9thNight
Endless Nightmare


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藤沢の命は、辛うじてこの世に留まっていた。
沢木と同じ病院に担ぎ込まれた藤沢には、葵が付き添っている。
…案外死ぬか生きるかの境目なんて、そんなものかもしれない。
沢木にはいなかったからなぁ…。

そうそう、藤沢の事故の話は、もう横浜中の知るところになっているようだ。
あの後警察が来る前に現場から逃走した、翔が相手だった事も。
今やBLRの赤碕と言えば、死神とか悪魔とかいうのが一般的な認識みたいだ。
それなりに相応しい評価とも言えなくもないけど。


それは置いといて、翔は【声】の正体を突き止めるべく、箱根行きを決めていた。
織田が藤沢に話さなかった、横浜最速伝説の秘密。それを聞けば、或いは何かわかるかもしれない。
とか言いながら、本牧埠頭に顔を出す翔。まだ石川兄弟を気にしているのか?


石川弟「…………赤碕!! オレと走ってくれ…………」

はあ?話がよく見えないんだが…。

石川弟「オレ……おまえに話さなきゃならないことがある……」

話せばいいじゃん。なぜ走る?

石川弟「…………オレ、間違ってた……。オレ、根っから純情だから……。
『カタハ』の兄貴にはついていけない!兄貴のやってる事は、オレ、理解できない……」


根っから純情かどうかはともかくとして、ヤツの行為が理解できないのは人類共通だろう。

「おまえたち……………いったい何をしてきた? おまえたちの『ショータイム』……
それがすべてのはじまりだった。そうじゃないのか……?」


石川弟「見ろよ……ここ本牧埠頭……オレたちは代々ここをNRのたまり場として受け継いできた。
それが今じゃ……チーム辞めるヤツが多くて……どんどん仲間が減ってるんだ」


いい事じゃないか。
本来埠頭というのは、海陸輸送の転換が行なわれる港湾施設の中でも、最も重要な部分だ。
走り屋のたまり場にするために、莫大な費用をかけて建設したわけではない。

「……今のこの事態がおまえたちのショータイムの結果なんだろ……?」

石川弟「ショータイム…………最初はただの兄貴の口癖だった……。
兄貴は今夜、HIGHWEY AREAの
関東最速UNITの結成会に参加してる。
今なら……おまえに話せる……」


ああ…そういや以前健三が、石川弟から何か聞いたとか話していたような……。
…で、だからどうしてBattleしなけりゃならないんだ!?
しかもヤツと同じCVCで…。
なんか…もう馬鹿馬鹿しくなってきた。ちょうどいいや、私は少し休ませてもらう。
勝手にやってくれ。





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