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負け越し左腕3人組

パ・リーグの防御率1位は、オリックスの具台晟である。
2位も同僚の金田政彦。
ヤーナルも7位に入っており、まさにリーグ最強の左腕トリオだ。
ところがこの3人、なぜかいずれも負け越している。
そんな不可思議なトリオの成績をみてみたい。

  投球回 安打 HR 四球 三振 防御率
具台晟 18 5 6 122    98 8 37 118 2.29
金田 18 4 6 107 1/3 101 9 25 61 2.43
ヤーナル 19 6 10 127 1/3 114 9 47 84 3.32

成績は8月7日時点。

ではいつものように、9イニングあたりに換算する。

  安打 HR 四球 安+四 三振
具台晟 7.23(.219) 9 2.73 9.96 8.70
金田 8.47(.249) 12 2.10 10.57 5.11
ヤーナル 8.06(.251) 10 3.32 11.38 5.94

安打、四球、安+四(安打と四球の合計)、三振は、9イニングあたり。
HRは140イニングあたり。
安打のカッコ内は被安打率。 

具の被安打率はわずか.219で、リーグトップ。
金田、ヤーナルも2割5分程度と良好だ。
昨年は恐ろしい数のフォアボールを出した具とヤーナルも、
ストライクゾーンが広がった今年は、3個前後と改善が見られる。
四球が減ったため、9回あたりの安打+四球の値はリーグ屈指になった。

それにもかかわらず、3人合わせて15勝22敗で、勝率わずか.405。
このペースだと、具は8勝10敗、金田は6勝10敗で2ケタ勝利に届かない。(ヤーナルは何とか10勝。でも16敗を喫する)
勝てない理由は味方の貧打線にある。
オリックスのチーム得点、打率はリーグ最下位。
本塁打数は下から2番目。
チーム防御率は、西武に次いで上から2番目だから、投手陣には同情してしまう。
現在、オリックスの勝率は.406。
奇しくも、具、金田、ヤーナルを合計した勝率に符合する。

 

蛇足
負け越し3人組がうらやむ男がいる。
シーズン途中に来日した、西武の張誌家(チャン・ズージャ)である。

  S 投球回 安打 HR 四球 三振 防御率
張誌家 9 6 1 1 61 37 7 14 77 1.77

わずか9試合の登板(うち先発8試合)で、早くも6勝を稼ぎ、具、金田を追い抜いてしまった。
投球内容が群を抜いているとはいえ、
リーグ1位の得点力を誇るチームに所属すると、こんなに楽しい思いができる。

  安打 HR 四球 安+四 三振
張誌家 5.46(.172) 16 2.07 7.52 11.36

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