File No.062
フウセンタケ属の一種
Cortinarius sp.
(ハラタケ目フウセンタケ科)
フウセンタケというと秋のものというイメージがあるが、中にはちょっと変わった季節に発生するものもある。
いちばんの変わり種はウメウスフジフウセンタケであろう。
梅林に生えるこのフウセンタケは、ハルシメジといっしょに見つかるという。
ここで紹介するフウセンタケ属の一種も、そこまでではないが、夏の暑い時期がどうやら旬であるらしい。
8月以降は、秋になっても発生を確認していない。
といっても今年しか見ていないから、たまたま今年だけ
そうだったのかも知れず、来年以降の動向が気になるところである。
アカマツの林、それもあまり腐植の積もっていない痩せ地に、梅雨後半から梅雨明け後の2週間くらいにわたって何本も発生した。
傘の径は4〜7cm、柄も6〜9cm×12〜20mmで、太い根元をもつ立派なフウセンタケである。
傘や柄、ひだや肉いずれも鮮やかな黄色で、傘にも柄にも粘性はなく、
はじめオリーブ色がかった鱗片をかぶるのが特徴である。
フウセンタケ属専門の宮内先生に写真を見ていただいたところ、イロガワリフウセンタケに近縁の、
キンチャフウセンタケ亜属のきのこで、現在調査中のきのこという御返事だった。
似たきのこが亜高山帯に発生することもあるそうだが、同じ種類かどうかはまだ検討中とのことである。
[データ]
採集日: 2001年7月5日
発生地: 兵庫県三日月町