史上初!2年連続三冠王
2001年もポール(西武)がイースタンリーグの三冠王に輝いた。
2年連続の三冠王はファームでは初めてだ。
打率はどちらの年も3割5分台。
昨シーズンの27本塁打は、92年の大森 剛(巨人)に並ぶリーグ最多記録。
95打点は堂々のリーグ新記録。
と、格の違いを見せつけた。
豆知識 ファーム三冠王
ファーム三冠王はポール以外では2人のみ。
イースタンリーグでは、1977年の庄司 智久(巨人)。
ウェスタンリーグでは、1997年のボニチ(オリックス)。
ポールの三冠王2回は、史上初の快挙である。
しかし、結局、ポールは1軍に上がれなかった。
新加入のカブレラ、マクレーンが好調だったからだ。
もしも昇格していたら、どんな成績を残しただろうか。
まずはファームでの実際の成績を140試合に換算してみた。
年度 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | 四球 | 三振 | 試合 | 打席 |
2000 | 0.353 | 46 | 151 | 4 | 83 | 107 | 140 | 591 |
2001 | 0.352 | 41 | 145 | 6 | 99 | 96 | 140 | 628 |
2000年の46本塁打、151打点はリーグトップ。
打率.353はイチローの.387に次ぐ。
2001年も打率、打点で1位。
ファームで2年連続の三冠王ならば、1軍では2年連続の二冠王となった。
しかし、現実はそう甘くない。
ファームで打てれば、1軍でも打てるという保証は何もない。
1軍での実際の成績を140試合に換算すれば、その厳しさがわかるはずだ。
年度 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | 四球 | 三振 | 試合 | 打席 |
1999 | 0.257 | 28 | 69 | 7 | 36 | 128 | 140 | 477 |
2000 | 0.242 | 12 | 54 | 3 | 48 | 101 | 140 | 420 |
なんと打率が1割もダウンしてしまった。
長打力はまずまずだが、この打率はいただけない。
三振も多い。
四球は半減した。
これは、ファームではじっくり待って好球必打していたのに、
1軍では結果を出そうとあせって早打ちしたせいだろう。
とはいえ、ポールがあせる気持ちもよくわかる。
以下は同僚の外国人野手だ。
全員ポールより高給取りだ。
これではなかなか出番が回ってこない。
やっと出番がきても、悠長にボールを待つ余裕などなかっただろう。
逆にいえば、ちゃんとポジションを与えて、毎日スタメンで使えば、活躍できたかもしれない。
なにせポールには、誰にも負けないひたむきさがある。
ファームでも腐らずに打ち続けたひたむきさが。
シーズン終了後、ポールは西武を自由契約になった。
今のところ、日本に彼を獲得する球団はなさそうだ。
なんだか残念だ。
最後にポールの実際の成績を載せる。
上が1軍、下がファームの成績である。
年度 | リ | 試合 | 打席 | 打数 | 得点 | 安打 | HR | 打点 | 盗塁 | 四球 | 三振 | 打率 |
1999 | パ | 59 | 201 | 183 | 25 | 47 | 12 | 29 | 3 | 15 | 54 | 0.257 |
2000 | パ | 47 | 141 | 124 | 17 | 30 | 4 | 18 | 1 | 16 | 34 | 0.242 |
2001 | パ | 出場なし | ||||||||||
1999 | イ | 出場なし | ||||||||||
2000 | イ | 64 | 270 | 224 | 44 | 79 | 21 | 69 | 2 | 38 | 49 | 0.353 |
2001 | イ | 92 | 413 | 344 | 79 | 121 | 27 | 95 | 4 | 65 | 63 | 0.352 |