ファイアーエムブレム外伝百科(小学館・1992年4月)
「Interview “進化の迷宮”」より(太字部分が加賀のコメント)
- ――今後シミュレーションRPGのシステムで作ってみたいものはあります
か?
-
- 広大な宇宙を舞台にしたSFファンタジーロマンを作ってみたいと
思っています。でもアイディアは色々あるんですが、まとめきれずに苦しんでいる状況です。そのうち発表できると思いますが。
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ファイアーエムブレム ザ・コンプリート(NTT出版・1996年5月)
「FE出生秘話」より(「ANSWER」が加賀のコメント)
- QUESTION6
- ファミコン版の1作目に続いて発売されたのは外伝でしたが、なぜアカネイア
の続編ではなく、舞台を変えた作品になったのですか?
-
- ANSWER
- 続編を作る場合でも、初めて遊ぶ人がわかることが条件となるため、ファミコ
ンでは用量的に無理でした(つまりSFC版のような2部構成のスタイルが必要でした)。外伝のシステムでアカネイアを舞台にした作品も作ったのですが、上
記の理由により発売できず、幻の作品となりました。
- 中略 -
- QUESTION11
- アカネイア大陸編はスーパーファミコンの第2部で終了しましたが、これは第
2部開発中にすでに決定していたのですか?
-
- ANSWER
- アカネイア大陸の物語については今後ご要望が多ければ考えてみたいと思いま
す。マルスの物語は完結しましたが、他の英雄たちについてはまだ描き切れていないので、暗黒戦争前半などをテーマに、もう少し掘り下げてみたいですね。や
るとすれば、N64になるでしょうか。むろん今はまったく未定ですが。
- 中略 -
- QUESTION13
- バレンシアを舞台にしての続編の構想はないのですか?
-
- ANSWER
- 続編の構想はありません。
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任天堂公式ガイドブック
ファイアーエムブレム聖戦の系譜(小学館・1996年7月)
「Interview
加賀昭三氏に聞く『より大きなドラマと、より深いゲームの間で』」より
- ――さて、最後に次回作について伺いたいのですが、すでに構想があるのでは
ありませんか。
-
- 加賀 そうですね。私の頭の中には、ファンの皆さんの要望が
多いアカネイア編に戻って、もう少し掘り下げてみたいというのがありますね。前はマルスが島から脱出する時から始まりましたよね。たとえば、そこまでのお
話があるわけですよ。それと、歴史上の物語。アンリのお話とかは、これまでに話としては出てますが、これをもっと知りたいというのがある。そこに至るまで
の話が、もしうまくゲームになるようなら、やってみてもいいかなとは思っています。ただ、やるとすれば64になるでしょう。それが作れるかな(笑)。
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ファイアーエムブレム聖戦の系譜
超戦術BOOK(学習研究社・1996年8月)
「ゲームデザイナー加賀昭三氏に直撃インタビュー!」より
- Q N64が発売されましたが、このハードにおけるFEの
ようなシミュレーションRPGの新しい可能性はどこにあると思われますか。
-
- A
もっと敵などを賢いルーチンで動かすことができるようになるでしょうね。状況の変化に合わせて、理屈に合った動きをするようになるという。血の通った人間
に近い行動をとらせることができる。複雑なことが待ち時間を少なくしてできるというのはいいですね。今までの作品は、まだ理にかなった動きというのはあま
りできていませんから。
- ビジュアル的な表現も格段に高いものになるので、戦闘シーンなど、ポリゴ
ンを使って立体的な見栄えのあるものに仕上げることも可能ですし。情報画面もみやすくなって、一つの画面に詰め込める情報量がまた大きくなり、より戦術的
なシミュレーションRPGをつくることができますね。
-
- Q
次回作の可能性はあるのでしょうか。作るとすればハードはやはりN64ですか。
-
- A
はっきりと決まってはいませんが、次にやる場合は、戦略的にはレベルの高いものにしつつ、もっと遊びやすいものに戻そうと思っています。ほかのゲームとは
違うFEらしさは失わないようにして。
- ストーリー的には、アカネイア編をまた掘り下げてみたいと思います。前の
話では、マルスがタリスに落ちのびたところからがスタートになっていますが、そこまでの話があるわけです。敵方にもカミュやミシェイルなどの魅力的なキャ
ラがいましたが、彼らのドラマも描いてみたいですね。
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ファミ通ファンブック
ファイアーエムブレム聖戦の系譜 ファンSpecial(アスペクト・1996年10月)
「加賀昭三さん
に、ここが聞きたい座談会」より
- ●次回は64?
