YOKOHAMA GRND-PRIX CHAMPIONSHIP ROUND
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信じられん… 翔は横浜GPで優勝してしまった。しかも例のマシンでだ。 何故かATだったために、それなりに苦労したようだが。 いや、AT云々より、エンジンパワーがどう見ても250ps以下しか出ていないのが問題だ。 高橋九弐輝…あんたテム・レイかっ!?
さては藤沢の奴、知ってやがったな。 知っていながら、親切を装って翔にあのマシンを押し付けるとは。 伊達に組織を束ねているわけではないって事か。恐るべし藤沢一輝!
でもまあ、賞金5,000,000円もらったし、これでめでたしとしてもいいかな… …などと思っていたら、どうも雲行きがおかしくなってきた。
どうやら、最近は翔にも【声】が聞こえてきているらしい。 その上難馬や藤沢と違って、そいつに人格を乗っ取られることさえあるようだ。 おかげで横浜GPの祝勝会で、藤沢と殴り合いまでする始末。 そして…ベイラグーン埠頭4:59、ついに藤沢と翔のTAIMAN BATTLE。 …その前に医者に行けよ。精神分裂病なんじゃないか?
だがそのBattleは、沢木の時と同じ結果で幕を閉じた。 BayLagoonショートコースの最終コーナー、全く同じに転倒、炎上するRS。 クルマってそんなに簡単に燃えるもんだろうか。 これも呪いなんでしょうか。 ずっと【声】に怯えて過ごしてきたという藤沢。
藤沢「これで…楽になれる…」
さらば、藤沢一輝! 永遠(とわ)に眠れ!
…え? まだ死んでないって?
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