野球界の1割を占める勢力
夏の甲子園の前に出た、雑誌「週刊ベースボール」に、プロ野球選手の出身高校の特集があった。
それによると、現役選手では、大阪府の高校出身者が最大の勢力だという。
総勢731人のプロ選手(外国人選手のぞく)の1割が、人情の街、浪速で青春を過ごした。
わがふるさと神奈川県は、大差をつけられての2位だった。
人数 |
% |
||
1 | 大阪 | 74 | 10.12% |
2 | 神奈川 | 45 | 6.16% |
3 | 千葉 | 40 | 5.47% |
4 | 兵庫 | 37 | 5.06% |
5 | 東京 | 36 | 4.92% |
6 | 埼玉 | 34 | 4.65% |
7 | 福岡 | 31 | 4.24% |
8 | 愛知 | 29 | 3.97% |
9 | 和歌山 | 23 | 3.15% |
10 | 静岡 | 21 | 2.87% |
合計 | 731 |
週刊ベースボール2002.8.26号から抜粋
11位以下は省略。
2002年の第84回全国高校野球選手権大会には、昨年を13校上回る、史上最多の4163校が参加した。
参加校を都道府県別に見ると、最多は北海道の277校。
その北海道球児だった現役プロ選手は、14人で2パーセントにも届かない。
これは、地理的な問題があるので仕方ないだろう。
解せないのは東京だ。
全国2位の265校を抱えながら、プロは36人どまり。
大阪の半分以下では、首都の威厳も保てまい。
もっとも、東京、千葉、埼玉、神奈川の4都県(プロ合計155人)をひとまとまりと見たほうがいいのかもしれない。
参加校数のわりに、プロ選手が多いのが和歌山県だ。
9位のプロ23人を輩出しているが、参加校は43位のわずか37校。
その逆は茨城県と新潟県。
茨城115、新潟103と100校を超えているものの、プロは茨城11人、新潟7人にとどまる。
現在、プロ選手がひとりしかいないのが鳥取県。
倉吉北高出身の加藤伸一(近鉄)ただひとり。
県民みんなの期待が、37歳の加藤の右腕にかかっている。
参加校 |
% |
||
1 | 北海道 | 277 | 6.65% |
2 | 東京 | 265 | 6.37% |
3 | 神奈川 | 205 | 4.92% |
4 | 大阪 | 189 | 4.54% |
5 | 愛知 | 186 | 4.47% |
6 | 千葉 | 174 | 4.18% |
7 | 兵庫 | 169 | 4.06% |
8 | 埼玉 | 167 | 4.01% |
9 | 福岡 | 135 | 3.24% |
10 | 茨城 | 115 | 2.76% |
合計 | 4163 |
北海道は、北北海道129校、南北海道148校の合計。
東京は、東東京141校、西東京124校の合計。
11位以下は省略。
では、加藤伸一のように心細い思いをしなくてすむ最大会派「大阪球児」を高校別にみてみよう。
球界は、まさにPL学園に牛耳られている。
現役プロ選手27人は、もちろん最多。
2位の上宮が16人だから、もはや格がちがう。
ちなみに出身校別3位は、14選手の横浜(神奈川)で、4位は9選手の浦和学院(埼玉)。
5位は8人で、仙台育英(宮城)、桐蔭学園(神奈川)がならんでいる。
PLは、地元近鉄に6選手を送りこんでいる。
それに対し、広島、日本ハム、オリックスとは縁が薄いのだろうか。
そもそもオリックスは、大阪球児自体が少ない。
12球団最少の3人だけだ。
神戸と大阪は近いので、スカウト活動もしやすそうだと思うのだが、何かわけがあるのか。
オリックスと同じ兵庫県のチーム、阪神には6選手。
大阪唯一の球団近鉄は、地元ファンを呼ぶためか、大量の大阪球児を獲得している。
PL学園 | 上宮 | その他の高校出身者 | ||
巨人 | 桑田 真澄 | 元木 大介 | 上原 浩治 | 東海大仰星 |
入来 祐作 | 山田 真介 | |||
清原 和博 | ||||
ヤクルト | 宮本 慎也 | 三木 肇 | 平本 学 | 大産大付 |
福川 将和 | 大体大浪商 | |||
横浜 | 野村 弘樹 | 種田 仁 | 金城 龍彦 | 近大付 |
田中 一徳 | 光山 英和 | |||
七野 智秀 | ||||
中日 | 福留 孝介 | 筒井 壮 | 田上 秀則 | 大産大付 |
立浪 和義 | 久本 祐一 | 柏原 | ||
前田 新悟 | ||||
辻田 摂 | ||||
阪神 | 今岡 誠 | 谷中 真二 | 泉州 | |
片岡 篤史 | 矢野 輝弘 | 桜宮 | ||
坪井 智哉 | ||||
桜井 広大 | ||||
広島 | 黒田 博樹 | 田中 由基 | 大商学園 | |
国木 豪太 | ||||
西山 秀二 | ||||
ロッテ | 亮寛 | 薮田 安彦 | 川井 貴志 | 大阪桐蔭 |
サブロー | 渡辺 正人 | |||
今江 敏晃 | ||||
日本ハム | 中村 豊 | 山口 弘佑 | 泉州 | |
西浦 克拓 | 建山 義紀 | 東海大仰星 | ||
清水 章夫 | 大阪 | |||
駒居 鉄平 | 関西創価 | |||
岩本 勉 | 阪南大高 | |||
西武 | 松井 稼頭央 | 福井 強 | 大阪桐蔭 | |
水田 圭介 | 大阪桐蔭 | |||
中村 剛也 | 大阪桐蔭 | |||
犬伏 稔昌 | 近大付 | |||
田原 晃司 | 泉州 | |||
上田 浩明 | 北陽 | |||
近鉄 | 前川 勝彦 | 市原 圭 | 谷口 悦司 | 大阪桐蔭 |
宇高 信次 | 三木 仁 | 藤井 彰人 | 近大付 | |
朝井 秀樹 | 山下 勝己 | 近大付 | ||
前田 忠節 | 山崎 浩司 | 大産大付 | ||
内匠 政博 | 中村 紀洋 | 渋谷 | ||
覚前 昌也 | 古久保 健二 | 太成 | ||
オリックス | 久保 充広 | 近大付 | ||
藤井 康雄 | 泉州 | |||
嘉勢 敏弘 | 北陽 | |||
ダイエー | 野々垣 武 | 的場 直樹 | 水田 章雄 | 清教学園 |
荒金 久雄 |
選手の所属は、2002年シーズン終了時点のもの。
選手の並びは、年齢順ではない。
泉州は、現・飛翔館。