- じつはこれからもSFCでいいんではないかと思ってるんですよ。
- まあ、64で出すとしたら、戦闘シーンはポリゴンに、という話もあるんで
すけどね。
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Fire Emblem聖戦の系譜
TREASURE(NTT出版・1999年1月)
「加賀昭三 Special Interview」より
- 実は、もともとこの「ファイアーエムブレム」というゲーム――「暗黒竜と光
の剣」という作品からですけども、実際に商品として売ろうなんて深く考えていたわけじゃなく、バイトの学生3人に手伝ってもらいつつ作製した、いわば同人
ソフトに近いノリのもので(笑)。
- 中略 -
- ――それでは、いよいよ新作についてお聞きしたいんですが……。新作
の構想は、いつ頃から練り始めたんですか?
-
- 「聖戦の系譜」が完成した後、すぐに次作のテーマを考えていました。実は
「紋章の謎」の舞台となったアカネイアの話で以前から暖めてたテーマがあったんです。ですから、当初はその方向で作るつもりだったんですが、やりたいこと
があまりにも大きすぎて、下準備の段階でスーパーファミコンではハード的に苦しいという結論に達しまして……。できれば別のハードで作りたい、と。
- ただ、次の新作はスーパーファミコンになりますから、アカネイアのお話とは
別の内容になります。実は、これもやりたいと思っていたことなんですが「聖戦の系譜」でやり残した部分をすべて解消するという形に方向転換したんです。
- ですから「外伝」とは付けませんが、「聖戦の系譜」を補完する物語であり、
基本的には「聖戦の系譜」を遊んでいただいたユーザー向けの作りとなってます。ただゲームシステムそのものに関しては、もう1度「紋章の謎」に立ち返るこ
とになります。
- 中略 -
- ――それでは最後に、新作を含めて今後「ファイアーエムブレム」がど
のような方向へと進んでいくのか、そのビジョンを聞かせてください。
-
- 先ほどもお話しした通り、アカネイア編――マルスたちの物語に関しては、も
う1本作りたいという気持ちはあります。もちろん、環境が整った上で、ということですけれどもね。
- で、それが作れたら、正直、1つの区切りかなと思ってるんです。その先は、
あまり考えてません。とにかく、その“もう1本”は、自分の中にある構想を全て実現させたいと思っています。
-
- ――エムブレムファンにはたまらない1本になりそうですね。次の新作
ともども期待しております。
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Fire Emblem聖戦の系譜
TREASURE(NTT出版・1999年1月)
「編集後記」より(名義は「株式会社インテリジェントシステムズ
出版部」)
- ゲームはさまざまな要素で構成されており、また制作も一筋縄ではいかないと
ころがありますが、今回、聖戦に登場したキャラクターたちが、広田さんの手によって生き生きとエムブレム世界のイメージどおりに仕上がり、加賀が当初から
構想していた聖戦の第3部ともいえるシナリオとうまく重なって、一気にこちらの制作が進んだというわけです。もちろん、紋章の続編が中止になったわけでは
ありませんし、特に強調したいことは、新作のゲームシステムは、紋章の、いやむしろ暗黒竜のそれに近いということです。
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Nintendo
Online Magazine(任天堂公式サイト・
1999年5月)
「NOM独占インタビュー!!」より(全
文はリンク先参照)
- ◆進行について
- ――次はゼヒ、もっとラクなゲームを作りたいですね
-
- この『トラキア776』には、去年の頭ぐらいからとりかかりました。当初
は、こんな大作をつくるつもりじゃなかったんですよ。『聖戦の系譜』外伝って感じで、もっと小さくまとめるハズだった。製作期間も、もっと短くてすむハズ
だったんですけどね。作っているうちに、いろんなことをどんどん盛り込みたくなってしまって・・・。
- こんなことになるのなら、イチから新しい話にしてしまえば、どんなにラク
だったか。というのは、前作との整合性にとても苦労したんです。前作を遊んでいる方に違和感を与えないよう配慮しながら、なおかつ、ひとつの独立したゲー
ムとして成立させなければならないんです
- からね。
