文化人類学的少数意見 |
匿名希望(こーむ員・34歳) |
「概論」・「東西比較論」において、グラフ中にあった「その他」が気になっている方もおられよう。 そんな方のために「少数意見」をご紹介する。 この少数意見にこそ、真実が隠されているのかもしれない。 |
ご飯にみそ汁をかけた食物。 かつおぶしをかけるとなおよい。 ふっちー氏(ハカセ) |
少数派ながら意外に多かったのが、この「融合論」である。 これであれば争いにならない。 ただし、かつおぶしベースの汁かけか、味噌汁ベースのかつおのせかは議論のタネになりかねないが・・・・ |
最もチープな「ネコまんま」がこれである。
先程、担当編集に電話を入れたついでに尋ねたところ、 「ご飯に醤油かけただけものじゃないんですか?」 という、驚くべき見解が提出されました。 何だかビンボくさいです(涙)。 そんな埼玉県民の編集さんに、なんとなく天誅を! 日高トモキチ氏(漫画家) |
良くマンガでありがちなのはしろごはん(山盛り)の上に魚の骨(頭つき)がのっかったやつですかねぇ
ひまわり氏(はの0号) |
人間の食べるものではないが・・・・
たしかに1つの「記号」として使われている。「記号論」である。 |
「ネコ用ネコまんま」については
このような興味深い報告もあった。
ちなみに、猫缶には「ご飯入り」というやつもございます。 まぐろのフレークとかのなかにご飯がすこしまぶされておるのです。 まぐろ95%ごはん5%くらい。 逆ねこまんまっす。 たまご入りとか、ふかひれ入りとかもあります…。ごくっ。 児嶋都氏(漫画家) |
この意見はどうだろう?
yetiの見解では「ねこまんま」ちうのは「家族の残り物もしくはお裾分け」です。醤油&かつをというのが最もポピュラーかと思いますが、ねこまんま御膳として、「人肌に温い盛りご飯の上に焼いためざし二匹そして醤油」焼いためざしのかわりにぜいごと小骨をとった焼きあじフレーク(自作)でも可です。 ねこまんまの歴史的背景を研究してみました。 **** それは建物がまだ平屋でマンションなど無かった時代・・・ サザエさんよりずっとずっと昔の事・・・ 母「ごはんですよぉ」 子等「わーい」 父上座にどかんと座っている 母、父→子等にご飯をよそった後「そうそう、タマのご飯だわ」 ・・・こんな時にタマだけ特別メニューなど、許されるのだろうか。 食卓では「父」がメインだった時代・・・そのころからねこまんまは存在していたとyetiは睨んでおります。 よって、「家族の残り物」がねこまんまになった説を推しますです。 また、当時の生活事情から、おひつのご飯は「冷たい」という説を持ち込みまする。 追記:ねこまんま御膳といえば「炊き込みご飯の残り物」これを忘れてはいけませぬ。 yeti氏(栄養士BJ) |
ネコまんま成立の瞬間を見極めたその眼力も素晴らしいが、なにより「ねこまんま御膳」という高級食の登場! 人に愛、ネコに栄養・・・・ |
次は
スプラッタ系ネコまんまである。
「ねこまんま」は、みそ汁ぶっかけご飯という認識がございました。 しかし、うちではそれを犬に食させておりました…。 しかも、犬は“あきたいぬ”でしたので、“鶏の頭の水煮”がトッピングされておりました。(怖) みぽりん氏(ナギナター) |
なんともラヴリーなトッピング。
しかしこれにはれっきとした理由がある。
次の意見はどうか?
「鳥めし」は鶏肉が乗ってるんだし、「ネコまんま」なら・・・・
ソダ氏(こーむ員) |
論外!!
では、この食べ物はどうか?
