大阪キュージーズ
前回のコラム「野球界の1割を占める勢力」で、大阪府内の高校を出た現役プロ野球選手をとりあげた。
彼ら大阪球児の今季の成績を、今回は調べてみることにする。
まずは野手から。
大阪球児だけでオーダーを組んでみた。
守 | 名前 | チーム | 出身高校 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | 試合 | ||
1 | S | 遊 | 松井 稼頭央 | 西武 | PL学園 | 0.332 | 36 | 87 | 33 | 140 |
2 | 二 | 宮本 慎也 | ヤクルト | PL学園 | 0.291 | 5 | 25 | 6 | 114 | |
3 | L | 右 | 福留 孝介 | 中日 | PL学園 | 0.343 | 19 | 65 | 4 | 140 |
4 | 三 | 中村 紀洋 | 近鉄 | 渋谷 | 0.294 | 42 | 115 | 2 | 140 | |
5 | L | 左 | 立浪 和義 | 中日 | PL学園 | 0.302 | 16 | 92 | 4 | 137 |
6 | 指 | 今岡 誠 | 阪神 | PL学園 | 0.317 | 15 | 56 | 0 | 122 | |
7 | L | 一 | 片岡 篤史 | 阪神 | PL学園 | 0.228 | 11 | 46 | 2 | 120 |
8 | 捕 | 矢野 輝弘 | 阪神 | 桜宮 | 0.321 | 6 | 27 | 1 | 66 | |
9 | 中 | サブロー | ロッテ | PL学園 | 0.286 | 9 | 43 | 13 | 131 | |
捕 | 西山 秀二 | 広島 | 上宮 | 0.195 | 4 | 11 | 1 | 87 | ||
一 | 清原 和博 | 巨人 | PL学園 | 0.318 | 12 | 33 | 0 | 55 | ||
一 | 犬伏 稔昌 | 西武 | 近大付 | 0.307 | 3 | 24 | 0 | 74 | ||
二 | 種田 仁 | 横浜 | 上宮 | 0.252 | 5 | 29 | 5 | 116 | ||
三 | 元木 大介 | 巨人 | 上宮 | 0.257 | 6 | 52 | 1 | 121 | ||
遊 | 渡辺 正人 | ロッテ | 上宮 | 0.199 | 2 | 11 | 2 | 106 | ||
S | 外 | 金城 龍彦 | 横浜 | 近大付 | 0.170 | 0 | 13 | 5 | 111 | |
S | 外 | 田中 一徳 | 横浜 | PL学園 | 0.256 | 1 | 8 | 6 | 112 | |
外 | 中村 豊 | 日本ハム | 上宮 | 0.190 | 1 | 5 | 1 | 81 |
2002年シーズンの実際の成績。
Lは左打ち、Sは両打ち。
3割30本30盗塁の松井、首位打者の福留、打点リーグ2位の中村と、そうそうたる顔ぶれが勢ぞろいした。
スタメンではキャッチャーの矢野以外の8人が、規定打席に到達した。
その8人の半数が打率3割をクリア。
左打者と右打者の数のバランスも取れている。
とくに内野に逸材がそろった。
今岡は二塁手で初のベストナインに輝いた。
サードの中村は、ベストナイン、ゴールデングラブの同時受賞。
松井も同時受賞、おなじショートの宮本は4年連続5回目のゴールデングラブだ。
豪華すぎて、内野の布陣には迷った。
立浪には外野へまわってもらい、宮本はセカンド、今岡は指名打者にした。
ここは、監督によって判断がわかれるところかもしれない。
控えも充実している。
清原、犬伏は代打の切り札。
種田は、438打席に立ち、1993年以来2度目の規定打席超えをはたした。
打率は低いものの、52打点をあげた元木は、巨人の日本一に大きく貢献した。
