Linux / リナックス
■ Linux。リナックス。 フィンランドのリーナス・トパーズ氏が開発したUNIX互換OS。 1991年に発表以来、インターネットを介して、 ボランティア開発者等による機能拡張が進められてきた。 基本部分となるカーネルは無償で配布されている。 現在は、複数の団体が、各種ソフトをパッケージして ディストリビューションとして無償(一部有償)で配布している。 例えば Red Hat Linux、Turbo Linux、Vine Linuxなどである。 Linuxは、UNIX系OSとしては、極めて新しい部類に入る。 またWindowsと比較しても普及度は低いため、 クラッカーの標的になるケースはあまり多くない。 ■ カーネル。Kernel。核。 Linux本体。 OSを正常に動かすために中枢となるソフトウェア。 Linuxという名称は、 本来はこのカーネル部分のソフトウェアにつけられた名前である。 Linuxは、モノリシック・カーネルを採用している点が特徴で、 デバイスドライバや各種サービスモジュールが一体化している。 ■ シェル。Shell。貝殻。 ユーザーがカーネルと対話するための仲介役。 キーボードから入力した文字列を解釈して、 その文字列に対応する仕事を実行するようにカーネルに伝えるソフトウェア。 Linuxをテキストモードで使用するときにプロンプトを表示するのがシェルである。 シェルは複数のコマンドを組合わせて使用できるので、 複雑な作業を効率良く処理できる。 現在では様々な高機能シェルが開発されているが、 これらのシェルはBシェルとCシェルに分類される。 (1) Bシェル。 UNIXシェルの元祖であるshから派生したシェル。 代表的なものにbashがある。 Linuxの場合、インストール後の標準設定では bashがログイン時のシェルになっている。 (2) Cシェル。 BSD-UNIXに付属していたcshの流れを汲むシェル。 Tcshやzshなどがある。 Cシェルという名前は、if文やwhile文といった制御構造が C言語の文法を基にしていることに由来する。 ■ Xウィンドウシステム。 UNIX上でGUIを使用できる基盤を提供するソフトウェア。 1994年、MIT学内のアテナプロジェクトが開発し、 1996年以降はUNIXの標準ウィンドウシステムとして採用された。 現在は、The Open Group内のX.orgが開発と権利を持っている。 Linux向けのXウィンドウは、1991年にトーマス・ロエルが開発。 現在、XFree86プロジェクト社が開発を進めている。 2002年1月にXFree86 4.2.0がリリースされた。 なお、X上で動作するアプリケーションを、Xクライアントと呼ぶ。 ■ ファイルマネージャ Xウィンドウ基盤上で、具体的なGUI環境を提供するソフトウェア。 ファイルマネージャは、 他のXクライアントを管理するための特別なXクライアントである。 他のXクライアントソフトに対して、 ウィンドウの外観を整え、特定の位置に表示したり、 サイズの変更や移動方法をコントロールするなどの役割を持つ。 代表的なものに、 XFree86のデフォルトのウィンドウマネージャであるtwmや、 fvwm、AfterStep、WindowMakerなどがある。 ■ デスクトップ環境 ファイルマネージャが提供する基盤上で、 高度なシステム環境を提供するソフトウェア。 デスクトップ環境は、 アプリケーション間のユーザインターフェースを統一したり、 アプリケーション間の通信機能(カット&ペースト等)を提供したりする 役割を持つ。 代表的なデスクトップ環境には、GNOMEやKDEがある。 (1) GNOME。GNU Network Object Model Environment。グノーム。 メキシコのGNOMEグループが開発している統合デスクトップ環境。 動きの軽さとカスタマイズ性の高さが特徴。全てフリーウェア。 開発ツールキットはGTK+。 (2) KDE。The K Desktop Environment。ケーディーイー。 The KDE Teamによって開発されている統合デスクトップ環境。 洗練されたGUI環境と安定性が特徴。フリーソフトウェア。 開発ツールキットはQt。 ■ デーモン。Daemon。 UNIX系OSでメモリ上に常駐し、 各種サービスを提供するアプリケーションプログラム。 UNIXを起動する同時に起動し、バックグラウンドで実行される。 デーモンは対話型プログラムではなく、 何らかの要求等をひたすら待ち続ける。 そして要求が来ると、しかるべき処理を行う。 Webサーバ(httpd)やSMTPサーバ(smtpd)は、通常デーモンとして動作する。 ■ スーパーデーモン。Super Daemon。 UNIX系OSでメモリ上に常駐し、 各種サービスを一括管理するアプリケーションプログラム。 UNIXを起動する同時に起動し、バックグラウンドで実行される。 スーパーデーモン(inetd)は、 POPやTELNET、FTP等の複数のサービスについて、 その接続要求が来ないかを代理で待っており、 要求があった時点で、それに応じたプログラムを起動する。 POPサーバ(popd)、FTPサーバ(ftpd)、TELNETサーバ(telnetd)は、 通常スーパーデーモンにより起動する。 inetdは、単にプログラムを起動するだけのものなので、 アクセス制御機能がなく、DoS攻撃の対象になりやすいため、 ふつうTCP Wrapperと組合わせて使用する。 ■ ブートローダー。 ハードディスクからOSを起動させるためのプログラム。 このプログラムを使用すると、 たとえば1台のPCでWindowsとLinuxを切り替えて行うことができる。 一般的にはLILO(ライロウ:Linux Loader)が使われてきたが、 現在はGRUB(グラブ:Grand Unified Bootloader)というプログラムが 主流になりつつある。 OSの起動情報はハードディスク先頭のMBRに記録されるが、 ここにインストールされた1つのブートローダによって、 複数のOSを切り替えて使用する環境を、マルチブート環境と呼ぶ。 ■ 日本語入力ソフト。 Linuxのほとんどの日本語版ディストリビューションでは、 Canna(カンナ)とFreeWnn(フリーウンヌ)等の日本語入力システムが、 標準でインストールされるようになっている。 商用の日本語入力ソフトウェアとしては、 オムロンソフトウェア社のWnn7や、 ジャストシステムのAtok X for Linuxなどがある。 ■ 統合オフィスソフト。 Linuxの代表的なオフィスソフトにはOpenOffice.orgがある。 サンマイクロシステムズが提供するオフィスソフト StarOfficeのソースコードが公開されたことに起因して 開発されたフリーソフトである。 OpenOffice.orgは、 ワープロ、表計算、プレゼンテーションなど多くの機能を備えており、 マイクロソフトOfficeのデータを読み書きできる点も特徴となっている。 ■ シスログ。syslog。 UNIX系OSに組み込まれている、 システムの稼働記録を残す仕組み。 Windows系OSのイベントビューアに相当するもの。 ログインしたユーザ名やアクセス元のIPアドレスなどを記録し、 必要に応じて、コンソールへの出力、ログファイルへの記録、 別マシンへのログ転送、管理者への通知などを行なう。 ■ コマンド覚え書き [ こちら ] ■ ディレクトリ覚え書き [ こちら ] 以上。 2004/03/16 pm