「………牛乳かけたやつ(ぼそっ)」
匿名氏(関東:男性:24歳) |
松雪氏からのレポートである。 氏は過日、とある集会に参加した際、データ収集を試みた。そこでの回答の1つがこれである。 氏いはく わたくしも知っている。 |
「カレイとかの煮魚の残り汁にご飯を入れたもの。自分では食べない」
匿名氏(山陰・女性・?歳 外資系OL) |
おなじみ松雪レポートである。 まず申し上げるべきは、山陰で煮魚といえば、カレイである。干物もカレイだ。 それはさておき。 煮魚の汁をご飯にかけて食べる人、というのは実はかなり多いのではないだろうか?魚のエキスが存分に出ている煮汁である。たしかに捨てるにはもったいないのである。人もネコも喜びそうだ。 しかし「自分では食べない」ということは、あくまでも「ネコのごはん」という差別意識がはたらいている。 もう1つの疑問点は、山陰に外資系企業があるかどうか、なのだが・・・・ |
「すきやきの後の残り汁をかけたものです」
匿名氏(西日本・女性・18歳 声優志望) |
松雪レポート。
ネコ=魚という固定概念に疑問を投げかける一言である。 ただしネコにすきやきはぜいたくである。 人間に与えた場合は、ただの牛丼だ。 |
賛同意見。
私の家では、味噌汁verも鰹節verもねこまんまといわないことは無いのですが・・・ 基本的には、すき焼きのこり汁を(翌朝)ごはんにかけたものを「ねこまんま」といっています。 たしか、少数意見のなかに、西日本18才女性の方が同様の意見を申しておられたと思うのですが、もしかしたら九州・四国地方など、かなり西の方にいったらそのようなことになるのでしょうか? 私の母が四国の流れをくんでいるのでもしかしたら、第3の意見かな。と勝手に思ったりしているんですが。 り。氏(元命名王) |
2人目の「すき焼き残り汁」派である。 加えて、「すき焼き西日本学説」の提唱である。 1つの仮説がある。 |
対してすき焼き残り汁否定派の活動報告も寄せられた。
ネコまんまは日常的でなくてはならない、とそんな気がするのです。 それなのに、例え小数派と言え、すき焼きの残り汁かけご飯とは許せないのです。 もしそれをする人たちが、日常的にすき焼きを食しているなら理解しましょう。 しかし我国においてそのような家庭は断じてないと言い切ってもよいでしょう。 1.スキヤキは高価なご馳走なのです。 2.それ故非日常的であります。 スキヤキの残りをご飯に掛けるなと言っているのではありません。 「残ってもスキヤキ」と言われるように、残り汁を掛けたものでも立派なご飯です。人科の動物も好んで食べるでしょう、ネコも犬も食べていいのです。 しかしそれを「ネコまんま」と呼んではいけない。 もしそれを「ネコまんま」と言うのなら、カツオまぶしご飯にウニ、イクラをトッピングしたものもネコまんまと称されるでしょう。 しかしそれではいけないのです。「ネコまんま」はネコまんまとしての、精神を持ったものでなくてはいけないのです。 その精神とは上記1.2に説明した如く、日常的かつ安価であることです。 それが真のネコまんまではないでしょうか。 akira氏 |
非常に重要な発言である。 そして難問でもある。
わたくしたちは当初、かつおぶし派に対抗するネコまんまを「味噌汁かけごはん」である、と考えた。しかしさまざまな「汁かけ飯」が提示されるにつれ、味噌汁にこだわる必要はない、という考えを確立した。特に「残りものの汁」であれば、それはネコまんまと称してなんら問題はない、と。
もちろんネコまんまを作るためにすき焼きを作る人はいないだろう。その行為は確実にネコまんま精神に反する。 あなたはどうお考えだろうか。 |
続いてこちらの報告。
こちらにうかがうまで、「ねこまんま」は卵としょうゆをかけて食べるものだと信じていました。 しかし卵のたの字も見られない…。 どうやら20年間信じていた物は幻だったようです…。 ちなみに味噌汁かけて食べるのは「わんわん御飯」と称していました。 槙氏氏 |
決してそれは幻などではない。 ネコまんまとは文化である。他と違うからといって、決して文化は否定されるべきものではないのだ。 ちなみにわたくしは「卵としょうゆをかけた」ごはんを「たまごかけごはん」と称します。 |
次のような報告もある。
全くの邪道とされるかもしれませんが わたくしの家庭ではねこまんまと称して次なるものを食しております まず条件として 残りのご飯で残りの味噌汁であるということ まぁここまでは一般的な条件なのでしょうが、この残りの味噌汁がポイントでして暖め直しを数回やるうちに鰹だしの風味を損なう理由により、なんと鰹節をかけるのです 更なる事にお醤油も少々。。 ビジュアルを確立させますと まず、冷や飯→暖めた味噌汁→カツブシ→お醤油少々 全ての条件をここで満たすのでありますが。。 ピュアねこまんまから少しかけ離れているような気さえ致しております。。 実のところもうひとつ我が家ではなんちゃってねこまんまと称した、ねこまんまより評判のよい(美味い)ものがあるのです。 紅子氏 |