この18人には入れなかった主な選手をあげてみよう。
近鉄の古久保健二(太成)、オリックスの藤井康雄(泉州)のベテランは、引退が決まった。
おもに守備固めで95試合に出た西武の上田浩明(北陽)や、ダイエーの野々垣武(PL学園)は味のある脇役。
近鉄の前田忠節(PL学園)、藤井彰人(近大付)や、三木兄弟の兄であるヤクルトの三木肇(上宮)は、50試合前後に出場し、今後が期待される。
今オフ、阪神から日本ハムへ移籍した坪井智哉(PL学園)にも復活してもらわないと。
次は投手陣だ。
名前 | チーム | 出身高校 | 試合 | 勝 | 敗 | S | 投球回 | 防御率 | ||
先 | 上原 浩治 | 巨人 | 東海大仰星 | 26 | 17 | 5 | 0 | 204 | 2.60 | |
先 | 桑田 真澄 | 巨人 | PL学園 | 23 | 12 | 6 | 0 | 158 1/3 | 2.22 | |
先 | 黒田 博樹 | 広島 | 上宮 | 23 | 10 | 10 | 0 | 164 1/3 | 3.67 | |
先 | L | 前川 勝彦 | 近鉄 | PL学園 | 22 | 4 | 11 | 0 | 136 2/3 | 4.87 |
先 | 入来 祐作 | 巨人 | PL学園 | 21 | 5 | 4 | 0 | 133 | 3.05 | |
先 | 岩本 勉 | 日本ハム | 阪南大高 | 4 | 1 | 2 | 0 | 17 | 6.88 | |
リ | 谷中 真二 | 阪神 | 泉州 | 41 | 5 | 8 | 0 | 102 1/3 | 3.43 | |
リ | L | 川井 貴志 | ロッテ | 大阪桐蔭 | 51 | 4 | 1 | 0 | 78 1/3 | 2.76 |
リ | L | 嘉勢 敏弘 | オリックス | 北陽 | 33 | 0 | 2 | 0 | 18 | 3.50 |
リ | L | 清水 章夫 | 日本ハム | 大阪 | 18 | 2 | 4 | 1 | 48 1/3 | 4.28 |
リ | 水田 章雄 | ダイエー | 清教学園 | 6 | 3 | 0 | 0 | 34 1/3 | 2.62 | |
抑 | 建山 義紀 | 日本ハム | 東海大仰星 | 45 | 3 | 2 | 4 | 59 | 2.29 |
2002年シーズンの実際の成績。
先は先発、リはリリーフ、抑は抑え。(ぼくの独断で決めたもの)
Lは左投げ。
エースはもちろん上原。
ルーキーイヤー以来の最多勝、沢村賞に輝いた。
桑田は入団2年目以来、15年ぶりの最優秀防御率という珍記録をつくった。
このふたりは、巨人チーム内の勝ち星1、2位である。
日本一チーム投手陣の牽引役だったといえよう。
黒田は昨年につづいて2ケタ勝利をあげた。
ここ3年間の完投数は、7、13、8で、いずれもリーグ最多。
スタミナ満点のミスター完投である。
先発4番手以降にとって、今年は不本意に終わった。
大阪らしく、キャラは立っているのだが・・・。(ただし、入来は宮崎県出身)
投手陣は、野手ほど出身校にかたよりは見られない。
阪南大高、大阪、清教学園を出た現役プロ選手は、ここにのせたひとりしかいない。
東海大仰星出身は、上原、建山の同級生コンビだけだ。
建山は、自己最多の45試合登板と活躍した。
先発はゼロ試合で、救援に専念したことが成功につながったのか。
川井、嘉勢のリリーフ左腕もチームに欠かせない存在となった。
谷中は先発もこなし、100イニングを突破した。
以上、現役プロ選手74人を産み出している大阪球児でチームを作ったが、予想にたがわず圧倒的な戦力をみせつけた。
はたして、大阪の独走に待ったをかける地域はあるのだろうか。
ここにのせられなかった大阪球児の名前は、前回のコラム「野球界の1割を占める勢力」にある。