アメリカ帰りの実力は?
日本からアメリカ大リーグに挑戦する選手がいれば、帰ってくる選手もいる。
今シーズンは、3人の元大リーガーの日本復帰が話題になった。
オリックスのマック鈴木、吉井理人、阪神の伊良部秀輝である。
もはやシーズンも終わりに近いが、3人の成績を調べてみたい。
試合 | 勝 | 敗 | S | 投球回 | 安打 | HR | 三振 | 四球 | 死球 | 失点 | 自責点 | 防御率 | |
マック鈴木 | 28 | 4 | 9 | 1 | 103 1/3 | 123 | 18 | 81 | 69 | 4 | 96 | 82 | 7.14 |
吉井理人 | 24 | 2 | 7 | 1 | 76 | 103 | 14 | 43 | 20 | 3 | 58 | 55 | 6.51 |
伊良部秀輝 | 26 | 13 | 8 | 0 | 168 | 179 | 22 | 159 | 47 | 6 | 73 | 70 | 3.75 |
※・・・成績は10月1日現在。
マックは18試合、吉井は12試合に先発と起用法は一貫していない。
しかし、この成績では起用法のせいだけにするわけにはいかないだろう。
対して伊良部はすべて先発での登板。
13勝はリーグ3位、防御率は8位、奪三振数は4位とタイトルにこそ届かないものの、まずまずの成績だ。
防御率 | 被安打 | 与四球 | 安+四死 | 奪三振 | 被打率 | 被本塁打 | |
マック鈴木 | 7.14 | 10.71 | 6.01 | 17.07 | 7.05 | 0.296 | 24 |
吉井理人 | 6.51 | 12.20 | 2.37 | 14.92 | 5.09 | 0.327 | 26 |
伊良部秀輝 | 3.75 | 9.59 | 2.52 | 12.43 | 8.52 | 0.281 | 18 |
※・・・被安打、与四球、安+四死(被安打と与四死球の合計)、奪三振は9回あたりのもの。被本塁打は140回あたり。
マックの被打率はダイエーのチーム打率と同じくらい。
決してほめられたものではないが、それより問題なのは四球が多いことだ。
9回あたり6個の与四球では、守っている野手の気持ちも下がる。
マックは暴投も10個を数え、リーグ最多となっている。
マックと対照的な吉井。
フォアボールは出さないが、被打率.327では打撃投手ではないか。
右打者に.325、左打者に.329とまんべんなくヒットを許す。
140回あたり26本の被本塁打も多すぎる。
ふたりのあとだと輝いて見える伊良部の成績だが、ぼくの目はごまかせない。
阪神のチーム防御率はリーグ1位の3.53なので、伊良部はチーム内では平均以下。
また、セ・リーグ6球団の平均打率は.269ほど。
被打率.281ではそれほどいばれない。
飛びぬけた投球内容とはいえそうもないのに、13もの勝ち星を挙げられたのはなぜなのか。
数字に表れない円熟味があるのか、それとも単に打線の援護のおかげなのか、判断は皆様にまかせたい。
現役プロ選手には、3人のほかにもアメリカ球界に挑戦していたものがいる。
そうしたアメリカ帰りを表にまとめた。
チーム | 守備 | 大リーグ | 帰りたて | |
柏田貴史 | 巨人 | 投手 | ○ | |
宮崎一彰 | 巨人 | 内野手 | ||
伊良部秀輝 | 阪神 | 投手 | ○ | ○ |
田中聡 | 阪神 | 内野手 | ||
野村貴仁 | 日本ハム | 投手 | ○ | ○ |
神島崇 | 日本ハム | 投手 | ||
井戸伸年 | 近鉄 | 外野手 | ○ | |
マック鈴木 | オリックス | 投手 | ○ | ○ |
吉井理人 | オリックス | 投手 | ○ | ○ |
佐野慈紀 | オリックス | 投手 | ○ | |
塩屋大輔 | オリックス | 投手 | ○ | |
藤本博史 | オリックス | 捕手 | ||
大越基 | ダイエー | 外野手 |
※・・・「大リーグ」は、大リーグ経験。「帰りたて」は、今年復帰または新入団。
神島は、アメリカのインディアンヒルズ短大出身で、アメリカでのプロ経験はない。
このなかで今年活躍しているのは、上記の3人だけと言っていいだろう。