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七人の地味内野手
前回のコラムで小川と進藤を比較していて思ったのが,
ふたりとも地味だということ.

本塁打を多く打つわけでもなく,高打率を誇るわけでもない.
かといって盗塁が多いわけでもない.
守備はいいみたいだが,どうにも地味だ.
それでもきびしいプロの世界で10年以上やっているのだから立派なのだが.


そんな地味な内野手は他にいないだろうかと探し,7人を選んでみた.
条件はまず,昨年までに3000打席以上を経ていること.
そして,やや地味(主観的だが)であることのふたつ.
通算成績を420打数(140×3)あたりに換算して,7人を比較してみよう.
なお,今年の成績は加えていない.

  打率 HR 打点 盗塁 犠打 四球 三振
川相 昌弘 0.267 4 30 5 48 41 51
小川 博文 0.267 7 45 6 14 35 74
久慈 照嘉 0.258 1 20 7 30 53 62
進藤 達哉 0.241 12 45 5 12 50 76
大島 公一 0.263 3 36 6 26 61 58
土橋 勝征 0.264 9 47 5 15 37 57
水口 栄二 0.264 5 38 7 24 41 47

(石井琢,池山,立浪,和田,浜名らは,
打撃がよすぎる,または盗塁をしすぎるので地味ではないと判断した)

同じような数字が並んでしまった.
そもそも地味な選手を数字で比較しようというのが間違いだったか.
しかしそれでもある程度7人それぞれの個性が感じ取れる.

意外だったのが土橋.
わずか37四球.かなり積極的で,小川の成績に似ている.
このふたりは下位打線タイプと言えるのではないか.
つまり,多少三振が多くてもいいから,
次の打者(投手,またはさらに打力の低い選手)に回すよりは
自らのバットで走者を返すことを期待されている打者のことだ.
進藤もこのタイプだろう.

川相,久慈,大島,水口は,典型的日本の2番打者タイプ
選球眼がよく,バント能力も高く,
つなぐバッティングが求められる打者だ.
非力な久慈が53四球も選んでいるとは驚いた.
三振がやや多いものの,じっくりボールを見て出塁しようと試みている.


このふたつのタイプをくらべると,
ぼくが好きなのは,やはり2番打者タイプのほうだ.
小川も進藤も小さいくせに大振りしすぎだ.
長打は捨てて,もっと確実な打撃に徹するべきではないのか.
前々からそう思っていた.


ところがそんなぼくの考えを覆すような選手があらわれた.
大リーグシアトルマリナーズのブレット・ブーン二塁手だ.
彼は178cm81kgとあまり大柄ではない32歳.
守備は堅実のようだが,
打撃はこれまで2割5分で20本塁打といった成績だった.
162試合制で20本塁打だから,その長打力はせいぜい進藤に毛が生えた程度.
三振も多いので,ぼくはもっと確実な打撃に徹するべきだと思っていた.

そのブーンが今年は大ブレイク.
7月19日時点での成績は .330 23本塁打 89打点!!

打点王も狙える好成績は,
地味に徹することなく,思い切りスイングしつづけた結果なのだろう.
小川も進藤もいつかブーンのようになれるかもしれない.
ぼくはあやうくその芽を摘んでしまうところだった.


ブーンの昨年までの成績と今年の成績を,
七人の地味内野手と同じく420打数に換算したのが下の表だ.

  打率 HR 打点 盗塁 四球 三振
昨年までのブーン 0.255 13 58 5 33 81
今年のブーン 0.330 26 102 2 27 71

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