文化人類学的
ネコまんま民俗学

おなじみ「松雪レポート」である。

いはく、
「外資系OLの彼女の家には、恐るべき伝説が語り継がれてをりました。」

 


「祖母が『朝に汁かけ飯を食べるとコケる』って言うんで、汁かけ飯は食べないようにしてました」

匿名氏(山陰・女性・?歳 外資系OL)

 

嗚呼、何といふことでせう!
私達は、そうとも知らず禁断の地に足を踏み入れていたのかもしれませぬ(怯)
いつぞや私が自転車でハデにスッ転んだのも、元をただせば汁かけ飯に原因があったのですね。
一体どうしたらよいのだろう(苦)

松雪氏談

ジンクス、である。

もちろん、「ネコまんまは行儀が悪い」という戒めを表した言葉であろう。

しかしここで考察すべきだ。
あくまで、「コケる」程度なのである。
「火事になる」「泥棒が来る」「オネショをする」「ヘビが来る」・・・・
戒めを表現するとき、昔の人はこのような言葉を使った。
しかし、せいぜい「コケる」。
その程度ならやってもよいではないか!

思うに、かつては、命に関わるような「罰」が語られていたのだろう。
しかし、「汁かけ飯」の誘惑に耐えられない人々があまりに多かったのだ。ゆえに「コロぶ」程度に改竄したのである。
普通に歩いていてもコロぶのである。それならネコまんま喰った方がいいや!

もう1つ、気になるのは「朝に」という言葉だ。
そう、昼・夜であれば汁かけ飯はノープロブレムなのである!

一番慌しい朝にこそ、食事をゆっくりすべきだ、という先人の知恵であろう。
嗚呼、おばあちゃんの知恵袋。

だが。
ネコまんまを忌むのは「行儀」だけが原因ではなく、
それを唱えるのはおばあちゃんだけではなかった。

ところで、汁かけごはんには面白いエピソードがございます。
一部の地質学者や、鉱山技師の方は汁かけごはんを食しません。ごはんに汁をかけますと、ごはんの塊が汁によって粘着力を失い、さらさらと崩れます。これを「山が崩れる」と見立て、縁起が悪いというのです。丼物は崩れる心配がないので、また、汁にごはんを投入するのは山崩れに見えないので、構わないようです。
私自身はとんだ迷信だと思っているのですが、有名な迷信ですので、関連業者さんや研究者仲間の前では汁かけごはんを差し控えております。

ひろし氏(地質学者)

 

この報告には驚いた。驚くと同時に、感動もおぼえた。
山が崩れれば、命が危険にさらされる。ゆえに、それにつながることを忌む。それがネコまんまであろうとも・・・・
自然を畏れ、自然を敬う。そんな気持ちを忘れてはならない。

この論について、さらに研究報告がある。

地質学者や鉱山技師の「山が崩れる」の迷信は、トンネル工事の関係者や漁師がめしに味噌汁をかけるのは、「水をかぶる」事故にあうということで忌み、めしを汁に入れて食べたことに共通するようです。

遠藤哲夫氏(「大衆食」)

 

「めし」は日本人の糧であると同時に「魂」である。
日本人は「めし」を畏れ敬って生きてきたのだ。

 

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