なめるとにがいよ

お人形者にはお馴染みの「なめるとにがいよ」シール。リカやジェニーなど、タカラ製商品の小物類についているシールであり、子供が過って口にしたとしても、すぐに吐き出すように苦味加工がなされていることを示すシールです。…なんてことは、今さら私が言うまでもなくみなさんご承知のことと思いますし、私もわかっているつもりでした。頭の中では。しかし…    　　　…これってホントに「なめるとにがい」んでしょうか？？    　いえ、子供の飲み込み防止用として、わざわざ苦味を加えているんですから、当然、苦いのは苦いんでしょうけど、どんな風に、またどの程度苦いものなんでしょうか？　実際になめてみたことがあるという“Ｋ−Ｇ’ｓホームページ”のＫ−Ｇさんのお話では、「拷問に使えそうなほど」苦いんだそうですが、そう言われると、どれほどのものか自身でも検証してみたくなるのが人情というものです（そうか？）　幸い、シールにも「原料は身体に無害です。安心してご使用ください」とありますし、ここは安心してご使用させていただくとしましょう。    　しかし、なめてみるにしても、ただ単に小物を口に含んでみるだけでは芸がありません。そこで、芳賀Ｐさんのアイデアに基づき、女王様プレイ風に「なめるとにがいよ」を検証してみることに決定。女王様に扮した初音ちゃん（人形）の前にひざまづいて、その靴をなめるという寸法です。嗚呼、めくるめく倒錯の世界！(^^;    　衣装は、女王様らしくエナメル系に黒ストッキング＆黒ヒールで決まりです。そして、グラスを片手に揺り椅子に腰掛け、高く組んだ脚を手前に差し出して……女王様の誕生です！      …ああっ、初音ちゃんさまっ！！   　…あ、いや失礼、一瞬我を忘れてしまいました(^^;　タレ目な初音ちゃんですから、どうしても目元が優しい感じになってしまいますが、これはこれで可愛いのでＯＫです。本来の目的からいえば、可愛さを求めていたわけではないんですが、それはそれとして。    　では、いよいよ待望の女王様プレイ…じゃない、「なめるとにがいよ」の検証開始です。    　机の上に初音ちゃん（人形）を置き、その前にひざまづいて見上げると、初音ちゃんが優しい目で私を見下ろしています。そして、「わたしの靴をおなめなさい」という言葉（無理に言ってもらった）を想像しながらヒールに顔を近付けていきます。そーゆー趣味はなかったはずの私ですが、次第に高まっていく鼓動…。それでなくても倒錯的な行為であるのが、相手がお人形だということで、なおさら倒錯的に感じられるからでしょうか。真面目に考えれば自分でも異常な行為だとは思いますけど(^^;　ともあれ、そのままヒールにキス…    　　　……ん〜？　全然苦くないんですけど？？    　口にした子供が思わず吐き出してしまうような苦さが必要なわけですし、拷問的というＫ−Ｇさんの言葉から、もっと壮絶な苦さを想像していたんですが、いささか拍子抜けです。というか、全然苦くないんですけど？　おかしいな〜、せっかくネタのためにと恥を忍んで（大嘘）女王様プレイまでしたというのに、これじゃネタにならないよ〜、と思いつつ、調子にのってそのままなめ続けているうちに…    　…来た来た来ましたよ。なめるのは舌先であるのに対して、苦味を感じる味蕾があるのは舌の奥のほうだからでしょうか、最初のうちは感じなかった苦味が感じられるようになってきました。うんうん、やっぱこうでなきゃネタになりませんからねぇ。まだまだ余裕でそんなことを考えながら、その苦味を舌の上で転がすように味わっていると…    　　　……ぐは！    　本格的に苦味が襲ってきました。もはや舌の上だけでなく、口の中全体が苦味に覆われてしまったかのようです。どんな苦さか表現できるように味わおうと思っていましたが、それどころではありません。慌てて洗面所に駆け込んだ私でした。    　てなわけで、結論としては、当初想像していた一瞬も口にしていられないような激しい苦さではありませんでしたが、舌の上にのしかかるように重い苦さだった、というところでしょうか。実際、口をすすいだ後も、しばらくは舌の上に何かのっかっているような重さを感じましたから。調子にのってなめ続けていたせいもあるんでしょうけど(^^;    　さぁ、あなたも「なめるとにがいよ」が果たしてどんな苦さなのかご自身で体験してみましょう！　別に女王様プレイをする必要はありませんから(笑)      　＃　それにしても、裸エプロンといい女王様プレイといい……ホント、ごめんね、初音ちゃん(^^;;;;;    (2000/04/10)

 
花火大会の夜

私の住む町では、毎年お盆の頃に花火大会が催されます。さすがに隅田川やＰＬの花火大会などには及ぶべくもありませんが、地元ではそれなりに名の通った花火大会であり、私も子供の頃は家族や友達と一緒に出掛けたものでした。しかし、さすがにこの歳になると、家族と行くのも何ですし、男友達と行くのも虚しいですし、一緒に行くべき相手もいませんので、ここ数年は出掛けることもなくなってしまいました。    　…いや、行けるものなら初音ちゃん（人形）と一緒に行きたいんですけど、万が一、どこかで初音ちゃんが迷子になってしまうと取り返しがつきませんし、また、知り合いと遭遇する確率も非常に高いですから、いくら何でもマズいよなぁ、と(^^;    　そんなこんなで、初音ちゃんとの花火見物はすっかり諦めていた私でしたが、せめて気分だけでも、と初音ちゃんと楓ちゃんに浴衣を着付けている時に、ふと、ある考えが思い浮かびました。    　　　そっか、うちの家から一緒に見ればいいんだ…。    　うちの家は花火大会の会場から直線距離で１kmほどしか離れておらず、２階の私の部屋からは何の障害物もなく花火見物ができ、また距離が近いため、窓を開ければ音による空気の振動を肌で感じることもできます。花火を見る分には、会場である河川敷まで出掛けなくても、充分に楽しむことができるでしょう。    　午後８時。花火大会が始まりました。浴衣姿の初音ちゃんと楓ちゃんをいつもの飾り棚から窓際に移し、窓を開け、部屋の明かりを消して、準備完了。      　夜空を華やかに染めて次々に花火が上がります。明かりを消し、窓を開けた部屋から見る花火は、数瞬の光と音の時差があることを除けば、会場で見るのとほとんど違いはなく、大音声は空を揺るがし、空気の振動はびりびりと肌に刺さります。  　初音ちゃんの実家、隆山温泉の花火大会（LEAF FIGHT'97参照）ほどではないとしても、これはこれでなかなか綺麗でしょ、そう思って隣にたたずむ初音ちゃんの横顔を見て……思わず息をのんでしまいました。      　明かりを消した真っ暗な部屋。花火が夜空を染める一瞬だけ、わずかに明るくなる室内。そして、その一瞬の光に照らし出される初音ちゃんの横顔…。本当に初音ちゃんと一緒に花火見物に来ているかのようで、ためいきとともに、しばらく見入ってしまいました。少しくらいは雰囲気を味わえるかな、程度のほんの思いつきでのことだったんですが、まさかこれほどぴったりハマるとは…    　　　……ああ、何か幸せ(*^^*)    　そして、その夜はそのまま最後まで初音ちゃん（と楓ちゃん）と一緒に、花火見物を楽しんだ私でした(^^)    (2000/08/22)

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