FinalNight -6-
最後、埠頭が直線だったのが幸いだった。馬力に任せて一気に追い付く。 時速200q以上で走るRSをどうやって止めたのかは憶えてないが、とにかく止まった事は間違いない。 はー、やっぱり藤沢が相手だと気合が違うな、翔。 しかし、もう良かろう。藤沢は葵に譲ってやれ。 水平線から昇りゆく朝日が、横浜の海を、埠頭を、眩く染め上げていく。 10年間続いたDiabloの悪夢も、この神々しい輝きの中で終わりを告げる。 だが…彼等にはまだ、しなくてはならない事がいくらでもあるのだ。 まずは…そう、警察が来る前に、ここから逃げる事から始めよう。 捕まったら言い訳できんからな。 そして少しの時が過ぎ… 藤沢は、まだ入院している。点滴の針を外しては、葵を困らせているそうだ。 辻本はBLRに入った。藤沢が戻るまで、BLRを守るつもりなんだろう。 健三は、知らん。(註) そして翔は、新しいZetaを買い、助手席に由佳を乗せて走り回っているようだ。 容赦なくドリフトで曲がるのが由佳には不満らしいが。 こうして、横浜はつかの間の平穏を取り戻した。 だが、彼等がいる限り、第2、第3のシュナイダーが現れないとは言えない。 その日に備え、私もしばしの休息を取りたいと思う。 それでは… Dreaming On The Load The legend Never Die
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