「融合論」の根拠を示した例として非常に興味深い。 鰹だしの風味を損なうゆえ、かつおぶしを加える! なんと理にかなった・・・・しかし塩分の摂取過多には十分注意されたい。 加えて「なんちゃって」ネコまんま! ネコまんまとはかつおぶし、あるいは味噌汁。 |
こちらも「融合論」である。
だが、単なる学術的報告ではない。
あれはもう 30数年前 夏が終わる頃 稲刈りの時であったと思う。
昼餉の時 毎日食していたのが ねこまんまであった。
田の畦道に植えられた茶の木より 葉を摘み 田小屋の隅に作られた粗末な竈で湯を沸かし 同時に茶の葉を炙り 薬缶に茶を沸かす。
予め味噌を半擂りにし かつを節(もちろん 当日の朝 かつを節より 自分で削り落としたものである)をたっぷりと混ぜて 準備してある。(胡瓜も茄子もこれで食した)。
麦飯の上に 味噌を適量載せて あっちっちの茶をかけるのである 。
けっして 味噌汁でなかった また こんな熱いものを 猫が食すはずもなく そのころは 古事記汁(本当は別の漢字です) と言っていた。
いつの間にか かつを節味噌が かつを節と味噌汁に別れたのであろうか。
汗をかいた後の 古事記汁は なんと美味かったことよ。
労働にほとんど汗をかかなくなった今 あの味はもう帰らない ハシモト様 |
美しい・・・・あまりにも美しい・・・・ 茶を摘み炙る。味噌を擂る。かつをを削る。そして額に汗・・・・ すべて日本人が忘れた行為である。 こうして作られたものが美味くないはずがどうしてあろうか! もはや究極でもない。いわんや至高でもない。 美しい・・・・ 名前はまぁ、置いていて。 |
続いて・・・・
現在、この意見は1件のみであるため
「少数意見」とさせていただいたが、
なんとなく「爆発」の予感を感じさせるレポートである。
私は京都出身で、わが家のねこまんまは、味の素+醤油+かつおぶし+あつご飯のレシピでした。 味の素は必須アイテムでした。 うちの母は、このレシピをそのまんま、ねこのご飯としても使用していましたが、その際には、猫にはもったいないから「味の素」は入ってなかったようです。 ねこと人間のねこまんまの差は、たったひとかけの「味の素」でした。 味の素は、うちの母がなんでも味の素を入れると美味しくなるにちがいない、と思いこんでいる人だったからでしょうね。 しかし、ネコにはもったない、と思っていたのでしょう。 ひやごはんをネコのごはんにするときに、たまに残りのお味噌汁をかけてやっていました。 ネコは猫舌なので、いいめいわくだったと思いますが。 みそしるかけごはんは、お行儀がわるいとされていて、人間であるこどもたちにはあまり奨励されていませんでした。 しかし、かつおぶしご飯については、まったく問題ありませんでした。 食卓にあがっていたかつおぶし入りのおにぎりなんかと系統としては似ているので、かつおぶしかけごはんは問題なしと認識されていたのだと思います。 私的なネコまんま体験はそんなところです。 西川氏(マオマオネット) |
あった。たしかにあった。そういう時代が・・・・ なんにでも「味の素」をかける時代が・・・・ 理由は1つ。「アタマが良くなるから」
考えてみれば、「味の素」の主成分は「グルタミン酸ナトリウム」。昆布だしの旨みであり、多くの日本人が「美味い」と感じるのである。 昭和40年代前半までの、「思い出の食卓」をこのネコまんまに見た。 |
と、ここに!
「ネコ用ネコまんま+アルファ」が「人用ネコまんま」なのか、
と疑念を生じさせる報告が。
実家(荒川区)では、ネコまんまとはやはり味噌汁ぶっかけご飯の事です。 ただ1つ味噌汁ぶっかけご飯派の皆様と違うところは、その味噌汁の中に「にぼし」が、だしであるにぼしが味噌汁の底に2〜3匹のこっていました。 幼い頃、両親共働きで学校から帰ってくると我家には菓子もなかったのでもっぱら朝の残りのご飯に味噌汁をかけて、飼っている犬と一緒にたべました。この犬の分を作る時に先ほどの煮干をトッピングしてあげていました。 以上 私のイヌまんまの思い出でした。 水兵75氏(荒川区出身) |
プラス味の素が人用ネコまんま。 プラスにぼしが動物用ネコまんま。 どちらがより「ネコまんま」なのだろう? ここでふと気付く。 この図式は成り立たないか? どちらにせよ、1つの真実がここには存在する。 「ネコまんまは愛」 |