2001年1月27日に将棋倶楽部24において行われた近代将棋主催「第四回コンピュータをいてこませ」に出場し、柿木将棋Vと対決しました。
これがその自戦記です。
出場までの経緯と、考えた作戦を、日記形式で書いていきます。
相居飛車での作戦はとにかく矢倉に組むこと。そのために、人間相手では考えられないような、相手をなめた指し方をする。
手始めに、右図のように早囲いを露骨に目指す。ここから後手に右四間などの急戦でこられると厳しいが、それはやってこない(はず)。2手目に△3四歩 ならこのようには組めないが、3手目に▲5八金右 としておいて無理矢理矢倉を狙う。
そうしておいて、早めに▲3五歩 からの歩交換をしておく。これに対して△4五歩 △5三銀 のような反発を受けると面倒になるがそれも大丈夫(のはず)。すんなり交換できたら、角を4六に引いて▲3六銀 ▲3七桂 の理想型に組める。組んでいる間に後手に先攻されるのが怖いが、角が4六にいれば受けにも効いているので後手は仕掛けてこない。
そのような状態になると、もはやこちらの好き放題に手が指せる。自玉の安全性が今ひとつだが、後手が仕掛けてこないのでいくらでも手数をかけて駒組ができることになる。普通に矢倉に組んでも十分のところだが、さらに欲張って右図のように矢倉穴熊まで組んでみたい。ここまで来れば、7:3の差はついているだろう。早めに一筋の端歩を詰めておくともっと差をつけることができるかもしれない。
…というのが理想的な展開だが、試用版では通用しても、本番で果たしてこんなにうまくいくだろうか。そして、うまくいったとしても観戦する方はつまらないだろうなぁ。すみません。一応今のうちに謝っておきます。
昨日は、マプさんのお言葉に甘えて、フリー室で柿木将棋Vとスパーリングさせていただく。予定通り矢倉に組むが、コンピュータが△7三銀 △7二飛 △5三角 とよくわからない駒組をしてきたため、上で書いた作戦は空振りに終わる。しかし、コンピュータが攻めの体勢を作らなかったこともあって、3・4筋での小競り合いから優勢になる。桂もさばけて攻めが筋に入ったかというところで、私がダウンしてしまったが、あのまま行けば勝てた感じだった。とはいえ、自玉も薄かったので、予断を許さないところではあるけれども。
明日はいよいよ本番。しかし、心配なことがいろいろと頭をよぎる。
…とこのくらい並べておけば、たいていのことには対応できるかな(爆)。
何とか寝坊せずに時間通り特別対局室に入る。先手を引き当て、矢倉に進み一安心。しかし、、、
ここからは、自戦記をご覧下さい。
矢倉愛好会会長のKengo Kさんに寄せがあったことを教えていただく。左図の局面で▲2三歩 が好手で、△同銀 なら▲2五金右 △同桂 ▲1六桂 △1五玉 ▲同銀不成 で受けなし。そこで、△4五桂 と粘ることになるが、▲2五金右 △3三玉 ▲3七金 △同桂成 ▲2二歩成 が詰めろとなって、先手の勝ちになりそうだ。
しかし、この手は早指しでなくても指せそうにない。結局、序盤でもっとリードを広げておかなければならなかったということですね。