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旧人王

2003年の旧人王の有力候補は、次にあげる3選手に絞ってかまわないだろう。

  チーム 試合 打席 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 打点 盗塁 四球 三振 打率
鈴木 尚広 

巨人

104 215 200 39 45 4 3 3 11 18 4 33 0.225
高橋 信二  日本ハム 105 336 309 34 81 16 1 12 49 3 15 73 0.262
  チーム 試合 S 投球回 安打 本塁打 四球 死球 三振 失点 自責点 防御率
佐藤 誠  ダイエー 31 3 3 0 45 1/3 45 4 18 3 32 15 15 2.98

セ・リーグは他に有力な候補者がおらず、鈴木で決まりだ。
パは、優勝に貢献した佐藤も捨てがたい。
しかし、12本塁打49打点という高橋の成績のほうが上回っていると見た。
パ・リーグ旧人王のタイトルは高橋のものだろう。

さて、ここまで読み進めて、旧人王とはいったいなんぞやと疑問に思ってしまうような方は、まさかいないだろう。
おそらく皆様、瞬く間にこの3人の共通点を見つけ出し、旧人王の意味に気づいたはずだ。
なぜなら、こんな奇特なコラムを読むような輩は、記録マニアか記録オタクか記録病患者しかいないからだ。

とはいえ、ごくごくまれに一般人が迷い込んでくる可能性もあるかもしれないので、一応説明しておこう。
新人王の資格者とは、入団5年以内で、投手は通算30投球回数以下、打者は通算60打席数以下。
それに対し旧人王は、入団6年以上で、投手は通算30投球回数以下、打者は通算60打席数以下。
つまり、遅咲き。
2003年にやっと花開いた遅咲きの選手を表彰しようと、ぼくが勝手に定めた賞なのである。

鈴木は入団7年目の25歳。
2002年までの6年間で、1軍出場は30試合、打席数は8のみだったので、旧人王の資格を有する。
高橋も25歳で、鈴木とおなじ年に入団した。
通算成績は、25試合36打席にとどまる。
佐藤はさらに遅咲きで、10年目の28歳。
巨人でプロ生活をスタートさせ、その後ダイエーに移籍した。
その間、登録名を変え、佐藤充、誠と名乗っていた時もあった。
通算20試合、投球回24.1というのがこれまでの成績である。

 

2003年に旧人王の資格をもっていた選手は、両リーグあわせて43人いた。
ポジション別では、投手8人、捕手14人、内野手9人、外野手12人である。
やはり、投手よりも野手、とりわけ捕手に苦労人が多い。
ひとつしかない椅子を争ううえ、おなじチームに伊東や古田のような大捕手がいたりするとさらに出番がまわってこない。
経験が重視されることもあり、ファームで勉強を重ねるうちに、5年くらいあっというまに過ぎてしまうのかもしれない。

旧人王資格者のうち、10年目以上の選手をピックアップしてみたい。

10年目 佐藤誠(ダイエー・投手)、渡辺孝男(日本ハム・捕手)、善村一仁(中日・内野手)
11年目 田原晃司(西武・捕手)、衣川幸夫(ヤクルト・内野手)
12年目 鮫島秀旗(ヤクルト・捕手)
13年目 小牧雄一(西武・捕手)

10年目の渡辺は、西武を退団した後、社会人のサンワード貿易に所属。
今年3年ぶりにプロに復帰した。
2003年シーズンも含めて、プロに6年以上いて、1軍戦に1試合たりとも出たことがない選手は4人。

6年目 トモキ(西武・投手)、高塚信幸(近鉄・捕手)、関谷智義(ダイエー・内野手)
7年目 カズ(西武・外野手)

高塚と関谷は、今オフ戦力外通告を言い渡され、高塚は引退を決めたらしい。

 

無学なぼくであるが、遅咲きと聞いて思いついたネタを少々。

2002年シーズンは、犬伏稔晶(西武・捕手)、萩原淳(オリックス・投手)が旧人王候補。
犬伏は12年目30歳。
74試合 151打席 打率.307 3本塁打 24打点 0盗塁
萩原は11年目29歳。
48試合 3勝4敗10S 64.2回 防御率2.64

初勝利までもっとも時間がかかったのは、13年の西清孝(横浜)。
1997年にやっとプロ1勝をつかんだが、前年までの通算投球回は38.1で、旧人王の資格はなかった。
戎信行(ヤクルト)、柴田佳主也(阪神)、野中徹博(ヤクルト)は、10年目で初勝利。
戎は2000年、初めての白星を得ると、そのまま好投を続け、防御率のタイトルまで獲ってしまった。
野中はドラフト1位で入団するも、台湾球界へ渡り、ふたたび日本に復帰する数奇な運命をたどった。
ただし、3人とも旧人王の資格は失っていた。

山田勉(ダイエー)も遅咲きといえそうだ。
ヤクルトにいた1993年、山田このとき8年目25歳で初勝利。
そのまま10勝を挙げ、1試合16奪三振のセ・リーグ記録まで打ち立てて、チームの日本一に貢献した。
前年までの通算投球回は18.2イニングで、旧人王の資格あり。

野手で思いつくのは渡辺浩司(日本ハム)くらいか。
1995年、14年目32歳で突如レギュラー二塁手に定着して規定打席もクリアした。
116試合 443打席 打率.246 3本塁打 45打点 14盗塁
ただし、前年までの通算打席は60を超えていた。

旧人王と趣旨は違うが、竹下慎太郎(横浜・投手)も気になる存在だ。
29歳でプロ入り。
これは史上2番目の高齢らしい。
ドラフト史上最高齢は、1982年中日3位の市村則紀投手で、御歳30歳だったそうだ。

2003年、26歳8年目の宮出隆自(ヤクルト)も遅咲きのにおいがした。
60試合 169打席 打率.277 5本塁打 18打点 1盗塁
まずまずの成績、しかも通算打席数は19。
だが、彼に旧人王を与えるわけにはいかない。
なぜなら宮出は、投手としてすでに100イニング以上投げているからだ。

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