大阪球児に強大な壁が出現
野球界において、独占禁止法に抵触しそうな力を誇示する、大阪府の高校出身者たち。
前回のコラムでは、彼ら大阪球児について述べた。
そして、大阪に対抗しうる地域はあるのかと感嘆しつつ、コラムを締めくくった。
実はあるのだ。
あの大阪さえも圧倒するパワー、投手力を持つチームが。
神奈川県、東京都でもない、そのチームとは、ズバリ、「海外キュージーズ」だ。
では、外国人選手だけでつくられた、「海外キュージーズ」のメンバーを見てみよう。
名前 | チーム | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | 試合 | |||
1 | L | 右 | バルデス | ダイエー | 0.303 | 21 | 76 | 2 | 121 |
2 | 左 | ラミレス | ヤクルト | 0.295 | 24 | 92 | 0 | 139 | |
3 | L | 中 | ローズ | 近鉄 | 0.272 | 46 | 117 | 5 | 138 |
4 | 指 | カブレラ | 西武 | 0.336 | 55 | 115 | 4 | 128 | |
5 | L | 一 | ペタジーニ | ヤクルト | 0.322 | 41 | 94 | 0 | 131 |
6 | 三 | アリアス | 阪神 | 0.258 | 32 | 82 | 3 | 126 | |
7 | 捕 | シェルドン | オリックス | 0.256 | 26 | 59 | 4 | 129 | |
8 | 遊 | ディアス | 広島 | 0.281 | 17 | 51 | 2 | 96 | |
9 | 二 | グラン | 横浜 | 0.226 | 10 | 34 | 1 | 67 | |
S | 一 | セギノール | オリックス | 0.204 | 23 | 47 | 1 | 89 | |
一 | ロペス | 広島 | 0.245 | 5 | 33 | 0 | 80 | ||
S | 二 | クレスポ | 巨人 | 0.122 | 2 | 7 | 0 | 24 | |
三 | ゴメス | 中日 | 0.267 | 16 | 43 | 0 | 66 | ||
三 | エバンス | 西武 | 0.252 | 15 | 45 | 0 | 78 | ||
L | 外 | メイ | ロッテ | 0.274 | 23 | 90 | 2 | 136 | |
L | 外 | クローマー | 日本ハム | 0.245 | 20 | 54 | 5 | 131 | |
L | 外 | ロドリゲス | 横浜 | 0.262 | 18 | 60 | 10 | 138 | |
外 | オバンドー | 日本ハム | 0.263 | 26 | 68 | 3 | 118 |
2002年シーズンの実際の成績。
Lは左打ち、Sは両打ち。
わざわざ説明する必要もないような強力打線だ。
3、4、5番で合計142本塁打、326打点を量産した。
55本の本塁打王と打点王がいて、もちろん3人ともベストナインに選ばれた。
バルデスは3割、アリアスは30ホームラン、ラミレスは90打点で、前後をしっかり固めている。
例年、海外キュージーズは、捕手の人材不足で悩むことが多い。
しかし、今季はたのもしい選手が加入した。
オリックスのシェルドンである。
彼はアメリカ大リーグで、1試合のうちに、投手を含む全9ポジションにつくという珍しい体験をした。
ホームベースは彼に守ってもらうことで決まりだ。
二遊間もさびしい。
ディアスがショート、グランとクレスポがセカンドとの構想だが、迫力不足は否めない。
対照的に外野は百花繚乱。
控えの4選手も全員規定打席に届いている。
あえてこの打線の欠点を探すとすれば、盗塁が少ないことと、三振が多いことか。
2ケタ盗塁はロドリゲスだけ。
2〜7番打者は、すべて100三振以上を喫した。
シェルドンは両リーグ最多の155三振。
146三振のラミレスが2番打者というのも、なかなかオツではないか。
ベンチでは、セギノール、クローマー、ロドリゲスが100三振以上だ。
さて、外国人選手といっても、その規定はちょっとややこしい。
外国籍でも日本人選手あつかいになる選手もいる。
現在、日本人選手あつかいになる外国人の規定は以下の通り。
以上、fj.rec.sports.baseball FAQで教えていただいた。
つぎは投手。
名前 | チーム | 試合 | 勝 | 敗 | S | 投球回 | 防御率 | ||
先 | ミンチー | ロッテ | 32 | 15 | 14 | 0 | 230 1/3 | 2.85 | |
先 | パウエル | 近鉄 | 32 | 17 | 10 | 0 | 216 2/3 | 3.78 | |
先 | ホッジス | ヤクルト | 32 | 17 | 8 | 0 | 200 2/3 | 3.41 | |
先 | L | ムーア | 阪神 | 27 | 10 | 11 | 0 | 181 1/3 | 3.33 |
