符号化方式
■ 符号化。Encoding。
音声や映像などのアナログ情報をデジタルデータに変換すること。
たとえば音声を符号化するにはPCMが、映像を符号化するにはMPEGが、
また文字を符号化するにはASCIIが用いられる。
あるいは、こうしたデジタルデータを、
電圧や光などのパルス信号に置き換えることも、符号化という。
たとえば1を電圧アリ、0を電圧ナシとして表す方法がある。
■ パルス符号変調。PCM。Pulse Code Modulation。
音声などのアナログ情報をデジタル信号に変化する方法。
標本化、量子化、符号化の3段階からなる。
(1) 標本化。サンプリング。Sampling。
元となるアナログ信号を一定の時間間隔で区切ること。
シャノンの標本化定理に基づき、
元の信号の最高周波数の2倍以上の周波数で区切る。
(2) 量子化。
標本化された波形の振幅をあるレベルに区切って数値化し、
整数になるように四捨五入すること。
このとき発生する誤差を、量子化雑音と呼ぶ。
(3) 符号化。
整数値に変換された振幅値を2進符号に置き換えること。
この時点で、信号はデジタル信号になっている。
■ シャノンの標本化定理。Shannon's Sampling Theorem。
伝送すべき情報量の最高周波数がfのとき、
1/2f以下の時間間隔でその瞬間値を読み取れば、
元の情報を完全に再現することができる。というもの。
すなわち、
元の信号の最高周波数の2倍以上の値を持つ回数で標本化すれば、
標本化したデータから元の信号を忠実に再現できる。ということ。
電話の場合、最高周波数の3,400kHzより少し高い周波数の
4,000kHzの帯域幅が割り当てられているため、
8000Hz(=125μs間隔)で標本化すれば、十分な音質が得られる。
■ MPEG。Moving Picture Coding Experts Group。
動画像のデータを圧縮・符号化する方式。
動き補償予測と離散コサイン変換(DCT)を用いる。
動き補償予測とは、
前の画像からの位置変化をベクトル情報によって表し、
このベクトル情報で動画を圧縮することをいう。
また離散コサイン変換とは、
静止画からあるブロックを切り出し、明るさや色合いの変化を捉え、
その変化の度合いを変換する符号化技術のことである。
MPEGではこのほかに、量子化やラングレス符号化などを使って、
圧縮効果を高めている。
■ ASCII。American Standard Code For Information Interchange。
文字情報を符号化する方式。
1963年に米国のANSIによって制定された文字コード体系。
英数字を7bitのビット列に変換する。
■ ベースバンド伝送方式。Baseband Transmission。
デジタル情報を伝送するにあたり、
0と1の変化をパルス波形の有無に対応付けて、そのまま送受信する方式。
変調を行なわない伝送方式のこと。
(1) RZ。Return to Zero。
ビットが1のとき、ビット時間長よりも短いパルスを送出し、
残りの時間は電圧0の状態に戻る方式。
(2) NRZ。Non Return to Zero。
ビットが1のとき、ビット時間中ずっとパルスを出し続け、
ビット時間が終わるまでは電圧0に戻らない方式。
(3) NRZI。Non Return to Zero Inverted。
ビットが0のときは電圧を変化させ、1が来ると変化させない方法。
(4) Bipolar方式。
ビットが0ならパルス有り、1ならパルスなしとするが、
パルスの極性を+と-に交互に変化させて送出する方式。
■ マンチェスタ符号化。Manchester Encoding。
10Mbpsのイーサネットで使われている符号化方式。
ビット時間の中間で電圧遷移を発生させて、0と1を表す。
マンチェスタ符号化では、
1を電圧の立ち上がり、0を電圧の立下りと定義している。
すなわち、ビット時間の前半が高く後半が低い信号を0、
逆に前半が低く後半が高い信号を1を表している。
以上。
2004/03/15 pm