後の仕事は14時から始り、就業は定時では18時ま
でであるが、若干名、20時か21時頃まで残業をしているので私も言葉によるハンディーを補
うため残る事が多い。仕事を終えた後は、金曜の夜以外は会社の付合いはなく家に帰る。
家に21時半頃戻り、家族は食事を終えているので一人で食事をするが、横で家族が話し相
手になってくれる。食事が終わると、こちらで始めたギターを練習したり、週に何度か家族やそ
の友達とトランプをしたりする。
23時頃自分の部屋に戻り、24時頃に寝る。


余暇の過ごし方

休日は予定のない日は昼近くまで寝る。昼食までの時間は毎週土曜日は部屋を掃除すること
にしている。休日の昼食はホームステー先の親戚一同が集うので会話がはずみ長めの食事
となる。昼食後、昼寝を少々して町に買い物にいったり、ギターを練習したりする。
趣味が写真なので、カメラを持って町に撮影に出向くが、36枚フィルムを現像しプリントすると
1500円程かかるため、現在の生活費に対してかなりの負担となり、あまり頻繁には撮影に
は行けない。
休日に、ともに過ごすようなボリビア人の友達は残念ながら、まだいない。どこかに出かける場
合は同じ協力隊隊員同士か、隊員+ホームステー先の家族といった感じである。休日の時間
の過ごし方を少し改善する必要があると感じている。日本では週末には毎週草野球をして汗を
流していたので、こちらでも野球チームにでも入り、ともに汗を流せる仲間を作りたいと思って
いる。
最近、面白いと感じる時間の過ごし方は、行き先不明のバスに乗って市内をさまようことであ
る。


治安について

ボリビアは南米ということで、治安に関してかなり悪いであろうという先入観をもっていたが、過
去旅行経験のある、アジア諸国、アラビア諸国よりも平和だと感じる。この国では日本人を見
れば寄ってくる、うるさい物売りや詐欺師、ぽん引きなどにひつこく付きまとわれずに済む。
この国では「いらない」と一言、言えばあきらめてくてる。
途上国の人々特有の、がめつさ、ひつこさ、良く言えばハングリーさを感じない。そういう部分
では治安が良いと感じる。しかし、スリや置き引きなどは、自分が注意していないと簡単に被
害にあってしまう。
市場などの人込みでは、カバンのチャックを開けられたり、ズボンの後ろのポケットに財布を入
れて30分も歩けば必ずスリが手を伸ばしてくる。私が被害にあったケースを参考までに書くと
市場を歩いていると、いつの間にか服にツバやケチャップをつけられていて、一人が親切そう
に汚れていると教えてくれる、それに気を取られている内に他の人が物を取るという手口だっ
た。必ず3,4人のグループ犯罪である。。
全体的にはボリビアにおいては、凶悪犯罪等が少なく、日常生活において犯罪に対する精神
的ストレスは少ない環境にあると感じる。


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