先 | L | ヤーナル | オリックス | 25 | 6 | 13 | 0 | 164 1/3 | 3.62 |
先 | L | 具 臺晟 | オリックス | 22 | 5 | 7 | 0 | 146 1/3 | 2.52 |
リ | シコースキー | ロッテ | 47 | 4 | 6 | 2 | 96 2/3 | 3.45 | |
リ | L | ニューマン | ヤクルト | 42 | 2 | 3 | 0 | 71 2/3 | 3.52 |
リ | アルモンテ | 巨人 | 27 | 0 | 0 | 1 | 24 | 1.50 | |
リ | ペドラザ | ダイエー | 34 | 1 | 2 | 21 | 30 | 3.30 | |
リ | バルデス | 阪神 | 42 | 4 | 3 | 22 | 52 2/3 | 1.54 | |
抑 | ギャラード | 中日 | 47 | 1 | 1 | 34 | 47 1/3 | 1.52 |
2002年シーズンの実際の成績。
先は先発、リはリリーフ、抑は抑え。Lは左投げ。
パウエル、ホッジスと両リーグの最多勝投手を有する。
おたがいに2001年シーズンの途中に来日した。
1年目はパウエル4勝、ホッジス5勝だったが、大きく成績をのばした。
パウエルが5完投4完封に対し、ホッジスは完投ゼロ。
また、三振奪取率(9回あたりの奪三振)は、パウエル7.56で、ホッジス5.92。
与四球率(9回あたりの与四球)は、パウエル1.70、ホッジス3.00とずいぶんタイプが違う。
3人の先発左腕は、投球内容はいいのだが、いずれも負け越してしまった。
味方の援護が乏しいのかもしれない。
ミンチーもロッテ移籍後、2年連続して14敗を喫した。
シコースキーとニューマンは、おもに中継ぎで40試合に登板した。
被打率はどちらも2割1分台と抑えている。
シコースキーは投球回を上回る102三振を奪った。
いっぽう、ニューマンの課題はやや多いフォアボール(与四球率3.77)にありそうだ。
なんとクローザーが3人も集まった。
ペドラザは来日4年間で100セーブを達成した。
今季34セーブを加えたギャラードも、これで通算98セーブ。
来年早々にも大台到達が見られるだろう。
投手は12人としたが、ここにもれた選手にも光を当てたい。
今年はとくに、先発投手の出来がよかった。
100イニングをクリアした7投手の成績ものせておこう。
7人すべて右投手である。
名前 | チーム | 試合 | 勝 | 敗 | S | 投球回 | 防御率 |
シールバック | 日本ハム | 22 | 8 | 7 | 0 | 140 | 3.60 |
バワーズ | 横浜 | 24 | 4 | 8 | 0 | 131 1/3 | 3.77 |
ミラバル | 日本ハム | 18 | 9 | 6 | 0 | 125 2/3 | 3.37 |
許 銘傑 | 西武 | 20 | 9 | 7 | 0 | 118 1/3 | 3.65 |
張 誌家 | 西武 | 19 | 10 | 4 | 1 | 116 1/3 | 2.71 |
バンチ | 中日 | 17 | 7 | 7 | 0 | 112 2/3 | 3.28 |
ホルト | 横浜 | 19 | 6 | 10 | 0 | 111 | 3.57 |
最後に、チーム別の外国人選手のリストをのせる。
チーム | 投手 | 野手 |
巨人 | アルモンテ | クレスポ |
鄭 民台 | ||
ワズディン | ||
趙 成民 | ||
ヤクルト | ニューマン | ラミレス |
ホッジス | ペタジーニ | |
リーゴ | ユウイチ | |
ツギオ | ||
横浜 | バワーズ | ロドリゲス |
ホルト | グラン | |
グスマン | ヤング | |
ターマン | ||
中日 | ギャラード | ゴメス |
バンチ | ブレット | |
バルガス | リナレス | |
曹 竣揚 | ||
呂 健剛 | ||
阪神 | バルデス | アリアス |
ムーア | ホワイト | |
ハンセル | ||
カーライル | ||
広島 | ベルトラン | ディアス |
スタニファー | ロペス | |
シュールストロム | ||
ラミーレス | ||
マテオ | ||
ロッテ | シコースキー | メイ |
ミンチー | ボーリック | |
日本ハム | シールバック | |
ミラバル | クローマー | |
フリューリー | オバンドー | |
西武 | 許 銘傑 | カブレラ |
張 誌家 | エバンス | |
マクレーン | ||
近鉄 | パウエル | ローズ |
バーグマン | ウィルソン | |
ジョンソン | ||
オリックス | ヤーナル | シェルドン |
具 臺晟 | セギノール | |
余 文彬 | ||
ダイエー | ペドラザ | バルデス |
ラジオ | バークハート | |
カスティーヨ | ||
ゴメス |
所属は2002年シーズン終了時のもの。