実戦譜の部屋


資本還元将棋その1

先手:T氏  後手:清水第一図

76歩  34歩  26歩  44歩
48銀  32銀  56歩  43銀
25歩  33角  68玉  22飛
78玉  62玉  58金右 72玉
96歩  35歩  46歩  36歩
(第1図)

36歩がいかにも資本還元らしい一着。以下後手から普通将棋では無筋な無理攻めが開始される。

第二図

(第1図以下)

36同歩 24歩  同歩  同角
47銀  27歩  同飛  32金
(第2図)
68銀  46角  同銀  27飛成
28歩  67龍  同銀  68飛
67龍  86玉  85銀
まで後手の勝ち


先手47銀のところでは23歩と一本叩くべきところ。68銀でもまだ23歩、同飛、25歩だった。
後手の32金は本譜のように46角の大さばきが狙い。
先手は28歩と一歩を消費するが、後手の持ち駒に飛車があるので「時すでに遅し」。
先手はまだしも46同銀と角を取るところで23歩とたたくべきだが、後手も手抜いて26歩とたたいてくるので、持ち駒の歩の枚数の差で後手が勝つだろう。



資本還元将棋その2

第一図先手:O氏  後手:清水
76歩  34歩  66歩  84歩
78銀  85歩  77角  62銀
68飛  42玉  38銀  32玉
48玉  14歩  16歩  74歩
67銀  73桂  39玉  75歩
65歩  86歩
(まで第1図)

75歩と資本還元手筋の開戦に、先手も65歩と突いてきた。後手は戦線拡大の86歩。大駒が交換されれば終盤も近い。

第二図
(第1図より)
22角成 同銀  78金  87歩成
64歩  88歩
(まで第2図)
58銀  78と  66飛  44角
36飛  68と  63歩成 58と
58同金 28銀  同銀  17角成
まで後手の勝ち

78金は痛恨の握手。87歩成は相手にせぬ方が良かった。一本88歩と消費しておくところが肝要で、次に金を取るためには持ち駒を減らしておかないといけない。
66飛では無論55角などの返し技もある。68とと取ってくれば、22角成、同玉、33銀で先手の勝ちだが、無論そうはならない。(例として44角などの応手が考えられる。)
63歩成は最後の失着で、無駄に持ち駒を増やしてしまった。58とと銀まで取られては、すでに受けはない。

最後17角成では、18金以下寄りながら駒をむしっていっても勝ち。



資本還元将棋その3  「驚きの桂跳ね」

第一図
 僕が勝つ棋譜ばかりだと何なので、負けた棋譜も見てもらおう。
 先手はM氏。資本還元はこれが2局目。後手は清水。

76歩  34歩  66歩  84歩
56歩  62銀  48銀  42玉
26歩  32玉  25歩  33角
36歩  85歩  78金  52金右
55歩  86歩  同歩  55角
37桂  74歩  24歩  同歩
23歩(まで第1図)

42玉を待ってから26歩と突いたのが巧妙で、結果として32玉と飛車先に玉を持っていった構想が仇となった。86歩を突き捨てておくのは、55角を狙うなら当然。74歩は角の退路を作る狙いだったが、先手の23歩が絶妙の一手だった。

第二図
(第1図より)
87歩  同金  85歩  22歩成
同銀  23歩  33銀  45桂
(まで第2図)

後手も遅ればせながら87歩から85歩だが、当然とはいえ先手の22歩成から23歩が厳しく、先手好調。後手は86歩、87歩成とすると2枚持ち駒が増えて危険。実質的にこの2手は指せないのだ。
何とここで先手は45桂! 飛車がタダだ!
果たしてこの攻めは成立しているのか?

(第2図より)
28角成 33桂成 同玉  65歩
44桂  同角    同歩  45桂
43玉  53桂成  同銀  54銀
まで先手の勝ち

ここは気合、とばかりに28角成。33桂成に同玉は当然で、同桂では22歩成に付き合わねばならない。
44桂では55桂の方が勝っていたようだ。
本譜は、44同歩が最後の失着で、同玉と取っていればすぐの寄りはなく、むしろ後手有望だった。
何にしろ、白熱した面白い一戦だった。





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