- まあ、シリーズ次回作の構想や、ニンテンドウ64用ソフトを
作る計画などいろいろあるんでが、次はゼヒ、もっとラクなゲームを作りたいですね(笑)。プレイヤー的にも気楽に遊んでもらえるものを。いつか、そんな作
品も世に送り出せることでしょうね。
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WEEKLY
ファミ通・2000年1月21日号(アスキー)
「あのシリーズの最新作『エムブレムサーガ』独占初公開!!」より
- 編 まずは加賀さんがこれまで作ってきた作品との、物語的な
関係についてお聞かせ下さい。
-
- 加賀 過去に私は3つの大陸(注1)における物語
を5本(注2)作ってきました。「エムブレムサー
ガ」は4つめの大陸
“フォーセリア”(注3)が舞台となる作品で、根
幹となる世界観は同じです。かつてこの世界にはマムクート(注4)と
呼ばれる高度な文明を持った種族が栄えていた。彼らが歴史の中で滅びの時期を迎えたときに、つぎの世界を担う人間たちに対してどのような関わりかたをした
のだろうかと。今作品は彼らマムクート……、古代竜族と呼ばれる者が、多くの部分で絡んできます。種が滅びを迎えたとき、この世界の多くの種族は永遠の眠
りを求めて地中に姿を隠すのですが、マムクートの中には人間に恨みを持つものがいまして。彼らの力を利用しようとする邪悪な人間たちとそれを阻止する人
々、さらに、ある契約によりあらわれた神殿の守護聖竜たちが物語に関わるんです。
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- 編 過去の作品に登場してきた人物は出るのですか?
-
- 加賀 某変身系の少年キャラ(注5)が、謎の吟遊
詩人、また賢者として重要な役回りを演じます。今作品は第1作目「暗黒竜と光の剣」(注6)と同年代の物語なので、必然性があればほかにも登場させたいのですが。
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- 編 「暗黒竜」と同じ時代ということは、主人公はマルス(注7)と関係がある
キャラクターなのですか?
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- 加賀 いや、違います。物語的なつながりはまったくありませ
ん。もちろんマルスのような少年の主人公も登場しますけど……。
- 注1:暗黒竜・紋章のアカネ
イア大陸、外伝のバレンシア大陸、聖戦・トラキアのユグドラル大陸。
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- 注2:FE暗黒竜・外伝・紋
章・聖戦・トラキアの5本。
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- 注3:TSの製品版では
「リーベリア」に変更されている。ESの舞台として発表された「フォーセリア」がこのインタビュー内で「4つ目の大陸」「根幹となる世界観は同じ」と明確
に位置付けていたのが問題視されたからであろうか?
なお、GBAで発売予定の『封印の剣』の舞台は「エレブ大陸」。
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- 注4:暗黒竜・紋章に登場す
る竜人族。普段は人間の姿をしているが「竜石」を使用することで巨大な竜の姿に変身する能力を持っている。結局、TSの製品版には竜人族は登場しなかった
が竜石ではなく腕輪を使って竜に変身する少女は登場する。
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- 注5:暗黒竜・紋章の登場人
物であるチェイニーのこと。チェイニーは「コマンド」と言うユニットで、味方ユニットの容姿や能力をコピーする特殊能力を持っている。
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- 注6:FE第1作のサブタイ
トル。「初代」と呼ばれることもある。
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- 注7:暗黒竜・紋章の主人
公。アリティア王国の王子で、暗黒竜・メディウス率いるドルーア帝国からアカネイア大陸全土を解放する為に戦う。
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