『特捜ロボ ジャンパーソン』 ('93〜'94)
「教えてくれ〜君は誰だ〜♪」で一部の人間にはおなじみの作品である。悲惨な状況下の中でロボット達が熱い人情話を繰り広げるという素晴らしい(そしてかなり不思議な)お話が展開された。
第6話 「さまよう冷凍男」 (監督:三ツ村鐵治 脚本:扇澤延男)
冷凍食品の倉庫に勤める気弱な男・工藤は、手違いからマイナス50度の倉庫に閉じこめられる。工藤は壁に穴を掘って脱出するのに1年間かかってしまったため、手に触れた物は何でも凍らせる冷凍男に変わり果てた。
工藤に対して世間の風は冷たく、彼は化け物扱いされる。そして工藤のこうした境遇につけ込んだ世界制覇を目指す謎の組織は、「化け物扱いした世間を見返せ」と彼をそそのかし、改造手術を施す。生まれ変わった工藤は最強の冷凍男となり、自分を虐待した世間に復讐するため、悪事の限りを尽くした。
しかし最後は敢えなくジャンパーソンの火炎攻撃を被り、工藤は溶けて水になってしまった
第10話 「福の神に御用心」 (監督:蓑輪雅夫 脚本:扇澤延男)
両親を事故でなくした不幸な少年・正一は、預けられた叔母にこき使われる毎日を送っていた。そんなある日、正一は銀行強盗に巻き込まれ、強盗団が使用した特殊な超音波を浴びてしまい、昏睡状態に陥った。眠り続ける正一は夢の中で今は亡き両親との楽しい思い出に浸った。だがやがて強盗団が捕まり、覚醒の方法が解明された。そして目を覚ました正一を待っていたのは、いつも通りに叔母にこき使われる現実の日々であった。
第14話 「翼をすてた天使」 (監督:蓑輪雅夫 脚本:扇澤延男)
行き倒れになっているところを町工場の親切な連中に拾われた作業用ロボ・エンジェルは、町工場の暖かい職場環境に包まれ幸せいっぱいであった。
ところが、エンジェルはもともと破壊工作用ロボットであり、本来の発注元から本来の目的を果たすようにと命令が下された。エンジェルはその命令をいったんは断るが、同じ町工場の同僚に魔の手が伸びたため、仕方なく破壊活動に手を染めていった。
自らの境遇に絶望したエンジェルはキレ始め破壊活動をエスカレートさせていったが、ついにジャンパーソンに追いつめられ、破壊される。だが、結局は修理され生まれ変わる。
しかし生まれ変わっても罪は消えないので警察に自首するエンジェルであったが、そんな彼に対して町工場の人々は、「待ってるぜ!」と声をかける。エンジェルの本当の人生(人ではないのだが、ナレーションでそう言っている)はこれから始まるのだった。
第37話 「正義VS愛」 (監督:小西通雄 脚本:酒井直行・扇澤延男)
深海作業ロボ・サイレントとジェルソミーナ(声:長沢美樹)は、世界中の子ども達のために海底パラダイス作ることを夢見る恋人同士であった。ところがジェルソミーナは、悪の企業集団の陰謀によって破壊されてしまった。
ジャンパーソンが最愛の彼女を奪ったと勘違いしたサイレントは、怒りのあまり人工知能が制御不能になり破壊活動を繰り返す。そして、サイレントと同じように恋人ロボを殺された過去を持つガンギブソンによって、爆破される。