１ 資本還元将棋
【ルール】
持駒が５枚になったら負け。ただし、玉を詰まされても負ける。
玉を詰ますと同時に持駒が５枚になった場合は、その手自体が（反則と同義なので）成立しない。
〔この将棋の特徴〕
序盤は普通の将棋と類似。中盤から歩の突き捨てやたたき、駒取りに対する手抜きなどの手筋が連発。持駒が３枚ともなるとかなり危険で、大抵はそのまま連続攻撃で寄ってしまう。
《命名の由来》
持駒をため込んで一向に使おうとしない奴が一人いたので、資本（駒）を盤上に還元（使用）させようという目的で考案されたもの。湯川博士著「おもしろゲーム大全」（毎日コミュニケーション）で筆者は「資本還元将棋を創った男」として紹介されている。
※お勧め度・・・・・・☆☆☆☆☆
※作者より一言「将棋好きなら必ずはまる！ 実力者にも勝てて気分爽快」
「資本還元道場」…これであなたも有段者!!
「実戦譜の部屋」…資本還元将棋２局を紹介。
２ 損失補てん将棋
【ルール】
取った駒が相手の持ち駒になる。（他のルールは本将棋に同じ）
〔この将棋の特徴〕
駒の損得が永久に発生しない。一見勝負がつかないように思えるが、位を取って駒を盛り上げ、相手の玉を薄くすれば勝機は見える。捨てた駒が自分の持ち駒になるから安心して相手陣を薄く出来るし、連続飛車捨てで玉を危険地帯に引っ張り込む、などの手筋が使える。
《命名の由来》
「資本還元」に対抗して考えたもの。一時期騒がれた言葉をそのまま流用。
※お勧め度・・・・・・☆☆
※作者より一言「全体に地味な将棋になりがち。暇な時にどうぞ」
３ プラマイ将棋
【ルール】
① 相手の駒と向き合うと、その駒の利きが加わる（プラス）。
② 相手の駒と背面すると、その駒の利きが除かれる（マイナス）。
③ ただし、プラスとマイナスが同時に成立する場合は、利きに関してはマイナスが優先される。
（補足説明）
① 例えば角と桂が向き合うと、互いの利きの性能は残しながら角には桂の利きが、桂には角の利きが加わる。
② 玉と龍が背面しあうと、玉は利きを全て奪われ、全く動くことができない。龍も玉の利きが奪われる為、周囲１マスへは動けない。（したがってこの局面は王手ではない。）
ただし、１マスより向こうの場所へは龍の利きが残っているので移動は可能である。
③ ②の状態で玉の上に相手側の歩があった場合、玉の直前への利きは、「龍でマイナス・歩でプラス」となり相殺されて復活するように思えるが、ルール上プラスとマイナスではマイナス優先のため、やはり玉は動けない。従ってこの局面でもしこの歩を取り除くことが不可能な場合、この局面は「詰み」となる。ただしこの歩が打たれたものであるならば、当然「打歩詰」の反則となる。
また、マイナス優先といっても、それはあくまで利きの性能のことであり、仮に前述のケースで玉の直前にいるのが相手の桂なら、玉には桂の利きが発生するので、桂の後ろ斜めへと跳ねることができる。
〔この将棋の特徴〕
ルールで解説したように玉の後ろへ金を打ったり飛車が移動したりして、「不動金縛りの術」にかけることができる。しかし玉側にもうまい受けがあり、そう簡単には寄らない。いずれにしても、中盤から終盤にかけては結構面白い。慣れないうちは駒の性能に混乱するかも・・・。
《命名の由来》
利きのプラスとマイナスから来ている。（安南や対面など、駒の性能が入れ替わるものは多いが、加減されるのは珍しいのでは？）
※お勧め度・・・・・・☆☆☆☆
※作者より一言「中終盤の面白さは資本還元以上！」
４ ＵＮＯ将棋
【ルール】
①駒の強弱関係が以下のように決まっている。
玉→飛→角→金→銀→桂→香→歩→玉
自分のすぐ上位の駒は取ることができない。つまり飛車では玉は取れないし、玉は歩を取れない。
②（金・銀・桂・香について）どちらかが同一種の駒を全て独占した時点で「革命」を宣言する。
革命が起きたら、①の順番が丁度逆になる。すなわち、歩では玉を取れず、玉では飛車を取れない。
革命は４枚揃ったらその時点で必ず宣言すること。ただし、一つの種類の駒では一回しかできない。
〔この将棋の特徴〕
革命を如何に有効に使えるか。自分で揃えるよりは相手に取らせて宣言させる方が簡単そう。勿論そのタイミングで有効な手段がなければただの駒損だが。
序盤は歩の王手が利くが、終盤（革命後）は飛車を持つと有利。歩で玉が取れないので入玉しやすいかも。
《命名の由来》
カードゲームの「ＵＮＯ」から来ているが、内容的には「大貧民」に近い。ここでは語感を優先。
※お勧め度・・・・・・☆☆☆
※作者より一言「強弱関係が分かりにくい時は、メモを片手に指すべし」
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